電力潮流制御

電力融通や電力回生における電力の流れを制御する技術

電力潮流制御(でんりょくちょうりゅうせいぎょ)とは、電力融通や電力回生における電力の流れを制御する技術である。

電力潮流制御の基本的な原理編集

電力潮流制御において、その基本的な原理はアメリカ合衆国の電力網における電力融通によって開発された。アメリカでは、トーマス・エジソンが建造した火力直流発電所から、先進的な原子力発電所まで複数の電源が存在する。これらの発電所の電力はメッシュ状の電力網に電力を流し込み、電力の位相を制御する事により電力の「上流」と「下流」を作り出し、電力網全体に電力を供給する。

インピーダンス制御の必要性編集

前述の通り電力潮流制御では同期発電機を用い結果的に位相を制御するが、これは圧力(電圧)と量(電流)の調整となりインピーダンスの制御そのものである。特にインピーダンス制御という観点で電力潮流制御技術が発展したのは、2003年北アメリカ大停電における電力網の振る舞いを分析した結果であり、大停電事故が起きたのは高インピーダンス電力網から低インピーダンス電力網への電力流出が発生し、そのために過負荷に曝された発電機の位相が遅れ、位相が遅れた発電機を電力網の位相制御装置が次々と切り離したために電力供給能力が低下し、最終的に停電にいたったとされる[1]。大停電事故が発生した原因を分析した成果は、新しい世代の電力潮流制御技術を発展させた。電力網インピーダンスの見直し、突発的な発電所脱落に対応する電力ダムの建設、電力負荷に応じた電力網スイッチング技術の開発など、より障害に強い新しい電力網の建設が進められている。

鉄道における電力潮流制御編集

電気鉄道において、電力潮流制御はごくありふれた技術として用いられている。電車を加速するのに消費した電力は電車の運動エネルギーの形で保存されている。電力回生ブレーキによって電動機から回収した電力は架線に同期したインバーターを経て架線に戻される。複数の車両がこのような電力と運動エネルギーの相互変換を行う事で、鉄道の電力網全体の消費電力を軽減する。

一般家庭における電力潮流制御編集

主に売電と呼ばれる、自家発電余剰電力を電力網に投入するのに、電力潮流制御技術が使われる。電力網に同期して稼動するインバーターによって位相を整えた電力を電力網に投入する事により、ひとつの発電所として機能する。発電に使われる電源は太陽電池風力発電などがある。

脚注編集

関連項目編集