1-オクテン(1-Octene)は、化学式CH2CHC6H13有機化合物である。このアルケンは、二重結合がα位(1位)にあるα-オレフィンに分類され、反応性が高いため、便利に用いられる。工業的に重要な直鎖状α-オレフィンの1つで、無色の液体である。

合成編集

工業的には、1-オクテンは、エチレンオリゴ化フィッシャー・トロプシュ法のどちらかで作られることが多い。小規模な工業生産で使われている他の方法としては、アルコール脱水等もある。1970年代より前には、1-オクテンは、の熱クラッキングで生産されていたが、その他のオクテンは直鎖状アルカン塩素化/脱塩化水素によっても生産された。

エチレンをオリゴ化して1-オクテンにする工業プロセスには、5通りある。そのうち4つは、幅広く作られる様々なα-オレフィンの一部として1-オクテンを生成する。通常の環境下では、全体に占める1-ヘキセンの割合は、エチルプロセスでの約25%から、ガルププロセス及び出光プロセスの約8%までになる。

C8炭化水素の混合物から1-オクテンを単離する唯一の工業的方法は、南アフリカの化石燃料企業であるサソールにより行われている。サソールはフィッシャー・トロプシュ法を用いて、石炭由来の合成ガスから燃料を製造し、これらの燃料流から1-オクテンを回収している。ここでの当初の1-オクテン濃度は60%で、残りはビニリデン、直鎖状または分岐状オレフィン及びパラフィンアルコールアルデヒドカルボン酸芳香族炭化水素等である。

近年、2つの1-オクテン製造技術が実用化された。ブタジエン短鎖重合の工場がタラゴナダウ・ケミカルの工場、フィッシャー・トロプシュ法による1-ヘプテンから1-オクテンへの変換の工場がセクンダのサソールの工場にできた。サソールは、エチレンの選択的四量化による1-オクテンの製造についても実用段階まで進めている。

応用編集

1-オクテンの主な用途は、ポリエチレンのコモノマーである。高密度ポリエチレンリニアポリエチレンは、各々2-4%、8-10%のコモノマーを用いる。

その他の用途としては、ヒドロホルミル化により直鎖状C9アルデヒド(ノナナール)の合成に用いられる。このアルデヒドを酸化すると、短鎖脂肪酸ペラルゴン酸が生じる。同じアルデヒドを水素化すると、脂肪族アルコールであり可塑剤として用いられる1-ノナノールが生じる。

出典編集