Slot 1
Slot 1(スロット1) は、いくつかのインテルのマイクロプロセッサで使われたスロットの、物理的・電気的仕様のことである。Slot 1 は SC242とも呼ばれ、Celeron と Pentium II 及びPentium III で使用された。シングルプロセッサ向けと、デュアルプロセッサ向けの設計が、それぞれ実装された。
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ソケット形式 | Slot |
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チップ形状 |
シングル・エッジ・コンタクト・カートリッジ (SECC) - (Pentium II) シングル・エッジ・コンタクト・カートリッジ 2 (SECC2) - (Pentium III) シングル・エッジ・プロセッサ・パッケージ (SEPP) - (Celeron) |
コンタクト数 | 242ピン |
バスプロトコル | GTL+ |
FSB | 66, 100, 133 MHz |
電圧範囲 | 1.65 - 2.80 V |
採用プロセッサ |
インテル Pentium II (SECC & SECC2, 233 - 450 MHz) インテル Pentium III (SECC & SECC2, 450 - 1133 MHz[1]) インテル Celeron (SEPP, 266 - 433 MHz) |
Slot 1 は、Pentium 以前のプロセッサで使われていた、正方形の ZIF PGA/SPGA ソケットを使用しなかった。代わりに、PCI スロットに似た形状の 242 ピンのエッジコネクタを持つ、シングル・エッジ・コンタクト・カートリッジ (SECC) に CPU を搭載した。このような形状になったのは、PentiumIIの設計において、先代のPentium Proのように2次キャッシュメモリをCPUコアと一緒にパッケージの中に組み込む事を諦め、メモリチップをパッケージの外の基板上に出したためである。集積技術の発達で大量の2次キャッシュがコアに組み込めるようになると、このような設計をする必要がなくなり、CPUは再びソケット形状に回帰していくことになった。
CPUが大型化したため、ソケットへの復帰過渡期には、アップグレード用にソケット形状のCPUを、Slot 1に挿すためのアダプタ(ゲタ)も提供された。(中には、VAIO PCV-R50系のように、メーカー発売時点でSocket 370のCPUをアダプタでSlot1に挿して発売している例もある)
Slot 1 の仕様は、Socket 7 よりも高いバスレートを可能としており、Slot 1 のマザーボードは、GTL+ バスプロトコルを使用していた。
一部の 350 MHz 及び 450 MHz の Pentium II と、ほとんどのSlot 1 の Pentium III は、改善された SECC2 で提供された。 CPUを固定するリテンション・クリップは、SECC2 リテンション・クリップは SECC パッケージのCPUを固定することができるが、SECC のクリップは SECC2 パッケージのCPUに対応できないため、注意が必要である。
AMD が使用した Slot A は、形状は同一のものであったが電気的な互換性はなく、誤挿入を避けるために取り付け向きも逆になっていた。Slot A用のCPU(Athlon)も当初はキャッシュメモリがコアと分離されており、Slot Aが採用された経緯はSlot 1のそれと同じである。こちらも後にソケット形状(Socket A)に移行した。
仕様編集
- 対応チップ形状
- シングル・エッジ・コンタクト・カートリッジ (SECC) - (Pentium II)
- シングル・エッジ・コンタクト・カートリッジ 2 (SECC2) - (Pentium III)
- シングル・エッジ・プロセッサ・パッケージ (SEPP) - (Celeron)
- ピン数
- 242ピン
- バスプロトコル
- FSB
- 66, 100, 133 MHz
- 電圧範囲
- 1.65 V から 2.80 V
- 対応プロセッサ
- インテル Pentium II (SECC & SECC2, 233 - 450 MHz)
- インテル Pentium III (SECC2, 450 - 1133 MHz[1])
- インテル Celeron (SEPP, 266 - 433 MHz)