Wikipedia:ウィキペディアは何ではないか/ファンサイト

ファンサイト(ファンサイト的な記述)はWikipediaにおいては少数の熱狂的なファンによって重要なコンテンツとして集められた主題や内容を意味します。

ファンサイトについての説明はこのように簡単で明瞭なものですが、ファン以外にとってはコンテンツが重要なものでなかったり、熱狂的であるがゆえに話題の重要性の判断を曇らせてしまうことがあることも意味します。

関連する方針

編集

ほとんどの問題についてはWikipedia:ウィキペディアは何ではないかにあり、大衆文化に関する主題のあいまいな分野についてもこうした確固たる方針がフォローしています。ファンサイト的な記述・記事はしばしばWikipediaから除去・削除されます。

主な要因としてこれらには貧相な記述、Wikifyされていない、過度な修辞表現言葉を濁した記述百科事典に相応しくない表現出典がない中立的でない独自研究を含んでいるものなどがあります。特に後者の2つは削除の有用な理由となります。

こうした記事の中には、まとめサイトのように、情報を無差別に収集しているものもあります。さらに出典や記述が充実していても、話題が蛇足であったり、無名であったりするために削除されることもありますが、こうした削除は時々議論となります。

一般的にいえば、記事がファンサイト的であるというのは指摘され削除される要因となりえますが、そのことが削除の直接の要因とはなりません。むしろ記事が百科事典的でない記述であるか、検証可能性、中立性、独自研究といった方針にどの程度違反しているかを考察してください。

フィクション作品についての記事

編集

「どのような内容が百科事典にふさわしいか」という問題は今後も激しい論争が続くでしょうが、特にフィクションに関する内容になると、議論はさらに複雑になります。「ファンサイト的」という用語は、主にフィクション作品やポップカルチャーに関連する記事に対して使われます。

もちろん、フィクションについて、事実に基づき、中立的な観点に立ち、独自研究でない形でなら詳細に記述することは可能です。しかし、歴史的には百科事典はこうした記述を、文学批評などのように批評的観点を提示する文脈でのみ行ってきました。

人気

編集

自分が執筆しているトピックは人気がある(だからこそ重要なのだ)と考える編集者と、ウィキペディアはポップカルチャーに偏っており、古典文学のような真面目な主題が軽視されていると考える編集者の間でしばしば議論が起こります。

もちろんウィキペディアはウィキなので、その内容は利用者の関心を反映していると言えます。誰でも自分の興味のあるテーマについて情報を追加し編集者になることができるからです。

とはいえ構造的な偏りの問題は実際に起きていますし、同様に「百科事典的でない」というあいまいな理由で検証可能な情報が削除されるという偏りの問題も存在しています。

トーンと焦点

編集

ファンサイト的な記事の一つの特徴は、主題の現実世界での位置付けではなく、フィクション内での関連性のみに焦点を当てていることです。

テレビシリーズのエピソードや映画の架空のキャラクターに関する記事が、批評や社会的反響ではなく、あらすじ、登場人物の経歴、トリビアの羅列で占められている場合、ファンサイト的とみなされる可能性が高くなります。

実際、記事はあらすじや登場人物の経歴だけで構成されるべきではありません。架空の内容に焦点を当てないようにすることで、ファンサイト的との評価を回避できるでしょう(Wikipedia:スタイルマニュアル (フィクションの記述)もご覧ください)。

肯定的な側面

編集

記事に「雑多な内容」が含まれていると指摘されることで、記事の改善につながることがあります。情報を残したいと思う人は、削除を避けるためにより良い記事を作ったり、小さくて独立が難しい複数の記事を一つの明確な主題に統合したりするでしょう。

例えば、ある作品のマイナーなキャラクターに関する記述も適度な分量に抑えることで完全な削除を避けることができるかもしれません。

アプローチ

編集

あなたがこうしたファンサイト的な記事に遭遇した場合には、記事やトピックが改善されるよう、記述したユーザーに対して親切なアプローチを図るようにしてください。また、話題をカバーする信頼できる情報源が不足している場合には、特筆性を議論の焦点にする必要があります。

話題について、少数の熱狂的なファン以外の読者からも興味を引くような、ひとつあるいはそれ以上の興味深い事実が不足している記事である可能性も高いです。こうした場合は一般的に特筆性(出典があるかどうか)というよりもWikipedia:ウィキペディアは何ではないか(出典によって重要性が担保できているか)という観点から議論が行われるべきです。

Wikipedia:ウィキペディアは何ではないか(WP:NOT)の文脈によれば、議論の特定の焦点は、ファンにとって信頼できる出典以外で興味深く広く公開されている出典がない事実を編纂した記事に当てられるかもしれません。WP:NOTではそれらが利用可能で、興味深い事実が単に欠陥を抱えた状態(例:スタイルマニュアルに反する記述)で記載されているのか、WP:NOTの下で削除されるべき記事なのかの疑問への解答を提示しています。

WP:NOTに抵触する記事をすぐに削除依頼に提出する前に、記事を改善させるために記事への興味を促すとよいかもしれません。多くの記述スタイルのテンプレートが存在しており、状況に一番あったものを適用できるかもしれません。

広告、エッセイ、ファンサイト、ゲームガイド、ハウツー、好きなものの羅列、執筆者の憶測や不必要なトリビア、ニュースリリース、語録といった問題の解消をうながす記述スタイル改善用のテンプレートが存在します。記事のページで適切なテンプレートを添付した後にノートページにて議論を設定します、もし一週間ほど経っても問題が解決しないようなら、削除依頼への提出を検討してください。また、ファンサイト的記事を見掛けた場合には、記事および節の上部に{{ファンサイト的}}のテンプレートを貼ってみてもいいでしょう。

関連項目

編集