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ストーリー編集

初恋の人に振られた諏訪蘭丸は、斎京学園高校に入学したのを機に男らしくなるために空手部に入部しようとするが、尋ねたその部室はなぜか女子新体操部のものになっていた。戸惑う蘭丸だが、自分が原因で怪我をした部長の白鳳院涼子の代役として新入生歓迎会に女子として出場することになってしまい、そのままなし崩し的に新体操部に入部する羽目になる。やがて蘭丸は、男子でありながら特別枠で参加できる女子新体操の大会を目指すことになる。

登場人物編集

斎京学園高校新体操部編集

諏訪 蘭丸(すわ らんまる) / 須賀 蘭(すが らん)
本編の主人公。斎京学園高校1年3組。「男の娘」であるがため女性的な自分の容姿にコンプレックスを持っている。中学時代の友人である佳奈に振られたことをきっかけに、高校では男らしくなるため空手部に入部するつもりだった。しかし手違いと事故によって、ほとんど涼子に引きずり込まれるように女子新体操部に入ることになり、涼子の代役の「女子」として新入生歓迎会に出場することになってしまう。当初は歓迎会で代役の責を果たしたらすぐに新体操部を辞め、あらためて空手部に入ろうと考えていたが、歓迎会で自分の演技に感動して入ってきた新入部員たちに引き止められる形でそのまま部に残ることになる。そして、特別枠で参加できる女子の大会への出場を目指すことになる。
男子としては小柄かつ華奢で、涼子や真琴よりも背が低い。顔立ちだけでなく、骨格を含めた体形もナチュラルに女性的であり、ぬこからは「男子の骨盤ではない」とまで言われている。またクラシックバレエ日本舞踊などといった女性的な稽古事を幼いころからやっていた影響で、無意識のうちに女性のような立ち居振る舞いをしてしまうことが多く、自身でも、女性のような振る舞いをするのは楽だと自覚している。幼馴染みの葵からは昔から「私(たち)のお姫様」と呼ばれている。女の子よりも乙女な表情をすることがある、と言われる一方で、ここぞというところでは「直球」「男の子」であるとも評されている。
入部するまで新体操の経験は皆無だったが、クラシックバレエの経験があり、また涼子以外の部員全員を上回る天性の体の柔軟性をも兼ね備えており、手具の扱いはまだ初心者であるものの体の動きは涼子なみにきれいと評されている。涼子曰く「希少」な存在。涼子が蘭丸を女子新体操部に引き入れたのは、事故の際にその非凡な身体能力を見抜いたため。
女子としては「須賀蘭」という偽名を使い、涼子たちと同じ2年生ということになっている。その際はメイクを施し、カラーコンタクトで瞳の色を変え、髪もかつらによりポニーテールとなっている。服装は、部活の時はぬこの実家の子会社で制作された特注のレオタード(胸パッド入りで、股間部分が補正されて男だとはバレないようにされたもの)、部室への行き帰りの際は葵の予備の女子制服(リボンのみ2年生の色に交換)を着用している。合宿では、やはり特注の女子用の水着を着用した。また夏祭りのバイトで巫女衣装を着たこともあり、その際には涼子たちから「かなり危険な域に達している」などと絶賛された。女装時のスリーサイズは82・56・75。
「蘭」の格好をしている時は普通に女の子にしか見えず、他の1年生部員やクラスメートにも男とはまったく気づかれなかった。その正体を知るのは新体操部では涼子、美琴、ぬこの3人、そして幼馴染みである葵と正春のみだったが、5巻にてひょんなことから佳奈に蘭丸であることがバレてしまう。
白鳳院 涼子(はくほういん りょうこ)
斎京学園高校2年生。女子新体操部部長。大人っぽい美貌とすぐれたプロポーションの持ち主で、勉強も運動もトップクラスであり、校内ではファンクラブができるほどの人気を誇る。一方で腹黒い策士的な一面もあり、蘭丸たちもしばしばその罠に陥ってしまう。実家は旧華族の家柄で、ぬことは幼馴染み。部位フェチで、蘭丸の鼻や美琴の胸、ぬこの耳たぶに触れては堪能している。
幼少の頃から新体操をしており、ぬこ及び佳奈いわく「世界レベル」のずば抜けた実力を持ちながらも、試合には一切出場したことがない。その理由には、あかねの存在が関係している模様。また、あかねが存命時はとてもおとなしく引っ込み思案な性格だったらしく、むしろあかねの方が現在の涼子と似ていたらしい。
蘭丸に対しては、女子新体操部に引っ張り込んだことに多少の責任を感じつつも、女装させていろいろ振り回すことを面白がっているところがある。それでも何かと気にかけて意識している様子。
北条寺 美琴(ほうじょうじ みこと)
斎京学園高校2年生。空手部と掛け持ちで新体操部に所属しており、新体操は高校に入ってから始めた模様。一人称は「ボク」。長身かつ巨乳であり、ふわふわ・のんびりとした雰囲気を持っているが、空手は黒帯の有段者である。幼いころに両親を失い、現在は叔母の家で暮らしている。
獅子堂 ぬこ(ししどう ぬこ)
斎京学園高校2年生で、生徒会長も務めている。大きな白いリボンと八重歯がチャームポイントの小柄で可愛らしい容姿だが、古風な爺言葉で話し、またきわめて真面目な性格をしており、怒らせるとかなり怖い。特に「猫」と呼ばれると激怒するが、涼子からは大抵そう呼ばれている。涼子とは幼馴染みであり「生涯の好敵手」としていつも一方的に絡んでいるがことごとくやり返されている。涼子と同様、幼い頃から新体操をしており、部内では涼子に次ぐ実力を誇る。
実家は「獅子堂コンツェルン」で、斎京学園もその傘下のひとつ。一人娘として将来は家を継ぐことになると考えているが、親からあまり期待されていないとも感じており、ひとり悩んでいる。そのためもあってか常に気を張り詰め、無理して頑張っているようなところがある。なお、優輝とは親同士が決めた許嫁であったが、様々な葛藤の末に婚約を解消することを選んだ。
蘭丸に対しては、優輝の一件や運動会などを通じて、異性として明確に意識するようになってきている。しかし照れ屋でツンデレの傾向があり、素直に好意を表すのが苦手な模様。
三枝 佳奈(さえぐさ かな)
斎京学園高校1年3組。蘭丸の初恋相手だったが、同性でありながら葵に恋愛感情を抱いており、中学卒業前に蘭丸の告白を断った。小学生のころに事故に遭って重傷を負い、その後遺症で今も右足を少し引きずっており、あまり激しい運動はできない。高校入学後、マネージャーとして女子新体操部に入部したが、そこでも同性(であるはず)の蘭に対して顔を赤らめるなど、どこかレズ的な傾向が見受けられる。涼子たちの配慮で蘭の正体が蘭丸であることを知らされていなかったが、後にひょんなことから真相に気づいてしまう。おとなしい印象に反して物事をはっきりと言いきってしまうところがあり、葵曰く「天然で毒舌」。
実は小学生の時に新体操をしていた。当時はお稽古事として嫌っていたが、事故で運動ができなくなった後で純粋に新体操に向き合えるようになり、現在は一ファンとして新体操を愛している。
神埼 未亜(かんざき みあ)
1年生。新入生歓迎会で蘭の演技に感動して入部する。髪型は二つに分けた縦ロール。小柄で、誰に対しても物怖じしない元気で明るい女の子。蘭を「お姉様」と呼び、慕っている。実家は喫茶店を運営。
六条 真彩(ろくじょう まあや)
1年生。新入生歓迎会で蘭の演技に感動して入部した、礼儀正しい黒髪の和風少女。実家は大きな寺で、憧れている蘭に対して失礼なことを働いてしまったと思い込むと、何故か持ち歩いている懐刀で自分の髪を剃ろうとするなど突飛な行動を起こし、そのたびに周囲から止められている。

斎京学園高校関係者編集

睦月 葵(むつき あおい)
斎京学園高校1年3組。蘭丸の幼馴染みで、元気で男勝りな性格の女の子。幼いころに蘭丸と一緒にいろいろな稽古ごとをしていたが、ことごとく蘭丸にかなわなかった。新体操部に入部した蘭丸の事情を知っており、涼子の頼みで蘭丸をサポートしている。陸上部所属で長距離専門。中学時代には他校からスカウトを受けたほどの実力を持つ。小さい頃から「蘭のおムコさんになる」というのが口癖。
榊 正春(さかき まさはる)
斎京学園高校1年3組。蘭丸の幼馴染み。一見やや不良っぽい外見で、実際ケンカも強い。新体操部に入部した蘭丸の事情を知っている。ギターを片手に駅前で路上ライブを開いており、絡んでくる不良やチンピラを片っぱしから返り討ちにしてきたため、この界隈ではちょっとした有名人となっている。
藤村 りかこ(ふじむら りかこ)
斎京学園高校の教師で1年3組の担任。担当教科は音楽。あだ名は「リカちゃん」。ハンドベル部と新体操部の顧問を掛け持っている。

白鳳院家関係者編集

白鳳院 あかね(はくほういん あかね)
涼子の双子の姉。かつて新体操のジュニアのホープとして世界的な大会でも活躍したが、3年前に病気のため死去。写真や回想シーンでのみ登場している。

獅子堂家関係者編集

世良 夏梅(せら なつめ)
ぬこの専属のメイド。

その他の人物編集

美作 綺羅(みまさか きら)
聖風館高校の生徒。可憐な容姿や振る舞いは女の子そのものだが、実は蘭丸と同じ「男の娘」で、しかもそのことを隠しておらず、学校にも女子の制服で通っている。新体操歴6年で、インターハイの支部予選を勝ち抜くほどの実力者。涼子とは中学時代の同級生。弟の優輝を少々危険なほどに溺愛する重度のブラコンで、弟とぬことの婚約を認めていない。同じ「男の娘」である蘭の正体を一目で見破る。
美作 優輝(みまさか ゆうき)
綺羅の弟で、現在はまだ小学生。親同士によりぬこの婚約者とされていたが、本人はまだ幼いせいもあってかまったく実感がなかった模様。
日向 夏(ひゅうが なつ)
美琴の小学校からの友人である男子高校生。強面な容貌とマッチョでごつい体つきのため「怖い」という第一印象を持たれがちだが、心は乙女であり、非常に繊細で優しい性格の持ち主。身のこなしも、外見とは裏腹にきわめて女性的である。特別枠で女子新体操の大会を目指しており、綺羅と枠を争うほどの技術を持ちながら、その外見のために大きく損をしている。それでもあくまで「女子」新体操にこだわって努力を続ける真面目な努力家である。斎京学園の体育祭で美琴の応援に来た時に蘭丸と知り合った。

既刊一覧編集

岩佐まもる、角川スニーカー文庫(角川書店)