NGC 3314
うみへび座の同方向にある2つの銀河
NGC 3314は、うみへび座の方角にそれぞれ1億1700万光年と1億4000万光年離れた位置にある重なった2つの渦巻銀河である。正面を向いて暗いものが手前側のNGC 3314aで、斜めに見えるものが後ろ側のNGC 3314bである。この配置を利用して、NGC 3314a内にある宇宙塵の性質を測定することができる。相互作用銀河とは異なり、2つの銀河は物理的には無関係である。
NGC 3314a(上の数値) NGC 3314b(下の数値) | ||
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ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影されたNGC 3314a (手前)とNGC 3314b (後ろ)
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星座 | うみへび座 | |
見かけの等級 (mv) | +14.40[1] 13.80[2] | |
視直径 | 1.5' × 0.7'[1] 3.6' × 3.0'[2] | |
分類 | Sab: sp[1] SA(s)c[2] | |
位置 元期:J2000.0 | ||
赤経 (RA, α) | 10h 37m 13.20s[3] | |
赤緯 (Dec, δ) | −27° 41′ 04.0″[3] | |
赤方偏移 | 0.009510[1] 0.015481[2] | |
視線速度 (Rv) | 2851 ± 8 km/s[1] 4641 ± 6 km/s[2] | |
距離 | 1億1700万光年 1億4000万光年 | |
他のカタログでの名称 | ||
■Template (■ノート ■解説) ■Project |
1999年4月に重なった銀河を探索していたところ、アラバマ大学の2人の天文学者が初めてこの深宇宙天体の撮影に成功し、実は2つの銀河であったことが分かった[4]。2000年3月の観測では、腕の中に明るい緑色の恒星のような天体が観測された。これは超新星であると考えられたが、手前の銀河のフィルター特性により、確定させることは困難であった[5]。
出典
編集- ^ a b c d e f “NASA/IPAC Extragalactic Database”. Results for NGC 3314A. 2019年9月17日閲覧。
- ^ a b c d e f “NASA/IPAC Extragalactic Database”. Results for NGC 3314B. 2019年9月17日閲覧。
- ^ a b “NASA/IPAC Extragalactic Database”. Results for NGC 3314. 2019年9月17日閲覧。
- ^ “Spiral Galaxy Pair NGC 3314”. Hubble Heritage Project. 2012年11月17日閲覧。
- ^ “NGC 3314 Variable Object”. Hubble Heritage Project. 2012年11月17日閲覧。
- ^ Richter, O.-G. (February 1989). “The Hydra I cluster of galaxies. V - A catalogue of galaxies in the cluster area”. Astronomy and Astrophysics Supplement Series 77: 237–256. Bibcode: 1989A&AS...77..237R.