Rリンキング(アールリンキング、英語: r-linking, Linking r)とは、リンキング(リエゾン)の一種である。ここでは「割り込みのR(Intrusive r)」についても解説する。

解説編集

Rリンキング編集

イギリス英語において、-r または -re で終わる単語(つまり、語末の音素が/r/である単語)に母音で始まる単語が続く場合、その語末の/r/が母音の前の位置にあるものとみなして発音される[1]

  • far away /fɑːr əweɪ/→[fɑː rəweɪ](ファー・ラウェイ)
  • War and Peace /wɔːr ənd piːs/→[wɔː rənd piːs](ウォー・ランドゥ・ピース)

Rリンキングは話し言葉でよく見られる。なお、後続が子音で始まる語や、何も続かない場合、語末の/r/は発音されないので、Linking rは起きない。

また、アメリカ英語では語末の r がr音性母音として発音されるため、rリンキングは自然に起こる。

割り込みのR編集

英語の歴史上、語末に/r/の音素を持つことが無かった英単語、つまり語末に -r または -re が綴られていない語であっても、/r/を後から“挿入”して、Linking rのように、後続する母音で始まる語の母音の前に/r/があるものとみなして発音することがある。これを『Intrusive r(割り込みのr)』と呼ぶ。

  • saw it /sɔː ɪt/→[sɔː rɪt](ソーリトゥ)
  • drawing /drɔːɪŋ/→[drɔːrɪŋ](ドゥローリング)

容認発音との関連編集

容認発音(Received Pronunciation)が広く普及していた時代には、Linking rとIntrusive rを区別することが重要視されていた。イギリスにおいて、RPが標準発音であった時代、Linking rを許容するイギリス人RP話者は多くいたが、Intrusive rを許容するイギリス人RP話者は少なかった[2]

それどころか、Intrusive  r は英語への“intrusion(侵略)”であると見做され、Intrusive rを非難するイギリス人RP話者が多くいた。終いには、Intrusive rはRPの特徴ではないとまで言いだす人も続出したが、これについてはLindsey(2019: 87)が否定している[2]

また、RPの話者が少なくなってきた最近では、Intrusive rを非難する人自体が少なくなっている。その例として、BBCですら、Intrusive rを使うアナウンサーが増えてきている[2]

脚注編集

  1. ^ Carley Paul; Inger M. Mees; Beverley Collins (2017). English Phonetics and Pronunciation Practice. Routledge. pp. 301-302 
  2. ^ a b c Lindsey Geoff (2019). English After RP: Standard British Pronunciation Today.. Palgrave Macmillan 

関連項目編集