ISO 80000-7:2008は、光学)に関するとその単位について定めた国際規格である。

国際標準化機構(ISO)によって2008年に発行された。規格の名称は「量及び単位―第7部:光」(Quantities and units -- Part 7: Light)である。

この規格は、それまでのISO 31-6を置き換えたもので、国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)が共同で発行しているISO/IEC 80000の一部である[1]日本工業規格(JIS)ではJIS Z 8000-7:2014が相当する。

内容

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ISO 80000-7は以下の章からなる。

  • 序文 (Foreword)
  • 0 (導入) (Introduction)
  • 1 適用範囲 (Scope)
  • 2 引用規格 (Normative references)
  • 3 名称、記号及び定義 (Names, symbols and definitions)

名称・記号・定義

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ISO 80000-7では、光に関する以下の量とその単位が定義されている。量の番号と記号の番号の"."より左側が対応している。 なお、ISO 80000-7には量の定義も記されているが、ここではそれは記載しない。個別の項目を参照のこと。

単位 備考
番号 名称 記号 番号 名称 記号 定義
7-1 周波数 νf 7-1.a ヘルツ Hz 1 Hz = 1 s−1 ν = 1/T(T:周期)
7-2.1 真空中の波数   7-2.a 毎メートル m−1  
分光学では毎センチメートル(cm−1)を用いる。
7-2.2 波数 σ σ = ν/c
7-3.1 真空中の波長 λ0 7-3.a メートル m λ0 = c0/ν
オングストローム(Å); 1 Å = 10−10 m
7-3.2 波長 λ λ = c/ν
7-4.1 真空中の光の速さ,真空中の電磁波の速さ c0 7-4.a メートル毎秒 m・s−1 真空中の電磁波の速さ c0 = 299 792 458 m・s−1(定義値)
7-4.2 光の速さ c
7-5 屈折率 n 7-5.a (数の)1 1 n = c0/c
7-6 放射エネルギー QW,(U, Qe) 7-6.a ジュール J 1 J = 1 kg・m2・s-2
7-7 放射エネルギー密度 wρ 7-7.a ジュール毎立方メートル J・m-3
7-8 分光放射エネルギー密度(波長) wλρλ 7-8.a ジュール毎メートル4乗 J・m-4
7-9 分光放射エネルギー密度(波数)   7-9.a ジュール毎平方メートル J・m−2
7-10 アインシュタインの自然放射遷移確率jk Ajk 7-10.a 毎秒 s−1
7-11 アインシュタインの誘導放射遷移確率jk Bjk  7-11.a 秒毎キログラム s・kg−1
7-12 アインシュタインの誘導吸収遷移確率jk Bkj  7-12.a 秒毎キログラム s・kg−1
7-13 放射束放射パワー ΦP,(Φe) 7-13.a ワット W 1 W = 1 J・s−1 工率の単位と同一。
7-14 放射強度 I,(Ie) 7-14.a ワット毎ステラジアン W・sr−1
7-15 放射輝度 L,(Le) 7-15.a ワット毎ステラジアン毎平方メートル W・sr−1・m−2
7-16 球面放射照度放射フルエンス率 E0,(Ee,0) 7-16.a ワット毎平方メートル W・m−2
7-17 球面放射露光量放射フルエンス H0,(He,0) 7-17.a ジュール毎平方メートル J・m−2
7-18 放射発散度 M,(Me) 7-18.a ワット毎平方メートル W・m−2
7-19 放射照度 E,(Ee) 7-19.a ワット毎平方メートル W・m−2
7-20 放射露光量 H,(He) 7-20.a ジュール毎平方メートル J・m−2
7-21.1 放射率 ε 7-21.a (数の)1 1
7-21.2 分光放射率,指定波長の放射率 ε(λ)
7-22.1 吸収率 αa 7-22.a (数の)1 1
7-22.2 反射率 ρ
7-22.3 透過率 τT
7-23.1 透過濃度光学濃度吸光度 A10D 7-23.a (数の)1 1 分光学では「吸光度A10」という。
7-23.2 吸光度(自然対数) AeB
7-24.1 放射輝度率 β,(βe) 7-24.a (数の)1 1
7-24.2 反射率係数 R
7-25.1 線形減衰係数 μμl 7-25.a 毎メートル m−1
7-25.2 線形吸収係数 αa
7-26.1 質量減衰係数 μm 7-26.a 平方メートル毎キログラム m2・kg−1
7-26.2 質量吸収係数 am
7-27 モル吸収係数 κ 7-27.a 平方メートル毎モル m2・mol−1
7-28 分光視感効率 V(λ) 7-28.a (数の)1 1
7-29 最大分光視感効果度 Km 7-29.a ルーメン毎ワット lm・W−1
7-30 視感効率 V 7-30.a (数の)1 1
7-31 分光視感効果度 K(λ) 7-31.a ルーメン毎ワット lm・W−1
7-32 光束 Φv,(Φ) 7-32.a ルーメン lm 1 lm = 1cd・sr
7-33.1 放射の視感効果度 K 7-33.a ルーメン毎ワット lm・W−1
7-33.2 光源の視感効果度光源効率 ηv,(η)
7-34 光量 Qv,(Q) 7-34.a ルーメン秒 lm・s
7-34.b ルーメン時 lm・h 1 lm・h = 3600 lm・s
7-35 光度 Iv,(I) 7-35.a カンデラ cd 周波数540×1012 Hzの単色放射を放出し、所定の方向におけるその放射強度が1/683 W/srである光源の、その方向における光度。
7-36 照度 Ev,(E) 7-36.a ルクス lx 1 lx = 1 lm・m−2
7-37 輝度 Lv,(L) 7-37.a カンデラ毎平方メートル cd・m−2
7-38 球面照度発光フルエンス率 Ev,0 7-38.a ルクス lx
7-39 球面露光量発光フルエンス Hv,0 7-39.a ルクス秒 lx・s
7-39.b ルクス時 lx・h 1 lx・h = 3600 lx・s
7-40 光束発散度 Mv,(M) 7-40.a ルーメン毎平方メートル lm・m−2
7-41 露光量 Hv,(H) 7-41.a ルクス秒 lx・s
7-41.b ルクス時 lx・h 1 lx・h = 3600 lx・s
7-42 色刺激関数相対色刺激関数 φλ(λ) 7-42.a (数の)1 1
7-43 三刺激値 XYZ
X10Y10Z10
7-43.a ある三色表色系で、対象の色刺激と等色するように規定された三つの原刺激の量。XYZはCIE1931表色系で、X10Y10Z10はCIE1964表色系で用いる。
7-44 CIE等色関数 X(λ),Y(λ),Z(λ)
X10(λ),Y10(λ),Z10(λ)
7-44.a (数の)1 1 同一の放射パワーによる複数の単色光刺激の三刺激値。
7-45 色度座標 xyz
x10y10z10
7-45.a (数の)1 1 三刺激値の総計に対する三色の各々比率。
7-46 色温度 Tc 7-46.a ケルビン K
7-47.1 視感吸収率 αv 7-47.a (数の)1 1
7-47.2 視感反射率 ρv
7-47.3 視感透過率 τv
7-48 輝度率 β,(βv) 7-48.a (数の)1 1
7-49 光子数 Np,(Qp) 7-49.a (数の)1 1
7-50 光子束 ΦpΦ 7-50.a 毎秒 s−1
7-51 光子強度 IpI 7-51.a 毎秒毎ステラジアン s−1・sr−1
7-52 光子輝度 LpL 7-52.a 毎秒毎ステラジアン毎平方メートル s−1・sr−1・m−2
7-53 光子発散度 MpM 7-53.a 毎秒毎平方メートル s−1・m−2
7-54 光子照度 EpE 7-54.a 毎秒毎平方メートル s−1・m−2
7-55 光子露光量 HpH 7-55.a 毎平方メートル m−2
7-56 ステファン・ボルツマン定数 σ 7-56.a ワット毎平方メートル毎ケルビン4乗 W・m−2・K−4 σ = 5.670 400(40)×10−8 W・m−2・K−4(CODATA 2006年推奨値)
7-57 放射第一定数 c1 7-57.a ワット平方メートル W・m2 c1 = 3.741 771 18(19)×10−16 W・m2(CODATA 2006年推奨値)
7-58 放射第二定数 c2 7-58.a メートルケルビン m・K c2 = 1.468 775 2(25)×10−2 m・K(CODATA 2006年推奨値)
7-59.1 物体距離 p 7-59.a メートル m
7-59.2 像距離 p'
7-59.3 物側焦点距離 f
7-59.4 像側焦点距離 f'
7-60 屈折力 φ 7-60.a 毎メートル m−1 ジオプトリ(D)を用いることもある。1 D = 1 m−1
7-61 直線偏光度 P 7-61.a (数の)1 1

関連項目

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出典・脚注

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外部リンク

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