電波(でんぱ)とは、周波数が3THz(テラヘルツ)以下の電磁波の総称[1][2]である。

アンテナ(中央)から電波が放射される様子を表した図
ダイポールアンテナが電波を受信する様子を表す模式図。緑の矢印が電波による電界であり、黒の矢印が電流である。

概要編集

電波は、放射されると光速で周囲に伝搬する。無秩序に使用された場合、紛争となる可能性があることから、電波を送信する機器が使用する周波数帯域は、国あるいは国際機関により管理・規制されている。日本では、電波法に基づき、総務省が管轄している。

電波の用途としては、次のようなものが挙げられる。

電波における電磁スペクトル編集

周波数と対応する波長によって電波は以下の周波数帯に分割される。

周波数帯 略称 ITU基準 周波数と波長 用途例
3Hz以下
100,000km以上
極極極超長波 ELF 1 3 - 30Hz
100,000km - 10,000km
潜水艦の通信
極極超長波 SLF 2 30 - 300Hz
10,000km - 1000km
極超長波 ULF 3 300 - 3000Hz
1000km - 100km
鉱山における通信
超長波 VLF 4 3 - 30kHz
100km - 10km
無線心拍計地球物理学
長波 LF 5 30 - 300kHz
10km - 1km
電波航法電波時計長波放送(一部の国でのAM放送
中波 MF 6 300 - 3000kHz
1km - 100m
中波放送(多くの国でのAM放送)、雪崩ビーコン
短波 HF 7 3 - 30MHz
100m - 10m
短波放送アマチュア無線業務無線核磁気共鳴分光法
超短波 VHF 8 30 - 300MHz
10m - 1m
超短波放送FM放送)、VHFテレビ放送、業務通信、核磁気共鳴分光法
極超短波 UHF 9 300 - 3000MHz
1m - 100mm
UHFテレビ放送(地デジ含)、電子レンジ携帯電話無線LANBluetoothGPS、業務通信、核磁気共鳴分光法
センチメートル波 SHF 10 3 - 30GHz
100mm - 10mm
ETC、無線LAN、衛星放送、最新レーダー電子スピン共鳴
ミリ波 EHF 11 30 - 300GHz
10mm - 1mm
電波天文学、高速中継放送、最新レーダー(ミリ波レーダー)、電子スピン共鳴
サブミリ波 300GHz以上
1mm以下

電波の質編集

電波法第28条に「送信設備に使用する電波の周波数の偏差及び幅、高調波の強度等電波の質は、総務省令で定めるところに適合するものでなければならない。」と規定している。これを受けた無線設備規則には、第1章総則第2節電波の質として、第5条から第7条に「周波数の許容偏差」、「占有周波数帯幅の許容値」、「スプリアス発射又は不要発射の強度の許容値」があり、具体的な値は別表第1号から第3号に規定するものとしている。

広域使用電波編集

電波法第103条の2第2項に「広範囲の地域において同一の者により相当数開設される無線局に専ら使用させることを目的として別表第7の上欄に掲げる区域を単位として総務大臣が指定する周波数(6000MHz以下のものに限る。)の電波」と規定している。 広域使用電波の指定は、電波法施行規則第51条の9の9に「総務大臣が別に告示により行うものとする。」とされ、この規定に基づき告示[3]される。

この規定は、電波利用料の算定に際し、電波の経済的価値に応じて負担する考え方を導入したもの[4]で、携帯電話など特定無線局として包括免許されるものについて適用され、使用する周波数幅に応じて増減される。 当初[5]の上限は3000MHz以下であったが後に[6]6000MHz以下となった。

  • 導入の検討時から「広域用電波」という文言が使用され、電波法改正後でもこの語を使用した記事があるが、これは誤字である。

注釈編集

  1. ^ https://www.arib-emf.org/sp/01denpa/denpa01-01/
  2. ^ CONVENTION DE L'UNION INTERNATIONALE DES TELECOMMUNICATIONS(国際電気通信連合
  3. ^ 令和元年総務省告示第174号 電波法第103条の2第2項の総務大臣が指定する周波数を定める件(総務省電波利用ホームページ - 総務省電波関係法令集)
  4. ^ 電波利用料の料額算定の考え方(総務省電波利用ホームページ - 電波利用料制度 - 電波利用料の額)(2007年8月8日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  5. ^ 平成17年法律第107号による電波法改正の平成18年4月1日施行
  6. ^ 令和元年法律第6号による電波法改正の令和元年10月1日施行

関連項目編集

外部リンク編集