アルピナ・B5(ビーファイブ)は、ドイツの自動車メーカーアルピナが製造するセダンまたはステーションワゴンタイプの高級車である。

2007年式アルピナB5(E60)
2013年式アルピナB5ツーリング(F10LCI後)
2013年式アルピナB5ツーリングリア(F10LCI後)
2013年式アルピナB5ツーリング内装(F10LCI後)

概要 編集

B5はBMW・5シリーズをベースとしたチューニングカーであり、B10の後継車種である。サイズではB3B7の中間に位置している。ボディそのものは5シリーズと共通であり、BMWのエンブレムも付くが、パワートレインはチューニングされ、大きく「ALPINA」の文字が書かれたエアロパーツやボディ側面のデコラインが5シリーズとは別物であることを示している。

歴代モデル 編集

初代 B5 Supercharge(2005年-2010年) 編集

BMW・5シリーズ(E60/E61)をベースとする初代B5は2005年のジュネーブショーで発表、同年から日本でも発売された。スーパーチャージャー付きのエンジンを搭載するため、モデル名の後ろに「Supercharge」が付く。当初はセダンの「B5 Supercharge」のみ導入された。

2006年1月、ステーションワゴンの「B5 Touring Supercharge」を追加。

特徴・機構 編集

  • 日本での価格は1,598万円(B5 Supercharge)、1,677万円(B5 Touring Supercharge)。基本的には左ハンドル仕様のみで右ハンドルはメーカーオプション扱いとなる(+48万円)。
  • トランスミッションはアルピナ独自のマニュアルモード(スイッチトロニック)付きのZF製6速ATであり、パドルシフトを装備する。
  • ボディーカラーは、BMW純正色以外にもオプションでアルピナ独自のメタリックカラーが用意されている。
  • 「B5 Touring Supercharge」はメルセデス・ベンツ・Eクラスの「E63 AMG ステーションワゴン」と並ぶ、世界最速のステーションワゴンである。

第2世代 B5 Biturbo (2010年-) 編集

ベースモデルがF10/F11に移行したのに伴いフルモデルチェンジ。2010年にリムジン(セダン)が、2011年にツーリング(ワゴン)が発売された。 2012年2月にエンジンのリファインが行われ、最高出力が382kw(520馬力)から405kw(550馬力)に、最大トルクが715Nm(72.9kgm)から730Nm(74.4kgm)に向上した。 2015年2月にアルピナ50周年を記念した特別モデルEDITION50としてスペシャルモデルとなった。世界限定50台生産され、最高出力が441Kw(600馬力)、最大トルク800Nm(81.6kgm)に向上。専用装備として、アクラポビッチ製チタンマフラー&カーボンテールフィニッシュ、ドレクスラー製LSD、専用鍛造20インチアルミ、専用メタルエンブレム(シート&キーホルダー),専用ボーフェンジーペンサイン入りピアノブラックトリム、メリノレザー&レザーフィニッシュダッシュボード等が標準装備となり、オプションでブレンボ製ブレーキシステム(ディスク径395mm)ALPINAネーム入りブルー塗装やヘリテイジシートなどの専用オプションも用意される。

特徴・機構 編集

  • 価格は1495万円(B5 Bitrubo Limousine)。先代同様左ハンドルが標準装備で、右ハンドルは39万7000円のオプション。
  • ベースのV8エンジンが4.4L・V8ツインターボになったため、B5のエンジンもこれがベースになる。排気量はそのままで、圧縮比をオリジナルの10.0:1から9.2:1に下げる。最大出力とトルクはベースモデルと比較し、113馬力/115Nm(11.7kgm)向上した。
  • トランスミッションはスイッチトロニック付のZF製8段オートマチック。ギア比は1.000/6速を除き、最終減速比も含めてやや高速よりの設定に変更。
  • 公表されている速度性能は、0-100km/h加速4.6秒、最高巡航速度307km/h。
  • 都市郊外混合燃費は10.8L/100km(約9.2km/L)、CO2排出量は252g/km(イギリス仕様)。
  • アルピナ伝統のアルピナブルー、アルピナグリーンの特注色を各55万円で用意。
  • 2012年のリファインにより、0-100km/h加速は4.3秒、0-200km/hは12.9秒、最高巡航速度は323km/hに向上した。
  • 2014年4月消費税8%の導入に伴い価格改定が行われた。車両本体価格1598万円消費税8%込(B5 Biturbo Limousine)
  • エディション50は0-100km/h 4.2秒、0-200km/h 12.7秒、最高巡航速度は328km/hとなり、セダンとしては現時点で、世界最速である。車両本体価格1828万円消費税8%込(B5 BITURBO LIOUSINE EDITION50)

D5 編集

D5は直列6気筒の3Lターボディーゼルエンジン(アルピナ・N57エンジン)を搭載したもの。欧州ではD5 BITURBOとして売られており、車体はセダンとステーションワゴンの二種類。

イギリス仕様車[1]
エンジン 直列6気筒ターボディーゼル(N57
排気量 2,993cc
最大出力 257kw(350仏馬力)/4,000rpm
最大トルク 700Nm/1,500-3,000rpm
変速機 ZF 8HP70 8速スイッチトロニック
0-100m 5.1秒
CO2排出量 155g/km

日本には2012年7月に右ハンドルを標準仕様としてセダンが導入された。[2]。モデル名はD5 Turbo Limousineである。

日本仕様車[3]
エンジン 直列6気筒ターボディーゼル(N57
排気量 2,979cc
最大出力 206kw(280馬力)
最大トルク 600Nm(61.2kgm)
変速機 ZF 8HP70 8速スィッチトロニック
その他 右ハンドル標準装備
価格 1099万円(消費税8%込み2014年4月1日現在)

脚注 編集

  1. ^ TECHNICAL DATA D5 BITURBO Saloon SWITCH-TRONIC
  2. ^ ニューモデル BMW ALPINA D5 Turbo発表
  3. ^ New D5 Turbo Limousine

関連項目 編集

外部リンク 編集