洋介犬
洋介犬(ようすけん、1977年1月14日[1] - )は、日本の漫画家。兵庫県丹波市出身[1]、京都府在住[2]。男性。
ようすけん 洋介犬 | |
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生誕 |
1977年1月14日(46歳) 日本・兵庫県丹波市 |
ジャンル | ホラー漫画、ツイッター |
公式サイト | 30秒怪奇妙漫画ブログ「イヌギキ」〜犬列異伝〜 |
商業媒体でのペンネームとしてうえやま洋介犬(うえやまようすけ)を用いていたが、2013年4月以降より「洋介犬」に変更している[3]。
来歴・人物 編集
子供のころから漫画家を目指し、4コマギャグ漫画家としてデビューするが、怪談と戦国史が好きで[4]、20代後半ごろに取材やインターネットで募集した実話怪談や創作怪談をショートホラー漫画や幽霊画として発表するブログ『誘怪犯』(現『イヌギキ』)を開設、ホラージャンルに転身したところ、1日3万HITの人気ブログとなり、2007年にはブログ漫画と描きおろし作をまとめた単行本『誘怪犯』が発行された[2]。ブログを継続しながら、ネットでは講談社『MiChao!』にて『ヤミツキ 〜いのりの心霊日記〜』を連載配信[5]、紙媒体でも数々のホラー系の雑誌で活動している[2]。
また、漫画執筆以外でも『怪談社[6]』のライブ・イベントに、2009年から参加している[7]。
ホラー以外では『エッセイコミックWEBマガジン ゆるっとcafe』(竹書房)で、2011年から妻の菜波(BL、TL小説家)が腐女子であることをネタにしたギャグ・エッセイコミック『くさったよめがあらわれた!』を連載し、2012年には単行本化された[5]。
ブログは『30秒怪奇妙漫画ブログ「イヌギキ」〜犬列異伝〜』と名を変え、2012年にはアクセス2000万超えになった[4]。
筆名は「洋介犬」と書いて「ようすけん」と読み、自画像はメガネをかけた犬である[4]。
作風 編集
ブログ名に「30秒」と付いているように、4コマベースのショートショート漫画を得意とし、制作ペースも早い[2]。連載でも一話完結やオムニバス形式が多いが、『LA×LA×LA』といった長期に渡る長編も発表している[5]。
内容はサイコ・ホラー系(サイコ系)、超常現象系、不条理系、実話系(ドキュメンタリーもしくはモキュメンタリー)、時事ネタ(風刺)と多彩で、作風も後味の悪さを狙った不気味なものから、現実社会の不条理を斬る戒めや信賞必罰的な話、ギャグ要素が入ったブラックユーモア物まで幅広く存在する。当人は読者が恐怖を身近に感じるように「日常生活をフックにするネタ」を意識して仕込んでおり、「お持ち帰り系ホラー」と評されたとインタビューで答えた[2]。
作品リスト 編集
- マガサスビヨリ - 『ホラーM』(ぶんか社、2009年12月号 - 2011年8月号)
- ※雑誌休刊により未完結のまま連載終了[8]。
- 軍師×彼女 - 『マガジン・ラボ』(講談社、2013年[9] - 2014年[10])、『新雑誌研究所』(講談社、2014年11月19日[11] - 2015年1月19日[12])、『月刊少年ライバル』(講談社、2014年5月号読み切り[13])
- 歴女るの! - 『GANMA!』(コミックスマート、2014年4月27日 - 2016年3月23日)
- インガ様応報す - 『コミクリ!』(講談社、2017年12月19日 - 2019年8月13日)
- 外れたみんなの頭のネジ - 『GANMA!』(コミックスマート、2015年6月14日 - 連載中)
- ジゴサタ〜地獄の沙汰もお前しだい - 『ゴラクエッグ』(日本文芸社、2019年7月10日 - 2022年)
- 世界が滅んだその後で - 『くらげバンチ』(新潮社、2019年10月18日[16] - 2020年11月20日)
- カミ憑き我慢を決壊す - 『週刊漫画ゴラク』[17](日本文芸社、2020年11月20日 - 2022年1月14日)
- 反逆コメンテーターエンドウさん - 『GANMA!』(コミックスマート、2021年1月22日[18] - 連載中)
- 死神の王とその娘たち - 『comicブースト』(幻冬舎コミックス、2022年1月28日[19] - 2023年10月27日)
- LaLaLa… - 『ヤングチャンピオン烈』(秋田書店、2022年No.7 - 連載中)
- 悪魔の論破〜信じてはいけないあの娘のために〜 - 『やわらかスピリッツ』(小学館、2022年11月10日[20] - 連載中)
- 黒懺悔 - 『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社、2023年9月15日号[21] - 連載中) - ショート連載[21]
書籍 編集
- 誘怪犯 (G.B.、2007年6月) ISBN 978-4-901841-58-0
- 誘怪犯 〜紅〜 (G.B.、2008年7月) ISBN 978-4-901841-68-9
- 妖幽戯画 幽玄漫画怪異譚 (竹書房〈竹書房文庫〉、2009年5月) 共著:西浦和也、ISBN 978-4-8124-3821-3
- くさったよめがあらわれた! 〜腐女子嫁×観察日記〜 (竹書房、2012年7月) ISBN 978-4-8124-9024-2
- イマワノキワ (ほるぷ出版〈Flex Comix〉、2012年8月、『週刊少年チャンピオン』2011年連載作品) ISBN 978-4-593-85702-9
- 軍師×彼女 (講談社〈ライバルKC〉)
- 2014年4月4日発売、ISBN 978-4-06-381312-8
- ※ナンバリングされているが続刊はなく、刊行について洋介犬も諸事情で1巻のみと述べている[22]。
- 洋介犬の恐怖毒本 脳に焼きつく怪異(2014年10月16日) ISBN 978-4-8458-4393-0
- 『誘怪犯』『誘怪犯 〜紅〜』『妖幽戯画 幽玄漫画怪異譚』からの再録・加筆修正。
- 外れたみんなの頭のネジ(泰文堂〈アース・スターコミックス〉→14巻以降はGANMA!)、既刊14巻
- インガサマ応報す(講談社〈KCデラックス〉) 、全2巻
- ジゴサタ〜地獄の沙汰もお前しだい(日本文芸社〈ニチブンコミックス〉、2020年 - 2022年)全4巻
- カブリモンテラー(竹書房〈バンブーコミックス〉、2020年5月) ISBN 978-4-8019-6987-2
- 世界が滅んだその後で(新潮社〈バンチコミックス〉)、全2巻
- カミ憑き我慢を決壊す(日本文芸社〈ニチブンコミックス〉、2022年2月9日発売[23][17])、ISBN 978-4-537-14462-8
- 反逆コメンテーターエンドウさん(KADOKAWA〈MFコミックス〉、2022年[24] - )既刊2巻
- 死神の王とその娘たち(幻冬舎コミックス〈バーズコミックス〉、2022年[25] - )既刊2巻
- JC、殺人鬼やめました(KADOKAWA、2023年[26] - )既刊2巻
- 悪魔の論破〜信じてはいけないあの娘のために〜(小学館〈ビッグコミックス〉、2023年[27] - )既刊1巻
- #新人漫画家と編集者 SNSでバズ連発の漫画家が教えるヒット術(玄光社、2023年6月15日発売[28]) - 漫画ではなく著書[28]
- LaLaLa…〜彼女の好きなカノジョ〜(秋田書店〈ヤングチャンピオン烈コミックス〉、2023年[29] - )既刊1巻
脚注 編集
- ^ a b “洋介犬”. マンガペディア. 2022年7月9日閲覧。
- ^ a b c d e 『月刊ぱふ』2010年9月号。
- ^ “改名決定しました。”. Amebaブログ (2013年3月12日). 2016年3月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月23日閲覧。
- ^ a b c 『くさったよめがあらわれた』カバー折り返し作者紹介。
- ^ a b c 外部リンク参照
- ^ 怪談社
- ^ 怪談社活動履歴
- ^ a b yohsukenのツイート(1251167293557452800)
- ^ 洋介犬 [@yohsuken] (2013年4月15日). "【よければ拡散希望】洋介犬の完全新作・学園三国志演義「軍師×彼女」!講談社「ライ バルWEB」にて一挙第一話+第二話WEB公開中。". X(旧Twitter)より2020年4月25日閲覧。
- ^ 洋介犬 [@yohsuken] (2014年10月8日). "さきほど最新話更新された「軍師×彼女」ですが次回11月分から「新雑誌研究所」WEBへ移籍となります。そちらでもどうかなにとぞよろしくお願いいたします!". X(旧Twitter)より2020年4月25日閲覧。
- ^ “講談社新雑誌研究所|『アポカリプスの砦』最新話ほか全7本! 第7回「新作コミック」更新!!|講談社コミックプラス”. 新雑誌研究所 (2014年11月19日). 2020年4月25日閲覧。
- ^ “講談社新雑誌研究所|兎中信志先生、新連載開始!! 「新作コミック」更新しました!!|講談社コミックプラス”. 新雑誌研究所 (2015年1月19日). 2020年4月25日閲覧。
- ^ shonen_rivalのツイート(452028303738544128)
- ^ 洋介犬 [@yohsuken] (2015年1月20日). "【更新告知】「軍師×彼女」第二十五話更新されました!決着迫る!最後の演説を始める徳武。彼と奉子の天下獲りここより始まる!※第一部最終回です。少しの間休載いただきますが、再来お待ちください!". X(旧Twitter)より2020年6月26日閲覧。
- ^ yohsukenのツイート(1566370717482233856)
- ^ “自分以外の人間が“亡者”に…洋介犬の新連載「世界が滅んだその後で」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年10月18日) 2021年3月9日閲覧。
- ^ a b “虐待、圧迫面接、恋心…憑依霊が“我慢”を解放させるホラー単行本「カミ憑き我慢を決壊す」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年2月9日) 2022年2月9日閲覧。
- ^ “反逆コメンテーターエンドウさん”. GANMA!. コミックスマート. 2022年4月29日閲覧。
- ^ “死神の王とその娘たち”. comicブースト. 幻冬舎コミックス. 2023年9月2日閲覧。
- ^ “悪魔の論破〜信じてはいけないあの娘のために〜”. やわらかスピリッツ. 小学館. 2023年9月2日閲覧。
- ^ a b “人には誰にだって言えない秘密がある…洋介犬が描く秘密告白ホラー新連載がゴラクで”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年9月1日) 2023年9月2日閲覧。
- ^ 洋介犬 [@yohsuken] (2020年6月10日). "まんま「軍師×彼女」というタイトルで講談社より出ています(ただし諸事情で一巻のみ)。". X(旧Twitter)より2020年6月26日閲覧。
- ^ “カミ憑き我慢を決壊す”. 日本文芸社. 2022年2月9日閲覧。
- ^ “「反逆コメンテーターエンドウさん」洋介犬 コミックス”. KADOKAWA. 2022年4月29日閲覧。
- ^ “死神の王とその娘たち(1)”. 幻冬舎コミックス. 2023年9月2日閲覧。
- ^ “洋介犬が贈る「JC、殺人鬼やめました」血痕も真っ赤なフルカラーで単行本化”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年2月22日) 2023年9月2日閲覧。
- ^ “悪魔の論破〜信じてはいけないあの娘のために〜”. 小学館. 2023年9月2日閲覧。
- ^ a b “バズる方法って?洋介犬があらゆるマンガのテクニックを紹介「#新人漫画家と編集者」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年6月15日) 2023年9月2日閲覧。
- ^ “のどに舌を挿れたい、下着を咀嚼したい…超危険人格“LALALA”のJKを洋介犬が描く”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年6月20日) 2023年9月2日閲覧。
参考文献 編集
- 福永理恵「真夏のホラーまつり」『ぱふ』第36巻第9号、雑草社、2010年7月、pp.44-51、ASIN B003XK24HQ。