高温工学試験研究炉
高温工学試験研究炉 (High Temperature engineering Test Reactor:HTTR) とは、日本原子力研究所(現 : 日本原子力研究開発機構)が茨城県大洗町に建設した研究用原子炉である。炉の形式は、冷却材としてヘリウムを利用した黒鉛減速ガス冷却炉である。この形式の高温ガス炉としては日本唯一であり、3万キロワットの熱出力により950℃のガスを生み出し、その熱を利用して水素を製造することを目的としており、原子力発電は行わない[1]。燃料集合体は、ペブルベット型とは異なる六角柱型となっている。
1999年に出力30MWを達成した。2004年には950℃の原子炉出口冷却材温度を達成している。 また、固有の安全性を実証するため、冷却材流量低下試験等も行われている。
この原子炉は、発電だけではなく、en:Sulfur–iodine cycle(IS法)による熱化学水素製造に充分な熱量が得られるかの試験も行うことが目的とされていた。
2013年現在、この炉の技術を元にカザフスタンのクルチャトフに高温ガス炉による熱併給発電所を建設する検討が進められている[2]。
2011年1月から2021年7月29日まで運転を休止していたが、同月30日に再開した[3]。
出典編集
関連項目編集
外部リンク編集
- HTTR 高温工学試験研究炉 - 日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター
- 高温工学試験研究炉(HTTR) (03-04-02-07) - 原子力百科事典ATOMICA
座標: 北緯36度15分58.8秒 東経140度32分50.8秒 / 北緯36.266333度 東経140.547444度