コディーズウィッシュ
コディーズウィッシュ(Cody's Wish、2018年5月3日 - )は、アメリカ合衆国の競走馬。
コディーズウィッシュ | ||||||||||||||||||||||||
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欧字表記 | Cody's Wish | |||||||||||||||||||||||
品種 | サラブレッド | |||||||||||||||||||||||
性別 | 牡 | |||||||||||||||||||||||
毛色 | 鹿毛 | |||||||||||||||||||||||
生誕 | 2018年5月3日 | |||||||||||||||||||||||
父 | Curlin | |||||||||||||||||||||||
母 | Dance Card | |||||||||||||||||||||||
母の父 | Tapit | |||||||||||||||||||||||
生国 | アメリカ合衆国 | |||||||||||||||||||||||
生産者 | ゴドルフィン | |||||||||||||||||||||||
馬主 | ゴドルフィン | |||||||||||||||||||||||
調教師 | ウィリアム・モット(米国) | |||||||||||||||||||||||
競走成績 | ||||||||||||||||||||||||
タイトル |
エクリプス賞年度代表馬(2023年) 最優秀古牡馬(2023年) | |||||||||||||||||||||||
生涯成績 | 16戦11勝 | |||||||||||||||||||||||
WBRR | M124 / 2023年[1] | |||||||||||||||||||||||
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主な勝ち鞍は2022年のフォアゴーステークス、2022年・2023年のブリーダーズカップダートマイル連覇、2023年のチャーチルダウンズステークス、メトロポリタンハンデキャップ。
概要
編集デビュー前
編集2018年、ケンタッキーに住むコディー・ドーマンという名の少年がいた。コディーは成人するまで生存することが稀といわれている遺伝性疾患ウォルフ・ヒルシュホーン症候群の患者であった[2]。
コディーは馬が好きであり、地元のキーンランド協会とメイク・ア・ウィッシュ財団による『あなたの夢をかなえましょう企画』により、家族と共にゲインズボロファームを訪れることになった。その際に生後6ヶ月の鹿毛の子馬と出会うこととなった。その子馬は車椅子のコディーの膝に頭を置いて暫くの間コディーのそば傍から離れなかった[2]。
その子馬は後にコディーの願い(Cody’s Wish)と名付けられた[2]。
3歳(2021年)
編集6月4日ベルモントパーク競馬場の未勝利戦でジュニア・アルバラードを背にデビューして3着。ジョエル・ロサリオに乗り替わって7月28日サラトガ競馬場の未勝利戦3着、9月4日サラトガ競馬場の未勝利戦を3着、10月2日チャーチルダウンズ競馬場の未勝利戦で初勝利を挙げた[3]。
その後は11月6日チャーチルダウンズ競馬場の条件戦をマーティン・ガルシアを鞍上に勝利して連勝。ロサリオ騎手に戻して11月28日のチャーチルダウンズ競馬場の条件戦も勝利して3連勝を挙げた[3]。
4歳(2022年)
編集3月22日のチャレンジャーステークス(G3)にルイス・サエスを鞍上に迎えて出走するも2着に敗れた。5月7日のウエストチェスターステークス(G3)にデビュー戦以来のアルバラート騎手と組んで出走して勝利し、グレード競走初制覇を果たした。その後は7月4日の阪神ステークス(L)に出走して勝利を挙げた[3]。
8月27日のフォアゴーステークス(G1)に出走。ジャッキーズウォリアーに次ぐ2番人気に支持された。レースは道中6番手から追い込みゴール前でジャッキーズウォリアーを並ぶ間もなく差し切って1馬身1/4差で優勝。3連勝でG1初制覇を果たした[4]。
11月5日のブリーダーズカップ・ダートマイル(G1)では1番人気で出走。序盤では最後方8・9番手あたりで追走。向正面に入ったあたりでは先頭から10馬身ほど離れた位置にいたが、第3コーナーを迎えてから一気に進出を開始。2番人気馬サイバーナイフを目標として直線を迎えると、残り1ハロンで馬体を並べて捩じ伏せて優勝。2着サイバーナイフに1馬身3/4差を付けて4連勝で2度目のG1制覇を飾った。モット調教師はブリーダーズカップ通算11勝目でダートマイルは初制覇。アルバラード騎手はブリーダーズカップ初勝利となった[5]。
5歳(2023年)
編集5月6日のチャーチルダウンズステークス(G1)に1番人気で出走。最後方9番手から第3コーナーで進出を始め、直線では突き抜けて2着のホイストザゴールドに4馬身3/4差を付ける圧勝で優勝。G1・3連勝を含む5連勝を果たした[6]。
6月10日のメトロポリタンハンデャップ(G1)に出走。トップハンデ57kgを背負いながらも単勝オッズ1.6倍の支持を受けた[7]。発馬で一完歩目が遅かったため序盤に最後方となる。中間点では後ろから2頭目の8番手で通過し、態勢を整えて第3コーナーから捲り気味で進出を開始。馬群の7頭分ほど外を回って直線の入口で先頭を奪うとそのまま差を開いて2着ゼンダンに3馬身1/4差で圧勝。圧巻の勝利でG1・4勝、6連勝とした[8]。
その後は8月5日のホイットニーステークス(G1)に単勝オッズ1.4倍の1番人気で出走[9]。最後方から競馬を進めるもホワイトアバリオから大きく離された3着に敗れた[10]。
10月1日のヴォスバーグステークス(G2)に圧倒的な1番人気で出走。立ち遅れるも次ぐに立て直して2番手に押し上げ最後は流して1馬身半差を付けて勝利を挙げた[11]。
引退レースとなった11月4日のブリーダーズカップ・ダートマイル(G1)では単勝オッズ1.8倍の1番人気の支持を受けて出走[12]。先行集団から離れた後方2番手での追走となり、第3コーナーから内埒沿いを通って一気に進出を開始、第4コーナー地点で2番手まで押し上げて直線を迎える[13]。直線では残り1ハロン地点のところで逃げ粘るナショナルトレジャーとの叩き合いとなり、互いに譲らず馬体をぶつけ合う接戦の末に、最後はこれをハナ差で制して先着[13][14]。審議となるも着順通りまま確定して決着[14]。ダートマイル連覇と5度目のG1制覇を果たした[13]。
ブリーダーズカップの翌日の11月5日、本馬の名前の由来となったコディー・ドーマンが死去(17歳没)。前日のブリーダーズカップ・ダートマイルを現地で観戦しており、ケンタッキー州への帰路で亡くなった[15]。コディーズウィッシュの所有者ゴドルフィンUSAの代表であるブライトは「コディーの死は私たちを深く悲しませましたが、彼がコディーズウィッシュとともに競馬場を旅して過ごした素晴らしい時間があったことに慰めを感じています」と哀悼の意を示した[16]。
種牡馬時代
編集血統表
編集コディーズウィッシュの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ミスタープロスペクター系 |
[§ 2] | ||
父 Curlin 栗毛 2004 |
父の父 Smart Strike鹿毛 1992 |
Mr. Prospector | Raise a Native | |
Gold Digger | ||||
Classy 'n Smart | Smarten | |||
No Class | ||||
父の母 Sherriff's Deputy鹿毛 1994 |
Deputy Minister | Vice Regent | ||
Mint Copy | ||||
Barbarika | Bates Motel | |||
War Exchange | ||||
母 Dance Card 芦毛 2009 |
Tapit 芦毛 2001 |
Pulpit | A.P. Indy | |
Preach | ||||
Tap Your Heels | Unbridled | |||
Ruby Slippers | ||||
母の母 Ruby Slippers鹿毛 2001 |
Editor's Note | *フォーティナイナー | ||
Beware of the Cat | ||||
Tempt | Devil's Bag | |||
Thinghatab | ||||
母系(F-No.) | Web(FN:1-s) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Mr. Prospector:S3×M5×M5 | [§ 4] | ||
出典 |
脚注
編集- ^ “The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2023”. 国際競馬統括機関連盟. 2024年1月24日閲覧。
- ^ a b c 奥野庸介 (2022年11月9日). “【コラム】難病と闘う青年の願いかなえたBCダートマイル優勝馬コディーズウィッシュ|極ウマ・プレミアム”. p.nikkansports.com. 日刊スポーツ. 2023年5月7日閲覧。
- ^ a b c “コディーズウィッシュ(Cody's Wish) | 競馬データベース | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年5月7日閲覧。
- ^ “ジャッキーズウォリアー敗れる、米G1フォアゴーSはコディーズウィッシュが追い込み | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年5月7日閲覧。
- ^ “BCダートマイルはコディーズウィッシュが接戦を制す、アルバラード騎手は初勝利 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年5月7日閲覧。
- ^ “米G1チャーチルダウンズS、コディーズウィッシュが最後方から突き抜けて圧勝 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年5月7日閲覧。
- ^ “メトロポリタンハンデキャップ(G1) 2023/6/10(土) | 日程・結果 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年6月13日閲覧。
- ^ “コディーズウィッシュが捲り一撃、米G1メトロポリタンHで6連勝 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年6月13日閲覧。
- ^ “ホイットニーステークス(G1) 2023/8/5(土) | 日程・結果 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年10月25日閲覧。
- ^ “ホワイトアバリオ、米G1ホイットニーSを圧勝で復活の狼煙 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年10月25日閲覧。
- ^ “連勝ストップのコディーズウィッシュ、米G2ヴォスバーグS制してBCダートマイルへ視界良好 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年10月25日閲覧。
- ^ “ブリーダーズカップダートマイル(G1) 2023/11/4(土) | 日程・結果 | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年11月5日閲覧。
- ^ a b c “【BCダートマイル】コディーズウィッシュが連覇達成、ナショナルトレジャーとの激戦制す | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2023年11月6日閲覧。
- ^ a b “【BCダートマイル】ゴール前で審議もコディーズウィッシュに軍配 | 競馬ニュースなら競馬のおはなし”. 競馬のおはなし (2023年11月4日). 2023年11月7日閲覧。
- ^ 木南友輔 (2023年11月7日). “BCダートマイル連覇コディーズウィッシュ馬名の由来、難病の少年コディーさんが17歳で死去 - 海外競馬”. nikkansports.com. 日刊スポーツ. 2023年11月7日閲覧。
- ^ “【コラム】名付けた馬の有終V見届け天国へ BC連覇コディーズウィッシュと難病の青年の物語|極ウマ・プレミアム”. p.nikkansports.com. 日刊スポーツ. 2023年11月8日閲覧。
- ^ “米年度代表馬はコディーズウィッシュ、オーギュストロダンの受賞ならず | JRA-VAN World - 海外競馬情報サイト”. JRA-VAN Ver.World - 海外競馬. 2024年1月29日閲覧。
- ^ BC Dirt Mile Winner Cody's Wish to Stand for $75,000bloodhorse.com、2023年11月5日配信・閲覧
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|Cody's Wish(USA)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2023年5月8日閲覧。
- ^ “Cody's Wishの血統表 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2023年6月13日閲覧。
外部リンク
編集- 競走馬成績と情報 JBISサーチ、Racing Post