ILLUSION (ゲームブランド)

かつて存在した日本のアダルトゲームブランド
アイワンから転送)

ILLUSION(イリュージョン)は、株式会社アイワンのアダルトゲームブランドの1つ。略して「イリュ」と呼ばれることもある。

ILLUSION
ジャンル ゲーム
企業名 株式会社アイワンプラス
審査 ソフ倫
デビュー作 エンジェルアーミー
1993年4月1日
最終作 2023年4月28日
ROOMガール PARADISE
公式サイト イリュージョン
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1992年にハート電子産業の新ブランドとして発足後、1996年に株式会社アイワンが設立された[注釈 1]。ハート電子産業から独立したメーカーとして株式会社インターハートがある。“視覚的エンターテイメント”としての意味合いがブランド名の由来にある[1]

設立当初は、一般的なアダルトゲームを作成していたが、1995年5月18日に初の3DCGアダルトゲーム『監禁』を発売[注釈 2]、1997年2月14日に発売された『魔界』より、キャラクターや背景などに3DCGを多用するようになり、2001年8月24日発売の『INTERACT PLAY VR』以降の作品から、ユーザーのPC上でのリアルタイム描画の3DCGを主に扱うようになっている。これらのことより3DCGブランドとして知られるようになった。

主人公になりきって直接操作、体感するタイプのゲームジャンルの製作も多く、2017年2月に発売された仮想現実ゲーム『VRカノジョ』のヒットでも知られる。同年7月には『VRカノジョ』に関連したハッカソンが開かれたほか、VRコンテンツを中心に扱うブランド「ILLUSION VR」(のちのIVR)の設立が発表された[2]

イリュージョンコアやイリュージョンプロ、Vision、MOTION、Dreams、mixwill soft、TEATIME、FULLTIMEといった多くの姉妹ブランドが存在していたが、最後まで活動していたのはILLUSIONとIVRのみである。なお、TEATIMEとFULLTIMEについては、公式ホームページのトップページに姉妹ブランドとしてリンクされている。

2023年8月18日をもって、一切の作品の開発・販売を終了[3]。また、同年8月4日にはILLUSION開発チームのTwitterアカウントが新規メーカー「ILLGAMES」名義に更新され、ILLUSIONと同様の3D美少女ゲームメーカーとして活動を開始することが発表された[4]。ただし、ILLUSION側は「後継会社は存在しない」と発表しており[5]、作品に関する権利は引き継がれず、これまでの作品は全て予定通り終売となる。

作品一覧

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姉妹ブランドのVision、MOTION、Dreams、mixwill softも説明する。TEATIMEとFULLTIMEはTEATIMEを参照。☆は3DCG作品。

ILLUSION

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イリュージョンコア、イリュージョンプロを含む。

  • 1993年4月1日 - エンジェルアーミー
  • 1993年8月27日 - 性戦士もっこりまん
  • 1993年11月20日 - 牌牌遊戯
  • 1994年3月25日 - 闇の稜線
  • 1994年6月24日 - もっこりまんRPG
  • 1994年11月2日 - 鬼頭島女子刑務所
  • 1995年3月1日 - 柔肌美少女
  • 1995年3月10日 - レッドコブラ
  • 1995年5月18日 - 監禁
  • 1995年8月11日 - 乱交女体釣り 〜もっこりまんのナニでヌシ釣り〜
  • 1995年12月15日 - エーゲ海の雫 (一般向け作品[6]
  • 1996年5月24日 - 裏マンション発禁
  • 1996年6月28日 - まんぐり
  • 1996年9月13日 - 漂流
  • 1996年10月25日 - 生本
  • 1997年2月14日 - 魔界
  • 1997年12月26日 - DES BLOOD
  • 1998年8月28日 - 過激ゲーム(1)【(1)は正式には➀である。】
  • 1998年11月6日 - DES BLOOD2
  • 1999年5月14日 - 尾行 〜夜の帰り道〜
  • 2000年3月10日 - DES BLOOD3
  • 2000年9月14日 - BRUTISH MINE
  • 2001年1月12日 - 〜リバーシブルフェイス〜 尾行2
  • 2001年3月9日 - ですぶら運動会 〜イシスの逆襲〜
  • 2001年6月29日 - レクイエムハーツ 〜監禁〜
  • 2002年4月19日 - Battle Raper
  • 2002年9月13日 - DES BLOOD4 〜LOST ALONE〜
  • 2003年3月28日 - DBVR
  • 2004年1月30日 - 尾行3
  • 2004年6月25日 - A-GA 〜激動の惑星〜
  • 2004年11月26日 - 人工少女2
  • 2005年4月22日 - Battle RaperII 〜THE GAME〜
  • 2005年11月25日 - おっぱいスライダー2
  • 2006年4月21日 - レイプレイ
  • 2006年9月29日 - Sexyビーチ3
  • 2007年5月25日 - すくぅ~るメイト
  • 2007年11月30日 - 人工少女3
  • 2008年10月10日 - 箱 -はこ-
  • 2009年2月27日 - すくぅ~るメイト Sweets!
  • 2009年5月29日 - @ふぉーむメイト
  • 2009年10月2日 - 勇者からは逃げられない!
  • 2010年2月19日[7] - リアル彼女
  • 2010年6月25日 - すくぅ~るメイト2
    • 2010年8月20日 - でじたるメイト【DL専売】
  • 2010年10月29日 - SexyビーチZERO
  • 2011年2月18日 - ベストコレクション 艶 〜ツヤ〜
  • 2011年2月18日 - ベストコレクション 淫 〜ミダラ〜
  • 2011年6月10日 - ジンコウガクエン
  • 2011年11月11日 - ワケあり!
  • 2012年2月24日 - ラブガール 〜魅惑の個人レッスン〜
  • 2012年3月9日 - ベストコレクション悶 〜もだえ〜
  • 2012年5月25日 - 俺が主人公
  • 2012年10月12日 - ハッピーエンドトリガー
  • 2013年1月25日 - プレミアムプレイ 〜ダークネス〜
    • 2013年4月19日 - プレミアムスタジオPro
  • 2013年7月26日 - むすメイク
  • 2013年11月1日 - インモラル病棟
  • 2014年3月7日 - リアルプレイ
  • 2014年6月13日 - ジンコウガクエン2
  • 2014年12月26日 - ハーレムめいと
    • 2015年1月26日 - ハーレムめいと 追加衣装 スクールセット【DL専売】
  • 2015年4月24日 - プレイクラブ
    • 2015年7月10日 - プレイクラブ追加データ+スタジオ
  • 2015年9月11日 - Sexyビーチ プレミアムリゾート

(※ここまでの製品はWindows 10に正式対応しておらず、サポートも行われていない。)

番外

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フォーゲストから販売された、様々な美少女ゲームメーカーとのコラボデジタルフィギュア・ジオラマツール・デスクトップマスコットシリーズ『きゃらコレ!』の企画制作も行っていた。

キャラクターの題材はほぼ成人向け作品ながら、『きゃらコレ!』自体はすべて一般向けとなる。

  • 2010年10月29日 - きゃらコレ!ITちゃん(ニュースサイト「ねとらぼ」とのコラボ。同サイトの当時のマスコット「ITちゃん」を収録した、体験版としての色の強い無料配信版)
  • 2010年12月3日 - きゃらコレ!-ALICESOFT-(『超昂閃忍ハルカ』から、鷹守ハルカと四方道ナリカが収録)
  • 2010年12月17日 - きゃらコレ!-BaseSon-(『真・恋姫†夢想』から、劉備と関羽が収録)
  • 2011年3月4日 - きゃらコレ!-Key-(『リトルバスターズ!』から、棗鈴、能美クドリャフカが収録)
  • 2011年6月14日 - きゃらコレ!でんわのクロちゃん ミュージックプレイヤー(田中久仁彦の漫画『でんわのクロちゃん』から、クロちゃんを収録した、体験版としての色の強い無料配信版)
  • 2011年7月1日 - きゃらコレ!-Lump of Sugar-(『タユタマ -Kiss on my Deity-』から、泉戸ましろと河合アメリが収録)
  • 2011年9月30日 - きゃらコレ!-Whirlpool-(『涼風のメルト』から、椿捺菜と涼が収録)
  • 2018年8月1日[12] - VカツVirtual CastバーチャルYouTuber支援ソフト、コイカツと非互換性・一般向け作品・基本プレイ無料)
  • 2018年8月1日[13] - つんつんVR(一般向け作品・基本プレイ無料)
  • 発売中止 - VRカノジョSUMMER VACATION(その後IVRの元スタッフで構成された「ALPHA-NEXT」から、キャラクターデザインなどが一部変更された一般向け作品『SUMMER VACATION』として2022年3月24日よりSteamにて配信された)
  • 2021年6月24日[14] - VRカレシ(一般向け作品・基本プレイ無料)

Vision

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  • 1997年4月18日 - 学園性白書
  • 1997年6月12日 - 発情生
  • 1997年11月7日 - 禁じられた遊び
  • 1998年5月22日 - 犬どもの地獄
  • 1998年9月18日 - 学園性白書2
  • 1999年3月5日 - 天使に恥辱の洗礼を…
  • 1999年7月23日 - 偽タクシー
  • 1999年11月5日 - 罠 〜TRAP〜
  • 2000年4月14日 - 偽スカウト 〜偶像夢悲伝〜

MOTION

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  • 1997年5月16日 - 淫欲の迷宮
  • 1997年8月8日 - 唯香ちゃんとのべつまくなし
  • 1998年4月10日 - 三夜物語 〜それぞれの思い出〜
  • 1998年12月4日 - 淫獣のいけにえ
  • 1999年4月9日 - Surface Zone

Dreams

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3DCG作品専門のブランド。

mixwill soft

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  • 2004年1月23日 - もけもけ大正電動娘ARISA
  • 2004年9月3日 - おねパパ 〜Onegai PaPa!〜
  • 2005年2月25日 - 乳房病棟

PG Production

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  • 2014年11月14日 - PLAYGIRLS ~紗倉まな~
  • 2014年11月14日 - PLAYGIRLS ~波多野結衣~

主なスタッフ

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  • 平井雄一 - キャラクターモデラーで、後にIVR設立に参加。『俺が主人公』にてディレクターデビューし、『VRカノジョ』リードキャラクターアーティストを務めた[15]
  • 大鶴尚之 - 『VRカノジョ』プロデューサー[16]

問題

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2006年に発売された『レイプレイ』に対し、2009年2月にAmazon.comでディーラーズ販売(Amazon.co.jpにおけるマーケットプレイス)されていた本作を、イギリス議会議員のキース・ヴァズが取り上げ[17][18]、Amazon.comでの販売が中止となった[19]。同年5月にはアメリカのフェミニズム団体「イクオリティ・ナウ」が日本での販売中止を求める抗議活動を起こし、日本国内でも報道された。同団体は日本政府の要人らに向けた「性暴力ゲーム」規制要求の抗議文を出すよう呼びかけている[19]

脚注

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注釈

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  1. ^ 株式会社アイワンは、ハート電子産業のJANコードを継承している。
  2. ^ 電撃姫 VOL.2(1997/8)において「業界初のポリゴン美少女ゲーム」として紹介されている。

出典

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  1. ^ 3D美少女最前線、ILLUSION編”. galge.com. 2003年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月22日閲覧。
  2. ^ みたらし (2017年7月14日). “アダルトVRゲーム『VRカノジョ』のイリュージョン、新ブランド設立”. Mogura VR. 2018年7月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月22日閲覧。
  3. ^ 【 ILLUSION 活動終了のお知らせ 】”. Twitter. 2023年7月14日閲覧。
  4. ^ 「ILLUSION(イリュージョン)」転生、新3D美少女ゲームメーカー「ILLGAMES」設立―デビュー作『ハニカム』明らかに”. Game*Spark. 2023年8月5日閲覧。
  5. ^ 【お知らせ】”. Twitter. 2023年8月18日閲覧。
  6. ^ 鏡裕之. “エーゲ海の雫”. 鏡裕之公式サイト. 2021年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月6日閲覧。
  7. ^ 「リアル彼女」、『超エロゲー ハードコア』,p.120.
  8. ^ 【発売直前!】イリュージョンの『コイカツ!』にアペンドディスクが登場!”. TGSmart. KADOKAWA (2018年8月29日). 2019年11月19日閲覧。
  9. ^ 【メーカーコメント付き!】イリュージョンから3Dライフシミュレーション系の集大成作品『AI*少女』が登場!”. TGSmart. KADOKAWA (2019年10月24日). 2019年11月19日閲覧。
  10. ^ ハニーセレクト2 リビドー DX”. ILLUSION. 2020年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月28日閲覧。
  11. ^ ROOMガール”. ILLUSION. 2022年7月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月1日閲覧。
  12. ^ VTuberを作れる無料サービス「Vカツ」配信 個人での商用利用も可能に”. MoguraVR. もぐらゲームス (2018年8月1日). 2018年8月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月19日閲覧。
  13. ^ 美少女につつかれる感触まで再現する「つんつんVR」リリース”. 2018年8月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月1日閲覧。
  14. ^ 亀井ライダー (2019年11月18日). “『VRカレシ』企画当初は男だらけだった!? プロデューサーに開発の経緯や制作するうえでのこだわりを訊いた”. ファミ通.com. 2019年11月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月19日閲覧。
  15. ^ 『VRカノジョ』を丸裸! 「すぐそばにいる女の子」を極めたILLUSION流セミリアル”. 2018年12月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月28日閲覧。
  16. ^ 『VRカノジョ』はプレイヤーが“ただのVRエロゲー”から“面白いことができるVRゲーム”にシフトさせていた――開発者×プレイヤーが示した新たな可能性とは”. 電ファミニコゲーマー (2018年3月30日). 2021年7月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月23日閲覧。
  17. ^ Exclusive: Amazon selling rape simulation game - Local & National, News - Belfasttelegraph.co.uk”. 2019年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月28日閲覧。
  18. ^ コンテンツ文化研究会 / Institute of Contents Culture: イギリスにおけるレイプレイ事件とその社会的背景について”. 2013年11月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年8月31日閲覧。
  19. ^ a b “日本製「性暴力ゲーム」欧米で販売中止、人権団体が抗議活動”. 読売新聞. (2009年5月8日). オリジナルの2009年5月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090510230918/http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090507-OYT1T01111.htm 2021年7月23日閲覧。 

参考文献

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  • Bi_List - 美少女ゲームの20世紀(2008年1月5日時点のアーカイブ
  • 多根清史、箭本進一、阿部広樹「リアル彼女」『超エロゲー ハードコア』太田出版、2012年10月、120-124頁。 

関連項目

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外部リンク

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