佐々木八郎
佐々木 八郎(ささき はちろう、1898年9月10日 - 1980年9月8日)は、日本の国文学者[1][2]。中世文学、特に『平家物語』の研究によって知られた[2]。
経歴
編集新潟県出身[2]。1919年に、早稲田大学高等師範部(後の教育学部)国語漢文学科を卒業した[1][3]。在学中は、五十嵐力の研究に触れて『平家物語』に関心をもったという[4]。
和歌山県立和歌山中学校(後の和歌山県立桐蔭中学校・高等学校の前身のひとつ)や早稲田中学校(旧制)に教諭として勤めた後[1]、1929年に早稲田大学高等師範部教授となった[3]。この時期には、授業で『平家物語』を取り上げる中で、諸本の比較検討を着想し、松井簡治や高野辰之らが私蔵する諸本を実見して精査をすすめ、1938年に『平家物語講説』を出版して、高い評価を受けた[4]。
佐々木は、自ら謡曲の稽古にも励んでいたとされ、芸道、語り物について、演者としての実践を踏まえた研究成果も残した[5]。
戦後は、1948年に『平家物語の研究(上・中・下)』を刊行し[6]、この業績に対して翌1949年に早稲田大学から文学博士を授与された[7]。
また、早稲田大学においては、私学では最初の事例となった1949年[8]の教育学部創設に関わり、その後、教育学部長、早稲田大学常任理事、図書館長などの要職を務めた[1]。
佐々木は大学外でも、大学設置基準協会副会長、国語審議会委員などを歴任した[1][2]。1969年に早稲田大学を定年退職し、名誉教授となった[1]。
おもな著書
編集脚注
編集参考文献
編集- 加美宏「佐々木八郎 - 実証と文学への熱情と」『国文学研究』第81号、早稲田大学国文学会、1983年、76-83頁。
|
|
|