えんじ色
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えんじ色(えんじいろ、臙脂色)とは濃い紅色のことである。
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16進表記 | #B3424A |
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RGB | (179, 66, 74) |
CMYK | (19, 78, 58, 4) |
HSV | (356°, 63%, 70%) |
マンセル値 | 4.2R 4.3/10.7 |
表示されている色は一例です |
日本工業規格においては、JIS慣用色名の1つに「えんじ」として下のように色が定義されている。
えんじ(JIS慣用色名) | ||
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マンセル値 | 4R 4/11 |
えんじ色の由来編集
名前の由来は中国の紅花の一大産地である「燕支山」にちなみ、本来は紅花染めをこの名で呼んだ。
現在はカメムシ目カイガラムシ上科の一部の昆虫、特にアジア産のラックカイガラムシ、南ヨーロッパのケルメスカイガラムシ、メキシコのコチニールカイガラムシなどの体内色素を浸出させて得るコチニール色素で染めた色をさす。日本には奈良時代に「紫鉱」の名でラックカイガラムシの分泌物が渡来しており正倉院にも薬用として採集された「紫鉱」が保存されている。エンジムシとも呼ばれるこれらのカイガラムシから採集された色素は友禅や紅型の染料として現在も利用される。
色材と特性編集
えんじ色の色料には、かつてはもっぱらコチニール抽出液をレーキにした真正のカーマインが用いられたが、非常に高価で、耐光性が低い[1] ため、21世紀現在では顔料メーカーもほとんど生産しておらず、合成アリザリンによるレーキ顔料やアントラキノン顔料などが用いられている。絵具の色名には、カーマイン、クリムゾンといった名が使用される。
えんじ色に関する事項編集
早稲田大学編集
早稲田大学のスクールカラーは、早稲田大学野球部をコーチしたといわれるメリーフィールド氏の母校、シカゴ大学の校色、マルーンからとったものであったと言われている[2]。
立命館大学編集
立命館大学では臙脂色が象徴的に扱われ、「門旗」を始め様々な広報物やクラブの旗などにスクールカラーとして使われている。この色は公式に定めたものではないが、スクールカラーとしての臙脂色は昭和の初期から愛用されたと考えられている。立命館大学陸上競技部の『創部60周年記念誌』(1987年)によると、1932(昭和7)年の日本学生陸上に出場したのち臙脂色のユニフォームを作ったことが記されている。
学生服編集
青や紺、緑などとともに、幼稚園および小・中・高校の体操服、ジャージの色として多く採用されている。体操服は白を基調とし、首周りや袖口などにスクールカラーや学年色として、または女子用のものにえんじ色を配色したり、同様に袖や胸にえんじ色のラインを入れることが多い。
ジャージの場合は、昭和時代や平成初期にデザインされた、いわゆる「芋ジャージ」で、スクールカラーや学年色として、または女子用のものとして、身ごろにえんじ色が用いられる。
主に昭和後期にデザインされたブレザー型学校制服で、ネクタイの色をえんじ色一色にするケースも多く見られる。
鉄道編集
京王帝都電鉄はかつて5000系を皮切りに、6000系、7000系までアイボリーの地にえんじ色の帯の塗装を採用していた。また、一時期は5000系以前のグリーン車と呼ばれた2700系や2010系などの一部の車両も同様の塗装とされた[3]。
近似色編集
脚注編集
- ^ 油性絵の具に使用した場合はメジウムとの混合により、かなりの耐光性があり、ヴィクトリア (イギリス女王) の馬車をこのコチニールカーマインで塗装した記録もあるが、粉末のレーキ顔料を直射日光にさらせば、完全に脱色して白くなる。)
- ^ 「スクールカラーはなぜエンジ(えび茶色)?」~早稲田のエンジは好きですか?~ 早稲田大学探検隊 2015年8月6日閲覧。
- ^ 戦後復興・発展期 京王電鉄 2021年1月22日閲覧。