電子政府
この記事は世界的観点から説明されていない可能性があります。 (2021年12月) |
最も単純な形態としては、イントラネットの導入による行政処理の効率化や、ウェブサイトにおける行政活動の紹介、情報公開、行政サービスに関する情報の提供が挙げられる。
より複雑な技術的、組織的取組を伴うものとしては、行政サービスの提供をオンライン(ウェブサイトや専用端末の専用インターフェースなど)で行うものがある。これは一般市民に対して住民票を提供するようなサービスもあれば、行政が管轄下の事項に関する各種の申請手続を電子的に、すなわちウェブサイトや電話回線を利用した通信で、受け付けるものなどもある。
英語でe-Governmentと称されるプロジェクトは、Governmentの定義が必ずしも行政府に限定されず、電子投票、市民立法など立法部門に関わる電子技術の活用も含むことがある。司法についても並行する動き(電子司法[1]、電子裁判)がある。日本では日本経済再生本部で平成29年(2017年)から裁判手続等のIT化検討会が行われた[2]。
関連して、政策論議や世論調査、立法府の投票、行政へのパブリックコメントなどを電子的に行ういわゆる電子民主主義の試みがある。
取引を伴う場合には、電子商取引と同じく、セキュリティ、暗号化、電子認証、個人情報保護などの技術的、政策的問題が関わることになる。
日本の電子政府編集
日本では、1994年の高度情報通信社会推進本部の設立、行政情報化推進計画の策定から始まり、2000年12月に高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)が制定された。これに基づき2001年作成されたIT基本戦略(後のe-Japan戦略)によって電子政府の実現は重点政策課題のひとつとされた。
日本政府は、2018年には「デジタル・ガバメント実行計画」を閣議決定。「デジタル・ガバメント」を「サービス、プラットフォーム、ガバナンスといった電子政府に関する全てのレイヤーがデジタル社会に対応した形に変革された状態」と定義し、「電子政府」の発展的段階としてIT国家戦略の中心概念とした[3][4]。デジタル技術を使って、手続のワンストップ化を実現することを謳った[5]。その後、2019年12月20日に閣議決定[6]。
2020年9月に発足した菅義偉内閣は、デジタル庁設置など、デジタル・ガバメント実現に向けた取組みの加速・強化を重要施策として掲げた[7]。
「e-Gov」(イーガブ)と名付けられた総務省行政管理局のポータルサイト[8]、電子申請の窓口は「e-gov電子申請」などがある。
脚注編集
- ^ 裁判手続等のIT化検討会 第2回 議事要旨
- ^ “裁判手続等のIT化検討会- 日本経済再生本部” (日本語). 首相官邸ホームページ. 2021年12月7日閲覧。
- ^ 清水 響子 (2018年5月18日). “電子政府が衣替え?「デジタル・ガバメント実行計画」” (日本語). IT Leaders. 2021年12月7日閲覧。
- ^ 内閣官房IT総合戦略室「デジタル・ガバメントの推進について」
- ^ 内閣官房IT総合戦略室「死亡・相続ワンストップサービスの検討状況について」
- ^ “デジタル・ガバメント実行計画”. 政府CIOポータル. 2021年8月22日閲覧。
- ^ 大豆生田崇志=日経クロステック/日経コンピュータ (2020年9月18日). “菅新政権の「デジタル庁」構想、焦点は人事権と内製化に” (日本語). 日経クロステック(xTECH). 2021年12月7日閲覧。
- ^ 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ(総務省)
関連項目編集
外部リンク編集
- 各国の電子政府指標(国連)
- 各国における個人を対象としたIT サービスの先進的事例
- “電子私書箱(仮称)構想に関連する海外事例 (PDF)”. 2009年4月28日閲覧。
- “電子私書箱(仮称)構想の実現に向けた基盤整備に関する検討会報告書(案) (PDF)”. 2009年4月28日閲覧。(42-49ページ)
- 各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定 電子政府構築計画 (PDF) (日本、2003年/2004年)
- 『電子政府』 - コトバンク