EL/M-2248 MF-STAR英語: Multi-function surveillance & threat alert radar)は、イスラエルエルタ・システムズ社が開発した艦載用の多機能レーダー

EL/M-2248 MF-STAR
コルカタ級駆逐艦コルカタ」に搭載されたEL/M-2248 MF-STAR
種別 3次元レーダー
目的 多機能 (捜索捕捉追尾)
開発・運用史
開発国 イスラエルの旗 イスラエル
就役年 2014年
送信機
形式 半導体素子
周波数 Sバンド
アンテナ
形式 アクティブ・フェーズドアレイ (AESA; 4面固定式)
方位角 360度
仰俯角 -20〜+85度
探知性能
探知距離 最大450 km (240 nmi)
その他諸元
重量 2,000 kg(各面)
4,000 kg(甲板下)
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設計 編集

本機種は元々、コルベット程度でも搭載できる多機能レーダーとして開発された。4面のアクティブ・フェーズド・アレイ・アンテナを固定式に装備して、重量はアンテナ1面あたり1,500キログラム、関連する艦内装備機器が900キログラムとされていた[1]。探知可能距離は、高高度を飛行する航空機に対しては250キロメートル (130 nmi)、低高度を飛翔する対艦ミサイルに対しても25キロメートル (13 nmi)とされていた[1]

その後、最初に実用化されたフリゲート向けの機種ではシステム規模は拡大され、アンテナ1面あたりの大きさは3×3メートル、送受信モジュール数は2,000個で、重量は2,000キログラム、艦内装備機器は4,000キログラムとされており、最大探知距離は450キロメートルに延伸された[2]。一方、コルベット向けの小型版はアンテナ1面あたりの大きさを1×2メートル、重量を500キログラム、また艦内装備機器を1,300キログラムに小型・軽量化して、最大探知距離は250キロメートルとされている[2][3]。本機は多機能レーダーとして、指令誘導セミアクティブ・レーダー・ホーミング誘導のミサイルの射撃指揮を行なうことができ、IAI社のバラク-8艦対空ミサイルに対する中間指令誘導にも対応する[2]

なお本機を元にして、アンテナ回転型の多機能レーダーとしてEL/M-2258 ALPHAAdvanced Lightweight PHased Array)も開発されている[2]。こちらは更に小型の艦への装備を意図して開発されたことから、アンテナなど艦外装備品は700キログラム、艦内装備品は500キログラムと軽量だが、高高度目標に対して距離120キロ、低空目標に対しても25キロの探知距離を発揮できる[2]。イスラエル海軍では、既存のレーダーとの換装によってサール4.5型ミサイル艇などに搭載している[2]

採用国と搭載艦艇 編集

  イスラエル海軍

  インド海軍

  大韓民国海軍

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ a b IAI Elta IMINT & Radar Division (2014年). “MF-STAR - EL/M-2248” (PDF) (英語). 2017年7月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月23日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 多田 2021.
  3. ^ IAI (2019年). “MF-STAR - EL/M-2248” (PDF) (英語). 2021年11月23日閲覧。

参考文献 編集

  • 多田智彦「現代の艦載兵器(第23回)レーダー(その3)」『世界の艦船』第959号、海人社、148-155頁、2021年11月。 NAID 40022709075 

関連項目 編集