ChromeOS Flex(クロームオーエス・フレックス)は、GoogleグループのNeverwareが提供するオペレーティングシステム (OS) である。

概要

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ChromeOS Flexの前身はChromiumで構築した「CloudReady(クラウド・レディー)」というOSで、中古パソコンなどをChromebook並みの操作性で利用できるようになっており[1]、主に業務用(企業・団体・学校などの教育機関など)向けに利用されていた[2]

展開

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ChromeOS Flexは、ウェブの閲覧とウェブアプリケーションの動作に適したOSとして、主にx86ARMなどのアーキテクチャを採用したネットブックデスクトップパソコンへ搭載されるOSとしての展開を想定している。11.6〜14インチのノートパソコンを中心としながらも、5インチのタブレットから60インチのディスプレイまで対応できるよう様々なUIが用意されている[3]

Googleが提供するもう一つのOSであるAndroidは主にスマートフォンなどの小さい携帯端末に向けたものだが、ネットブックに応用する動きもある。一方、ChromeOS Flexは、ネットブックより性能の高いフルサイズのデスクトップシステムにも最初から対応すると明言している[4]

ChromeOS Flexはオープンソースライセンスに基づいて提供されている[5]。上記のようにLinuxとGoogle Chrome、および同社が開発した独自のウィンドウシステムが用いられるという[6]

2017年以降、Windows 7のサポート終了(2020年1月)を機に安価なパソコンにChromeOS Flexを導入する企業が増えている。

機能

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基本Googleアカウントでのログインが必須であるが、ゲストモードでの利用は可能である。ChromeOS FlexのUIは、基本的にGoogle Chromeだけが前面に出ている形で、すべてのアプリケーションはウェブアプリケーションという形でGoogle Chromeにインストールされ、実行される。WindowsやMac OSなどのようにデスクトップ上にアイコンを作ることはできず、ランチャーを起動してから「シェルフ」と呼ばれる画面下部の領域にアプリのショートカットを作るか、Google Chrome内にブックマークを作る必要がある。

ユーザーが作成したデータはGoogle Driveに保存することが前提となっている。

使用するアプリはChrome Web Storeにて配布され、無料または有料で利用できる。

Chrome Web Storeへのアプリの登録は有料で、開発者は最初に5ドルの登録料をGoogle側へ支払う必要がある[7]

特性

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ChromeOS Flexの特性として、すでにOSの更新・サポートが終了している中古のパソコン(Microsoft WindowsmacOS問わず[8])でもインストールができるため、ChromeOSが標準装備されている純正パソコン並みの操作性に優れている[9]。ただし、Google Play(アプリストア)やAndroidアプリ、仮想マシンなどのサポートができないこと、一部のハードウェアが動作しないことなど、通常のChromebookとは異なる操作になるものもある反面、従来のハードディスクドライブ方式等の低スペックのパソコンにも対応している点もある[10]

このChromeOS Flexを利用した中古パソコンの販売を行っている業者[11]も存在する。

必要とされる最低限のスペック[10]

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脚注

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  1. ^ Shontell, Alyson (2011年9月21日). “Hey Young, Hot New Yorkers: Why Aren't You Building Useful Businesses?”. ビジネスインサイダー. http://www.businessinsider.com/generation-y-startups-2011-9 2022年10月28日閲覧。 
  2. ^ “グーグル、古いPCを無料でよみがえらせる「Chrome OS Flex」を発表”. ZDNet Japan. (2022年2月16日). https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/nishikawa/1442374.html 2023年2月23日閲覧。 
  3. ^ Form Factors Exploration (The Chromium Projects)
  4. ^ グーグルのブログ記事 "Introducing the Google Chrome OS" 2009-07-11閲覧
  5. ^ Shiels, Maggie (2009年7月8日). “Google to launch operating system”. BBC News. 2009年7月8日閲覧。
  6. ^ Arrington, Michael (2009年7月8日). “Google Chrome: Redefining The Operating System”. TechCrunch. 2009年7月8日閲覧。
  7. ^ Google、「Chrome Web Store」に5ドルの登録料――不正ソフト予防策として”. ITMedia News. 2010年8月22日閲覧。
  8. ^ Get ChromeOS Flex for PC or Mac” (英語). Chrome Enterprise. 2022年10月28日閲覧。
  9. ^ “古いWindows PCやMacがよみがえる、話題のChrome OS Flexとは”. 日経クロステック. (2022年9月1日). https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02159/080300001/ 2023年2月23日閲覧。 
  10. ^ a b “古いWindows PCやMacがよみがえる、話題のChrome OS Flexとは”. 日経クロステック. (2022年9月1日). https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02159/080300001/?P=2 2023年2月23日閲覧。 
  11. ^ 例:ChromeOS Flex搭載の中古パソコン販売開始サテライトオフィス

外部リンク

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