ゔぇが』は、1964年に創刊された詩誌。1967年に終刊。

概要 編集

1964年、同人「歴程」に参加していた女性詩人の新藤凉子山本道子吉原幸子を中心に、工藤直子渋沢道子澁澤龍彦の妹)、村松英子山口洋子吉行理恵の8人で立ち上げた同人誌[1]。誌名は琴座主星から。

発足当時24才から32才という若手女性詩人の集まりだったため注目を集め、1965年には「詩学」5月号誌上にて33ページの特集が組まれた。

1966年5月、工藤に代わって柴田恭子が参加。次第に各自が多忙になったことから、1967年6月の第6号を出した後に解散[2]

全号一覧 編集

  • 第1号 '64春 (1964.5.31 発行)
    • 雨・眠くなる蛇/冬の風景*工藤直子
    • 霧/蝋*新藤凉子
    • お墓まいり/鼠*渋沢道子
    • バラード/恥しがりやの巫女*村松英子
    • 短い航海/行方不明*吉原幸子
    • そして とび出ていったから*吉行理恵
    • 出航/日曜日の傘をさそう*山本道子
    • 埋めておくれ*山口洋子


  • 第2号 '64秋 (1964.11.30発行)
    • 詩よりましなもの*渋沢道子
    • シャンソン*村松英子
    • 追跡/いとなみのうた*新藤凉子
    • 眼の中のかたち*山本道子
    • 七月十七日の幽霊たち*山口洋子
    • もう だれもいないのに*吉行理恵
    • 車窓/鬼に*吉原幸子
    • 急ぎ足の風景ら*工藤直子


  • 第3号 '65春 (1965.3.1発行)
    • 明け方*吉行理恵
    • 猫 /こうゑん*吉原幸子
    • わたしはとりこ*渋沢道子
    • リチャード!*山口洋子
    • 見た*山本道子
    • おだやかなブルース*工藤直子
    • 午後/水たまり/無花果*新藤凉子
    • きまじめなお化け*村松英子


  • '65 初夏特別号 (1965.5.30発行)
    • 八本の弦*同人紹介
    • 何に見えますか?*心理テスト
    • 言葉/花*新藤凉子
    • 小鳥の顔*山本道子
    • 子守唄*吉原幸子
    • 幕間に*村松英子
    • 猫が海へ*工藤直子
    • 髪をひつぱられて*吉行理恵
    • わるい歌*渋沢道子
    • 戯歌*山口洋子
    • 「女について 付・女性詩人について」*大岡信
    • 「雪見にころぶところまで ― “ヴぇが”(原文ママ)への手紙」*堀川正美
    • 「新聞とストッキング」*座談会 /渋沢・新藤・山口・山本・吉原

「詩学」昭和40年5月号内に別ノンブルで掲載。


  • 第4号 '65 (1965.11.30発行)
    • 柩の上*吉行理恵
    • 女装した愛の精霊*山本道子
    • 北欧のうた*村松英子
    • ばらの歌なら/小さな石の下の子に*渋沢道子
    • かたつむりとロバ(童話)*工藤直子
    • なまけもののうた*新藤凉子
    • 樹にとまるものたち*山口洋子
    • 追放*吉原幸子


  • 第5号 '66 (1966.8.1発行)
    • さようなら*山口洋子
    • 薔薇/ひかりの薔薇/薔薇窓*新藤凉子
    • シャンソン(1.みえるでしょう/2.あたし)*渋沢道子
    • 旅の幻影・山羊*山本道子
    • 風/鎖*吉原幸子
    • 怖れ*吉行理恵
    • シュノンソオ*村松英子
    • たにんとあたしについて*柴田恭子

「5月、工藤直子さんはブラジル居住(原文ママ)のため、出発しました。新しく柴田恭子さんが同人に加わりました」


  • 第6号 '67 (1967.6.5発行)
    • バラード=初恋*渋沢道子
    • うた*村松英子
    • 空/おそい朝*山口洋子
    • 春の前日*新藤凉子
    • 風のような*山本道子
    • 秘密/こいびとしらべ*柴田恭子
    • 沈黙*吉原幸子
    • 真紅な襟巻/休止符*吉行理恵

参考文献 編集

  • 『ゔぇが』ぐるーぷ・ゔぇが 1964-1967
  • 『詩人 吉原幸子 愛について』平凡社コロナ・ブックス 2023

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ 「ゔぇが同人構成」(『詩学』昭和40年5月号所収 詩学社、1965年)1-33頁
  2. ^ 「吉原幸子年譜」(『現代詩手帖特集版 吉原幸子』所収 思潮社、2003年)195頁

外部リンク 編集