ファイナルファンタジーのアビリティシステム

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ファイナルファンタジーのアビリティシステム(ability system)とは、日本産RPGであるファイナルファンタジーシリーズ(FFシリーズ)に登場する、「コマンド」や「特性」をカスタマイズできる戦闘育成システムである。

アビリティシステム

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アビリティの成り立ち

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アビリティ(ability)という語が「能力」「才能」と和訳されるように、元々はコンピュータRPGに登場するジョブ(職業)毎の固有の能力および戦闘コマンドから発展した名称である。ファイナルファンタジーシリーズ以前のものとしては、『ウィザードリィ』の僧侶(priest)・ビショップ(bishop)・ロード(lord)が使用可能なディスペル(ターンアンデッド)、ビショップ(bishop)によるアイテムの鑑定、盗賊(thief)の罠解除などがアビリティの一例として挙げられる。ただし、『ウィザードリィ』の作品中においてこれらを「アビリティ」と総称していたわけではない。

ファイナルファンタジーシリーズにおいて、『ファイナルファンタジーII』までの戦闘コマンドは「戦う」「魔法」「逃げる」「アイテム」など、プレイヤーキャラクター共通のもののみであった。だが、『ファイナルファンタジーIII』の各ジョブの使用可能な戦闘コマンドには竜騎士の「ジャンプ」、空手家の「ためる」など、それぞれ個性的なものが多く含まれていた。また、戦闘コマンドではないものの、ナイトが瀕死の味方を自動的に「かばう」など特有の能力も『ファイナルファンタジーIII』において導入された。

次作の『ファイナルファンタジーIV』ではジョブこそ固定ではあったが、さらにバリエーションに富んだ新しい「アビリティ」を持つキャラクターが多く登場している。ただし、『ファイナルファンタジーIV』の時点ではこれらのコマンドおよび特性はまだ「アビリティ」とは呼ばれておらず、「ちから」や「すばやさ」などの各パラメーターを指すものとして「アビリティー」という言葉が使われていた。

アビリティシステムの誕生

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アビリティシステムという言葉は『ファイナルファンタジーV』において初めて登場した。これは『ファイナルファンタジーIV』まではジョブ毎に固定であったアビリティを他のジョブへ自由に付け替えができるというものである。このシステムは後のシリーズのシステムのベースとなるものである。このシステムを考案した伊藤裕之は、アクティブタイムバトルの生みの親でもあり、以降のFFシリーズのシステムを多く担当している。

『FFV』の時点ではまだ「コマンドアビリティ」と「ジョブ特性」という2つの概念しかなかった。セットできる数もほとんどのジョブにおいては1つだけであり、一部の条件を満たさないと特性の重ねセットもできなかった。それらを改善し、「コマンドアビリティ」「サポートアビリティ」「リアクションアビリティ」「ムーブアビリティ」に整理した作品が『ファイナルファンタジータクティクス』である。

姿を変えるアビリティシステム

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「作品の世界によって、戦い方やシナリオに合わせて作り直す」という方針により、アビリティシステムは作品毎に姿を変えて登場している。『ファイナルファンタジーVII』ではマテリアから引き出すという形式になっており、また『ファイナルファンタジーXI』ではジョブ固定の能力になるなど、多様である。

参考文献

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  • 『ファイナルファンタジータクティクス公式攻略本』集英社。ISBN 4081080534 

関連項目

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