Google Chrome

Googleが開発しているウェブブラウザ
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Google Chrome(グーグル・クローム)は、Google社が開発したクロスプラットフォームウェブブラウザである。2008年にMicrosoft Windows用に最初にリリースされ、その後LinuxmacOSiOSAndroidに移植された。このブラウザはChromebookノートパソコン)やChromeboxデスクトップパソコン)に使われているChrome OSの主要構成要素でもあり、そのウェブアプリの基礎にもなっている。

Google Chrome
Google Chrome icon (September 2014).svg
Google Chrome 75 screenshot.png
開発元 Google LLC
初版 2008年9月2日(11年前) (2008-09-02
最新版 84.0.4147.105[1] ウィキデータを編集
プログラミング言語 C, C++, Java(Androidアプリのみ), JavaScript, Python[2][3][4]
対応OS
プラットフォーム IA-32, x86-64, ARMv7, ARMv8-A
対応言語 47言語[7]
種別 ウェブブラウザ
ライセンス
公式サイト www.google.com/chrome/
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Chromeのソースコードは、そのほとんどがGoogleのオープンソースChromiumプロジェクトからのものであるが、ChromeはGoogle社所有のフリーウェアとしてライセンスするようにした[8]WebKitは元々のHTMLレンダリングエンジンであったが、Googleは最終的にそれを分岐させてBlinkを作成して、iOSを除くすべてのChromeの版でこのBlinkが使用されるようになった[9]

2020年4月時点で、インターネットの流量統計用StatCounterによると、Chromeの全世界ウェブブラウザの利用シェアは従来のPCで(72.36%をピークにした後)現在68%で、全プラットフォームで64%であると推定される[10] [11] こうした成功により、Googleは「Chrome」ブランドを他の製品へ応用して、Chrome OS、Chromecast、Chromebook、Chromebit、Chromebox、Chromebaseを作っていった。

概要編集

Chromiumと称するオープンソースプロジェクトで開発されたウェブブラウザを基盤として開発され、Chromiumに対してロゴなどGoogleの商標、動画再生機能、自動更新機能など、プロプライエタリなコンポーネントを追加[12]した。Googleが開発したソースコードは BSDライセンスを適用しており、他のコードは各々異なるライセンスが適用される。

北アメリカ2008年9月2日、日本は9月3日にそれぞれ Windows XPVista向けのベータ版が公開され、12月12日に正式版[13]が公開された。最初のリリースの翌日にブラウザ市場で実質 1パーセント (%) 以上の占有率を獲得し[14]アメリカ合衆国で 1 週間に200万人がダウンロード[15]した。2010年5月25日(日本時間5月26日)、Mac OS XLinux向けの正式版が公開された[16]

StatCounterの調査で、2012年5月から世界の市場で占有率が1位[17]である。Net Applicationsの調査で2016年4月に世界的占有率を41.66%で、マイクロソフトInternet ExplorerMicrosoft Edgeを合わせたシェアを上回り1位[18]となる。

2018年4月現在でGoogle Chromeは、Windows 7以降、Mac OS X、LinuxおよびAndroid 4.1以降でARMアーキテクチャIntel/AMDアーテキクチャに対応し、iOSiPhoneシリーズ、iPadシリーズ、iPod Touchをそれぞれサポートしている。Windows XP/Vista、MacOSX 10.8以前などはChrome 50.xで、Android 4.0以前はChrome 42.xでサポートを終了している。

特徴編集

ユーザインタフェースタブブラウザの形式だが、タブ毎に独立したマルチプロセス・アーキテクチャを採用し、ドメイン毎に内部でグルーピングしてタブページ毎にプロセスを割り振る。このためにウィンドウプロセスとの通信は増加するも、個別タブのクラッシュやメモリリークの影響が他のタブへ影響しない。

処理を高速化するためにJavaScriptエンジンV8を採用した。

セキュリティ対策機能は、個々のプロセスを保護して問題が発生しても他へ影響を及ぼさぬサンドボックス機能、Google以外のページ閲覧履歴や Cookie データを残さない「シークレットウィンドウ」機能、フィッシング詐欺マルウェアなど危険サイトをGoogleがまとめたブラックリストをダウンロードして有害サイトアクセス時に警告を出すセーフ・ブラウジング[19]機能、などが備えられている。

新規に開いたタブに最も閲覧数の多い8つのページをサムネイルで一覧表示する機能、強制終了時にシークレットウィンドウ以外の開いていたページを再度表示させる「復元」機能、フォームへの自動入力機能などが搭載されている。

macOSやLinuxなどマルチプラットフォーム対応、テーマ機能、Mozilla FirefoxGreasemonkeyスクリプトに相当するユーザスクリプト機能[要出典]、拡張機能、などが追加実装されている。

Google Chromeの開発には、Mozilla Firefoxの開発に貢献した者が多く携わる。Firefox開発に携わったベン・ゴダーやダリン・フィッシャーなどがChrome開発チームの主要メンバーとして活動している[20]

Chrome 68から「保護された通信」か否かをアドレス欄左横に表示[21]するが、69から保護された通信は鍵マークのみに簡略化された。

更新編集

自動アップグレードにより、古いバージョンを使用時に自動的に新バージョンへ更新され、メジャーアップデートも自動更新される。最新のバージョンがほぼ100%のシェアをもつ[22]。アップデートは古いバージョンを実行時にバックグラウンドで処理され、Chrome起動時に新しいバージョンに差し替えられる。

Adobe Flash Playerプラグインが統合されており、Flash PlayerもGoogle Chromeアップデート機能を通じて自動的アップデートされる[23]PDFもChrome PDF Readerとして統合されており、Chromeとともにアップデートされる。

4週を単位に1か月周期でベータ版、13週を単位に3か月周期で安定版、それぞれのリリースを目標に開発[24]されていたが、Ver. 6以降は6週間ごとに安定版をリリース予定[25]である。

Blink編集

2013年4月3日、GoogleはGoogle Chromeのレンダリングエンジンをバージョン 28以降、WebKitからフォークした新たな独自レンダリングエンジンBlinkに変更すると発表した[26][27][28]。ChromeはSafariなどWebKitを採用している他のブラウザと異なるマルチプロセス・アーキテクチャを根底においた仕組みのため、開発効率やイノベーションが低下傾向になり、それらの問題を解消するためとしている[26][27][28]

モバイル版編集

 
Android 5.1.1上で動作するGoogle Chrome(バージョン46)

2012年6月27日にAndroid版を正式リリースした。

AndroidはChromeと異なるAndroid標準ブラウザを搭載していたが、2012年2月7日にAndroid版のβ版、2012年6月28日に正式版がリリースされ[29]Android4.4以降はChromeが標準搭載されている。一部のAndroid端末はAndroid4.4以上でもAndroid標準ブラウザを搭載した機種もあるが、Chromeも搭載されている。

プリロードによってページの読み込みを高速化する機能や、あらかじめGoogleのサーバー側でデータを圧縮することによってデータ使用量を節約する機能などがある[30]

モバイル向けAdobe Flash Playerの開発が2012年初頭に終了したため、Android版ChromeはFlashが利用不可となった。Flashの代替としてHTML5にシフトしている[31]

Open Search プラグインを利用した検索エンジンの追加には非対応である。

2012年6月28日にiOS版のChromeが発表されてApp Storeでリリースされた[32]アップルが設けるiOSアプリケーションの制限により、標準ブラウザのSafariと比較して実行速度が遅く、使い勝手も劣る部分がある[33]

2016年1月28日にリリースされたiOS版バージョン48.0からWKWebViewに移行し、JavaScriptも含めて動作が大幅に高速化している[34][35]

Google Chrome Frame編集

Google ChromeのブラウザエンジンをInternet Explorerに埋め込んで利用可能するプラグインである。2009年9月に初期バージョンがリリースされた[36]。Windows XP以降、IE6以降で動作する。高速なJavaScript処理機能や各種の新しい規格をIEで手軽に利用させることを目的としている。IEのブラウザ機能を完全に置換するものではなく、Webページ側にChrome Frameの使用を指示する情報がない限り自動的に機能しない。

マイクロソフトはGoogle Chrome FrameをインストールすることでIEにセキュリティ上の懸念が発生するとして非難した[37]

2014年1月に開発とサポートを終了した[38]

ログイン編集

Google アカウントでChromeへログイン時に「アプリ」、「拡張機能」、「設定」、「自動入力」、「履歴」、「テーマ」、「ブックマーク」、「パスワード」、「開いているタブ」、「googleペイメントのクレジットカードと住所」、同期データの暗号化オプションとアクティビティ管理、がユーザの設定に応じて自動同期される。

Chromeアプリのサポート終了編集

2020年1月15日(現地時間)、Googleは2022年6月にChrome OSを含めた全てのOSにおいて、Chromeアプリのサポートを終了すると発表した。Chromeの開発チームはサポート終了に関するスケジュールを以下の様に発表した。

2020年3月:Chromeウェブストアが、新規アプリの受け入れを停止。アップデートについては2022年6月まで可能。

2020年6月:WindowsMacLinuxでのアプリのサポートを終了。Chrome EnterpriseもしくはChrome Education Upgradeを持つユーザーは、2020年12月までサポートを延長するポリシーにアクセス可能。

2020年12月:全てのユーザーのWindows、Mac、Linuxでのアプリのサポートを終了。

2021年6月:NaClPNaClPPAPI(いずれもAPI)でのサポート終了。

2021年6月:Chrome OSでのサポート終了。Chrome EnterpriseもしくはChrome Education Upgradeを持つユーザーは、2021年6月までサポートを延長するポリシーにアクセス可能。

2022年6月:全てのユーザーのChrome OSでのサポート終了[39]

市場占有率編集

 
StatCounterによるブラウザシェア調査

ウェブブラウザ全体で1位[40]である。

チャンネル編集

3種類のチャンネルとカナリービルド[41]が存在し、下層ほど更新頻度が高い。すべてのチャンネルを同じPCに共存してインストールして使用できる[42]

  1. 安定チャンネル - 一般ユーザー向け
  2. ベータ (Beta) チャンネル - 毎月更新
  3. 開発 (Dev) チャンネル - 毎週更新
  4. カナリー (Canary) ビルド - 開発者向け。
  5. Chromium - 開発者向け。Chromeの基盤であり狭義はChromeに該当しないが、更新頻度はこの位置である。

関連項目編集

脚注編集

[脚注の使い方]

出典編集

  1. ^ https://chromereleases.googleblog.com/2020/07/stable-channel-update-for-desktop_27.html; 出版日: 27 7月 2020; 閲覧日: 28 7月 2020.
  2. ^ Chromium (Google Chrome)”. Ohloh.net. 2012年2月8日閲覧。
  3. ^ Chromium coding style”. Google Open Source. 2017年3月29日閲覧。
  4. ^ Lextrait, Vincent (2010年1月). “The Programming Languages Beacon, v10.0”. 2012年5月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年3月14日閲覧。
  5. ^ Nyquist, Tommy (2020年1月14日). “PSA: Android KitKat will soon be deprecated in the Chromium code base”. Google Groups. 2020年6月6日閲覧。
  6. ^ Chrome for iOS”. 2020年6月16日閲覧。
  7. ^ Supported languages”. Google Play Console Help. 2015年12月18日閲覧。
  8. ^ Google Chrome and Chrome OS Additional Terms of Service (Google)
  9. ^ Google going its own way, forking WebKit rendering engine (arstechnica, 2013)
  10. ^ Desktop Browser Market Share Worldwide (June 2018 - Mar 2020 Edit Chart Data)
  11. ^ Browser Market Share Worldwide (June 2018 - Mar 2020 Edit Chart Data)
  12. ^ Google Chromeが検索プロバイダに送信するデータ、Chromiumがある真の理由 (1) Google Chrome = Chromium + GoogleUpdate + RLZ | マイナビニュース
  13. ^ Google Chrome ReleasesGoogle Japan Blog: ChromeにGoogle Chrome Releasesの翻訳が提供されている)
  14. ^ Google Chrome、1日で1%のシェア獲得 - ITmedia News
  15. ^ 「Google Chrome」、米国では200万人がダウンロード--ニールセン、公開1週間の数値を発表:マーケティング - CNET Japan
  16. ^ 進化を続ける Chrome。より速くなった新バージョンを提供します Google Japan Blog 2010年5月26日
  17. ^ Top 5 Desktop, Tablet & Console Browsers from Jan 2012 to Apr 2016|StatCounter Global Stats”. 2016年6月24日閲覧。
  18. ^ “ブラウザーのシェア、グーグル「クローム」が首位に”. 日本経済新聞. (2016年5月3日). https://www.nikkei.com/article/DGXLASGN03H0M_T00C16A5000000/ 2018年8月23日閲覧。 
  19. ^ “Google Safe Browsing”. Google. (2018年8月23日). https://safebrowsing.google.com/ 2018年8月23日閲覧。 
  20. ^ Google Chromeに携わったキラ星のような開発者たち:コミックから読み解く - builder by ZDNet Japan
  21. ^ “「Chrome 68」公開、HTTPサイトに「保護されていません」の警告を開始”. CNET Japan. (2018年7月25日). https://japan.cnet.com/article/35122977/ 2018年8月24日閲覧。 
  22. ^ ブラウザバージョン移行状況、Chromeは理想的な状況
  23. ^ Flashを統合した「Google Chrome」最新安定版、脆弱性の修正も
  24. ^ Chromium Development Calendar and Release Info (The Chromium Projects)
  25. ^ Google、6週間毎にChromeの新バージョンを提供へ
  26. ^ “「Chrome for Android」正式版が公開”. ケータイ Watch. (2012年6月28日). http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20120628_543470.html 2012年6月29日閲覧。 
  27. ^ 帯域幅の管理
  28. ^ モバイル向けFlash終了でHTML5大勝利!と安心していられない理由
  29. ^ “Google、iOSアプリの「Chrome」と「Google Drive」をリリース”. (2012年6月29日). http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1206/29/news030.html 2012年6月29日閲覧。 
  30. ^ “Googleが「Chrome for iOS」公開、注目の速度はSafariより遅い”. INTERNET Watch. (2012年6月29日). http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20120629_543634.html 2012年6月29日閲覧。 
  31. ^ 「WKWebView」採用で:iOS版Chromeブラウザ、バージョン48で大幅高速化・安定化
  32. ^ iOS版「Chrome」がついにWKWebViewに対応、飛躍的に安定・高速化
  33. ^ “Google、IEを“Chrome並みに”改良するプラグイン「Chrome Frame」リリース”. ITmedia News. (2009年9月23日). http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0909/23/news010.html 2012年5月16日閲覧。 
  34. ^ “Microsoft、IEを「Chrome化」するGoogleプラグインを非難”. ITmedia News. (2009年9月25日). http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0909/25/news072.html 2012年5月16日閲覧。 
  35. ^ Chromium Blog: Retiring Chrome Frame
  36. ^ Chromiumブログ https://blog.chromium.org/2020/01/moving-forward-from-chrome-apps.html
  37. ^ “PCブラウザシェアの推移(日本国内・世界)2018年7月版”. やるぞう. (2018年8月5日). https://yaruzou.net/browser-share 2018年8月23日閲覧。 
  38. ^ Early Access Release Channels - The Chromium Projects
  39. ^ 2017年8月から共存できるようになった。Run multiple versions of Chrome side-by-side chromium blog

外部リンク編集