中枢中核都市(ちゅうすうちゅうかくとし)は、日本地方公共団体のうち、東京圏以外の地域の経済や住民生活を支える拠点となる。日本政府が2018年12月18日に82市を選定、公表した[1]

概要 編集

この指定は、地方に拠点となる都市を指定することで東京都市圏への一極集中を抑制し、地方全体を活性化されることが狙いとされているが、指定された都市への一極集中が生じることも懸念されている。

東京都市圏(東京都埼玉県神奈川県千葉県)および昼夜間人口比率0.9未満の市を除いた政令指定都市中核市施行時特例市などの市から、82市が選定された[2]

中枢中核都市が出来た背景 編集

この中枢中核都市が設定された背景には、内閣府が打ち出し、2018年版が中枢中核都市公表と同日に発表された、「まち・ひと・しごと創生総合戦略改定案」[3][4]が関係してくる。

この「まち・ひと・しごと創生総合戦略改定案」とは、人口減少超高齢化という日本が直面する大きな課題に対し、日本政府が一体となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を創生することを目指すことを目的とし、今回はその中にある「わくわく地方生活実現政策パッケージ」の中にある「地方経済の中枢・中核都市等への投資の喚起」の1つに明記されているものである。

中枢中核都市の一覧 編集

太字は県庁所在地、各自治体名の後に付ける記号は、☆は政令指定都市、〇は中核市、△は施行時特例市(いずれも2018年12月指定時点)[5]

地方 都道府県 自治体名 備考
北海道地方 北海道 札幌市☆、旭川市〇、函館市
東北地方 青森県 青森市〇、八戸市
岩手県 盛岡市
宮城県 仙台市
秋田県 秋田市
山形県 山形市
福島県 福島市〇、郡山市〇、いわき市
関東甲信越地方 茨城県 水戸市〇、つくば市
栃木県 宇都宮市
群馬県 前橋市〇、高崎市〇、伊勢崎市△、太田市
新潟県 新潟市☆、長岡市△、上越市
山梨県 甲府市
長野県 長野市〇、松本市
中部地方 富山県 富山市〇、高岡市射水市 射水市は人口10万人未満の市で唯一指定を受けている。
石川県 金沢市
福井県 福井市
岐阜県 岐阜市
静岡県 静岡市☆、浜松市☆、沼津市△、富士市
愛知県 名古屋市☆、豊田市〇、豊橋市〇、岡崎市〇、春日井市
近畿地方 三重県 津市四日市市
滋賀県 大津市
京都府 京都市
大阪府 大阪市☆、堺市☆、八尾市〇、東大阪市〇、岸和田市△、吹田市△、茨木市 1都道府県あたりの指定都市数が7市と最多である。
兵庫県 神戸市☆、姫路市〇、尼崎市〇、西宮市
奈良県 奈良市
和歌山県 和歌山市
中国地方 鳥取県 鳥取市
島根県 松江市
岡山県 岡山市☆、倉敷市
広島県 広島市☆、呉市〇、福山市
山口県 山口市下関市〇、宇部市
四国地方 徳島県 徳島市
香川県 高松市
愛媛県 松山市
高知県 高知市
九州地方 福岡県 福岡市☆、北九州市☆、久留米市
佐賀県 佐賀市
長崎県 長崎市〇、佐世保市
熊本県 熊本市
大分県 大分市
宮崎県 宮崎市
鹿児島県 鹿児島市
沖縄地方 沖縄県 那覇市
出典→[6]

脚注 編集

  1. ^ 北日本新聞 2018年12月19日付1面『中枢中核市 富山・高岡・射水を選定 全国82市 政府が活性化支援』より。
  2. ^ 中枢中核都市について 内閣府地方創生推進事務局 2018-12-18
  3. ^ 内閣府「地方創生」”. 2018年12月18日閲覧。
  4. ^ 内閣府「まち・ひと・しごと創生基本方針2018」基本情報”. 2018年12月18日閲覧。
  5. ^ (別添)中枢中核都市 内閣府
  6. ^ 北日本新聞 2018年12月19日付7面『中枢中核市選定 地域内であれつきも』より。

関連項目 編集