鬼平外伝 夜兎の角右衛門
『鬼平外伝 夜兎の角右衛門』(おにへいがいでん ようさぎのかくえもん)とは、2011年に時代劇専門チャンネルで放送された単発のテレビ時代劇。
『鬼平犯科帳』の番外編として時代劇専門チャンネルとスカパー!が共同制作した、CS放送初制作のオリジナル時代劇。2011年1月3日にスカパー!で先行放送、2011年3月21日に時代劇専門チャンネルで放送された。
あらすじ
編集夜兎の角右衛門(中村梅雀)は先代、夜兎の角五郎(中村敦夫)から江戸の大盗賊一味を引き継いだ。ある日、大金を拾うも持ち主に返した右腕のない浮浪の女、おこう(荻野目洋子)と出会う。感心した角右衛門は、おこうに鰻の蒲焼きを食べさせる。鰻を生まれて初めて食し、これ以上、生きていて嬉しいことはないと涙ながらに語るおこう。大金を何故とろうとしなかったか尋ねると「人様の上がりで食いつなぐ自分たちの唯一の看板は、拾い物は必ず人様に返すことだ」と答える。その言葉に心を打たれた角右衛門は、おこうが浮浪になったきっかけが自身の一味が7年前に盗みを働いた際、子分におこうが斬られたことだったと知る。一味には三つの掟があった、そのうちの一つは人を殺傷せぬこと。おこうは鰻を食べられた事に満足して自殺してしまう。角右衛門は一の子分(石橋蓮司)におこうを斬った子分を始末させ、一味を解散、自身は妻子に別れを告げ奉行所に名乗り出た。磔獄門を期していた角右衛門だが、奉行の長谷川、同心の鮫島にこれを制される。人足寄場暮らしの中で、自身が課した盗賊看板の虚しさに気付いた角右衛門は、盗賊仲間の情報を鮫島に渡し、江戸の治安に貢献しはじめる。江戸に戻り、杖をつき、別れた妻子を見守る角右衛門に、最期が訪れる。