BMW・5シリーズ
BMW・5シリーズ(BMW 5 Series)は、ドイツの自動車メーカー・BMWが製造・販売しているEセグメントの高級乗用車である。
BMW・5シリーズ | |
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![]() 5シリーズ(G30) | |
概要 | |
販売期間 | 1972年 - |
ボディ | |
ボディタイプ |
4ドア セダン 5ドア ワゴン 5ドア ハッチバック(F07) |
駆動方式 | FR/4WD |
サスペンション |
2008年1月には累計生産台数が500万台に達した[1]。
初代(1972年 - 1981年)E12 編集
BMW・5シリーズ E12 | |
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525(前期型)フロント | |
525(前期型)リア | |
インテリア | |
サスペンション |
ノイエクラッセ(1800/2000系)の後継として1972年に登場。1977年にマイナーチェンジを行い、グリル、ボンネット、リアコンビネーションランプなどが新しくなり、同時に給油口がリアナンバープレート横から右リアフェンダーへ移動している。欧州では末期に3.5リッターの535iと、エアロパーツを纏ったM535iが発売された。
日本での販売 編集
日本へはバルコム・オート・トレイディングが輸入していた。正規輸入車の最初期導入モデルは日本の法規に合わせてフェンダーミラーを装備していたが、途中からドアミラーに変更された。
日本での正規輸入モデル | |||||
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グレード | 販売期間 | エンジン | 排気量 | 最高出力 | 備考 |
520 | 1973年 - 1974年 | 直列4気筒SOHC | 1,990cc | 115馬力 | 2002と同じツインキャブ仕様ではあるが、若干パワーアップされていた。 MTが選べた。オイルショックによる排ガス規制と前後して触媒付の520iと入れ替わる。 |
520i | 1975年 - 1979年 | 105馬力 | 320iと共通のインジェクション仕様となったが、触媒が付いた関係で520よりも出力は低下した。 | ||
530i | 直列6気筒SOHC | 2,986cc | 175馬力 | 上級セダン3.0iと同じ6気筒エンジンを搭載する5シリーズのフラッグシップモデル。 アメリカ仕様をベースとしている。こちらも年々厳しくなる排ガス規制ゆえに短期間で導入が中止された。 | |
518i | 1980年 - 1981年 | 直列4気筒SOHC | 1,766cc | 100馬力 | 520iと交代で導入された4気筒モデル。 318iのエンジンを搭載したもので、日本以外では販売されていない。 |
528i | 直列6気筒SOHC | 2,788cc | 165馬力 | 末期に加えられた6気筒モデル。アメリカ仕様をベースとしている。 |
2代目(1982年 - 1988年)E28 編集
第2世代5シリーズ。6シリーズ(E24系)とプラットフォームを共用する。デザイン面では初代をリファインした感じが強い。当時、BMWは風洞設備を持たなかったために、風洞実験によって設計された同世代のアウディ・100やメルセデス・ベンツ・Eクラスと比較すると空力面での遅れは否定できなかった。このモデルから高性能なM5が販売される。
日本での販売 編集
BMWの日本法人として1981年(昭和56年)に設立されたBMWジャパンが輸入・販売を行っていた。518iA、528eA、533iAのラインナップが当初用意され、その後518iAが520iAに、533iAがM535iAへ変更されたほか、524tdA、M5が追加された。(末尾の"A"はオートマチックトランスミッション搭載の意味。その他アルファベットは上記参照)日本仕様は環境対策から全車キャタライザー(触媒)付きモデルで、排気ガス規制が遅れていた欧州仕様(触媒なし)に比べ一部を除きパワーダウンした仕様となっており、法規上の理由からヘッドライトの外径がアメリカ仕様と同じ4灯同径規格サイズのシールドビームが採用された。(欧州仕様など、その他地域の仕様は車体外側のLoビームが内側のHiビームに比べ外径が大きくなっている)また、M5は初代M6(E24)と同様にデビュー後しばらくの間は日本へ導入されなかったため、正規輸入された車両は非常に少ない。当時は正規ディーラー網が未整備だったこと、内外価格差が大きかったことなどから並行輸入も盛んで、528i(2.8Lの直列6気筒M30型エンジン…通称ビッグシックス、184馬力)、M535i(触媒なし本国仕様、218馬力)などが並行輸入業者によって販売された。日本仕様の正規輸入車は全て左ハンドルとなるが、南アフリカ共和国の工場で製造された右ハンドル仕様も少数が並行輸入されている。
日本での正規輸入モデル | |||||
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グレード | 販売期間 | エンジン | 排気量 | 最高出力 | 備考 |
528eA | 1982年-1988年 | 直列6気筒SOHC | 2,693cc | 120馬力 (1987年 - 1988年のみ129馬力) |
燃料効率を重視した設計のエンジンを搭載。末尾の「e」はギリシャ語の『eta』(イータ)を意味する。 当初は3段ATであったが、1985年から4段ATに変更された。 排気量の割にパワーは抑えられていることから欧州では525eとして販売されていた。 |
518iA | 1982年 - 1986年 | 直列4気筒SOHC | 1,766cc | 100馬力 | 日本仕様は3段AT、末期にはATが4段化された。 |
533iA | 1983年 - 1984年 | 直列6気筒SOHC | 3,210cc | 180馬力 | 日本/北米向けに用意されたモデル。1984年にはBMW Japanの3周年を記念してウォルター・マウラーデザインの533iを100台限定販売した(アルピンホワイトのボディにグレーのグラデーションが施されている)。日本仕様は3段AT、末期にはATが4段化された。 |
524tdA | 1984年 - 1986年 | 直列6気筒SOHCディーゼルターボ | 2,443cc | 115馬力 | BMW初のディーゼルモデル。税法上518i同様5ナンバーとして扱われた。 |
M535iA | 1985年 - 1988年 | 直列6気筒SOHC | 3,430cc | 185馬力 | Mテクニックスポーツステアリングホイール、ビルシュタイン製スポーツサスペンション、専用デザインアルミホイール(装着可能なタイヤはミシュランTRXのみ)、前後オーバーフェンダー、機械式LSD(リミテッド・スリップ・デフ)、2本線のボディーストライプ、前後"M"エンブレム(リアのエンブレム表記は「M535i」)、オンボードコンピューター(多機能時計)を備えている。
なお、日本仕様はこれらの装備を装着した「M535i」というグレードのみであり、欧米仕様に存在する「535i」というグレードは日本では正規販売されていない。 また、セットオプションとして、BMW M製の前席スポーツシート、Mテクニックエアロキット(前後専用デザインバンパー・サイドステップ・リアスポイラー)、ドアアウターモール上部及びテールライトのメッキ部分をブラックアウト化、リアエンブレムを「M535i」から「M」マークのみへ変更した「スポーツパッケージ」も存在する。日本仕様のみ、リアエアロバンパー中央部分に黒色の細長いモールが装着される。スポーツパッケージ仕様はメーカーセットオプションとなるが、これらの装備は「BMW Mテクニック」オプションパーツとして単独でも購入することが可能だったため、ディーラー等で中古車架装時などにMテクエアロパーツのみを装着して販売した車両なども存在し、ベース車両が比較的地味なデザインだったことも伴い、このMテクエアロパーツの型を模したFRP製の粗悪なコピー商品も出回った。 末期に、「M535i」をベースに外板色をM5専用の「マカオブルー」、キドニーグリル以外の外装メッキモール類のブラックアウト化、前後エンブレムレス化、バッファローレザーシート(ノーマル形状シート)などを装備した「エディション5」が限定販売された。 |
520iA | 1987年 - 1988年 | 1,990cc | 129馬力 | BMWは1987年から全車キャタライザー(触媒)付となったため、それまでキャタライザーなしの仕様のみしか存在しなかったライトシックスモデル(直列6気筒M20型エンジン搭載車)を初めて導入。 |
M5 編集
直列6気筒DOHCエンジン、3,453ccのエンジンを搭載。5MTのみ。M5に搭載されたエンジンは、かのM1のものを改良したもので、最高出力は286馬力(日本仕様は260馬力)を発生。最高速度は250km/hに達し、当時の世界最速の4ドアサルーンであった。キドニーグリル以外の外装メッキモール類のブラックアウト化、及び前席スポーツシートは標準装備だが、BMW Mによるオーダーメイド車両なので、Mテクニックエアロパーツやヘッドライトワイパーの有無・リアシートのヘッドレストが装着されていないなど様々な仕様が存在する。初代M6(E24)同様、発売当初正規輸入されなかったため並行輸入車が多い。1985年に本国デビューしているが、日本では1987年から導入。
3代目(1988年 - 1995年)E34 編集
1988年に第3世代5シリーズがデビュー[2]。E32型7シリーズと共通する印象のスタイルであった。Cd値は0.30-0.32を達成し従来型から飛躍的に向上した。また、ミディアムクラス(W124)を見習いボディ剛性も大幅に向上させたが、同時に車重も増えW124よりおよそ100kg重くなった車重のために、ドイツでは先代の量販グレードであった518iが切り捨てられた。535iはビッグシックスと呼ばれる名機を搭載した最終モデルである。先に登場した735iにも採用された第3世代DME(デジタル・モーター・エレクトロニクス)制御となり出力の向上を果たしている。
1991年に520i、525iがDOHCに変更するとともに4速ATから5速ATとなった。なお535iは4速ATとなる。
1993年にはマイナーチェンジを行い、V型8気筒DOHCエンジンを搭載する530i、540iが導入されたため、直列6気筒 3.5リッターエンジンを搭載する535iが消滅。V8モデルには熱対策のためにワイドキドニーグリルが与えられた。また、全車に運転席エアバッグを装備。
1994年には直6モデルにもワイドキドニーグリルを与えた。助手席側のエアバッグも標準装備となった。同時に525i、530i、540iにM製のエアロパーツ、スポーツサスペンション、スポーツシート、BBS製2ピースアルミホイールなどを装備したスポーツパッケージが設定される。 5シリーズのサスペンション形式は、第3世代(1988年 - 1995年)E34の頃までは前輪がマクファーソン・ストラット式、後輪がセミトレーリングアーム式サスペンションを採用していた。
日本での販売 編集
1988年(昭和63年)、まず日本に導入されたのが、直列6気筒SOHCエンジンを搭載する525i 535iであった。3.5リッターエンジンを搭載する535iは、当時の7シリーズにも搭載された「ビッグ・シックス」という名エンジンを搭載した[3])。日本に正規輸入されたモデルは以下のようになっている。
日本での正規輸入モデル | |||||
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グレード | 販売期間 | エンジン | 排気量 | 最高出力 | 備考 |
セダン | |||||
525i | 1988年 - 1991年 | 直列6気筒SOHC | 2,493cc | 170馬力 | 550万円。1991年(平成3年)にBMW JAPAN10周年を記念した限定車が発売される。限定色や本革製スポーツシート、専用のウッドパネルが装備されていた。 |
535i | 1988年 - 1993年 | 3,430cc | 211馬力 | 780万円 535iのみの装備としてオーディオ横のオンボードコンピュータが搭載される。時刻、日付、外気温、平均燃費、平均車速のほか、盗難防止用の暗証番号等も任意で設定できる。1991年(平成3年)にBMW Japan10周年を記念した限定車が発売される。内容は525iに準ずるものだが、前席がパワーシートとなりサンルーフもつく。1992年(平成4年)にはエアロパーツ、スポーツサスペンションやスポーツシートなどM5に準ずる装備を持った535iスポーツが限定発売される。 オプションのサンルーフはプラス20万円。 正規ディーラー車のうち、ミシュランTRXが装着された車体も存在した。末期には右ハンドルも選択できた。 | |
520i | 1991年 - 1996年 | 1,990cc | 150馬力 | 520万円。右ハンドルのみの設定になった。 525iとの装備の差はアロイホイール、フロントフォグランプ(後に標準装備化)、一本出しマフラーに留まる。 | |
525i | 1991年 - 1996年 | 2,493cc | 192馬力 | 価格600万円1994年(平成6年)と翌年にそれぞれ特別仕様の「セレクション」が発売される。専用ボディカラーやレザーシート、ウッドパネル、CDチェンジャーなどが装備されていた。 | |
530i | 1993年 - 1996年 | V型8気筒DOHC | 2,996cc | 218馬力 | 動力性能的には525iと大差はないが、ウォールナットパネルやワイドキドニーグリルを装備にすることにより高級感を演出していた。 サイドステップが標準装備となる。 |
540i | 1993年 - 1996年 | 3,981cc | 286馬力 | 価格845万円。エンジン停止中でも外気循環を自動的に行うクライメートコントロール、クルーズコントロールなどが540iには標準装備であった。リアブレーキにベンチレーテッドディスクが装備された。 | |
ツーリング(ステーションワゴン) | |||||
525i | 1992年 - 1996年 | 直列6気筒DOHC | 2,493cc | 192馬力 | 1992年から導入開始。2枚式の巨大なパネルサンルーフがツーリングモデル最大の特徴であった。(525iにはオプション)ただ、剛性面で難があった感は否めず、以降のBMWツーリングモデルには一度も採用されていない。ドイツでは520iからM5までのラインナップが存在したが、日本導入モデルは525iと540iの2車種のみである。525iは右ハンドルのみ、540iは左ハンドルのみの設定。540iは販売期間が短く価格も900万円と高価であった。 |
540i | 1994年 - 1996年 | V型8気筒DOHC | 3,981cc | 286馬力 |
M5 編集
E34型M5は1988年に3.6リッター直列6気筒DOHC エンジンに5速MTの組み合わせでデビューした。17inのホイールは市販車では珍しくアルミホイールにエアロディスクを被せたもので、高速域での安定性とともに、欧州車によく見られる多量のブレーキダストを排出する役割も兼ねていた(アルミホイール+ホイールカバーという組み合わせは後にトヨタ・プリウスでも行われた)。
1993年には排気量を3.8リッターに拡大し出力を向上させた。タイヤサイズは変わらないものの、ホイールは一般的なデザインに改められた。そして1994年の改良では6速MTと18inタイヤが採用された。後期型は出力の強化により、フロントブレーキが大径、4ピストン化された。
最高速度はリミッターによって250km/hに制御される(ちなみに250km/hという数字は、1987年、戦後のドイツ車で初めてV12エンジンを搭載した750iの発売に当たってメルセデス・ベンツとの紳士協定で交わした両社サルーンの最高速度である)。
日本での正規輸入モデル | |||||
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グレード | 販売期間 | エンジン | 排気量 | 最高出力 | |
M5 | 1988年 - 1993年 | 直列6気筒DOHC | 3,535cc | 315馬力 | |
1993年 - 1996年 | 3,795cc | 340馬力 |
4代目(1996年 - 2003年)E39 編集
第4世代5シリーズ。エクステリア・デザインは、BMWのデザイナーである永島譲二。先代よりボディーサイズを拡大したが、空気抵抗係数(Cd値)は0.29-0.30である。アルミ製サスペンション(リアサスはこの代からインテグラルアーム式<5リンク>)を採用し、さらなる安定性および、軽快なハンドリングを実現するとともに、ASC+Tと呼ばれるトラクションコントロールを直列6気筒モデルに装着した。V型8気筒モデルにはASC+Tを発展させたDSCと呼ばれる横滑り防止機構を装備。
パッシブセーフティの面でも充実しており、初期モデルではエアバッグがフロント左右、サイド・エアバッグの4エアバッグであったが最終的にはITSヘッド・エアバッグを含む10エアバッグにもなった。電子制御デバイスの導入にも積極的で、自動防眩機能を内蔵したルームミラーやレインセンサー付きのワイパーなどが装備される。
1996年6月より、日本導入開始。日本仕様として変更が加えられており、本国仕様に対して、
- ダンパーの減衰力を落とす
- 日本仕様に専用開発したオールシーズンタイヤ(Continental conti touring contact CH95)
- タイヤの空気圧を1.8kgf/cm²に設定
などの変更により、ドイツ仕様と比べ、当たりの柔らかい乗り心地となっていた。
また、日本仕様に専用開発されたタイヤのスピードレンジがH (210km/h)に設定されていたため、208km/hで作動するリミッターが装着される他、日本の道路状況に合わせ、ATはJATCO製(本国ではZF)となる。導入当初は直列6気筒モデルにはステップトロニックは装備されておらず、540iにのみ設定されていた。なお、前期型540iのATはGM製である。
1997年には直列6気筒モデルにステーションワゴンのツーリングが追加される。1998年には直列6気筒モデルのトランスミッションがマニュアルモード付きのステップトロニックと変更を受けるとともに可変バルブ機構のVANOSが吸排気の両方に作動するダブルVANOSに進化。同時に、標準装着タイヤが専用開発のオールシーズンタイヤから一般的なサマータイヤへ変更となる。1999年にはBMW Mがデザインしたエクステリアやインテリアを持つ、スポーティーな「Mスポーツ」が初めて導入される。
2000年にはフェイスリフトを行い、1996年から2000年までのモデルが前期、2000年以降が後期となる。後期の外見上の大きな識別点は国内でイカリングと呼ばれる「コロナ・リング」が初めて装備される。直列6気筒(M52)エンジンを一新して、パワーアップを図りつつ排ガスもクリーンになった。2.8リッターが廃止になり528iがカタログ落ちし530iが加わる。M52エンジンから進化したM54エンジンは当時世界最高水準のパフォーマンスを誇った。また、M54搭載車導入と同時に、ATは本国仕様同様のZF製へ切り替わる。
日本での販売 編集
日本での正規輸入モデル | |||||
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グレード | 製造年 | エンジン | 排気量 | 最高出力 | 価格 |
前期型 | |||||
525i[4] | 1996年 - 2000年 | 直列6気筒DOHC | 2,493cc | 170馬力 | 543万円 |
528i | 2,793cc | 193馬力 | 613万円 | ||
540i | 1996年 - 2003年 | V型8気筒DOHC | 4,398cc | 286馬力 | 798万円 |
528iツーリング | 1997年 - 2000年 | 直列6気筒DOHC | 2,793cc | 193馬力 | 645万円 |
後期型 | |||||
525i /525i Mスポーツ | 2000年 - 2003年 | 直列6気筒DOHC | 2,493cc | 192馬力 | 530万円 |
530i/530i Mスポーツ | 2,979cc | 231馬力 | 610万円 | ||
540i/540i Mスポーツ | 1996年 - 2003年 | V型8気筒DOHC | 4,398cc | 286馬力 | 885万円 |
525iツーリング | 2000年 - 2003年 | 直列6気筒DOHC | 2,493cc | 192馬力 | 578万円 |
530iツーリング | 2,979cc | 231馬力 | 661万円 |
M5 編集
E39型M5は先代まで使用していた直列6気筒エンジンを採用せず、新開発のV型8気筒DOHCエンジンを搭載して馬力は400馬力の大台に乗った。トランスミッションは6速MTのみであった。外装は専用エアロパーツ、専用18inアルミホイールで仕立てられ、内装はレザーであった。最高速度はリミッターで250km/hに制限されるものの、解除することで295km/h以上の速度を出すことができた。
グレード | 製造年 | エンジン | 排気量 | 最高出力 |
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M5 | 1998年 - 2003年 | V型8気筒DOHC | 4,941cc | 400馬力 |
5代目(2003年 - 2010年)E60/E61 編集
「E60」はセダン、「E61」はツーリング(ワゴン)のモデルコードである。
先代に比べて車体寸法が拡大したが、重量増加を抑えるため、Aピラーよりも前、フロント部分はアルミニウム構造とされた。当初搭載されたエンジンは、直列6気筒は先代モデルに搭載されていたエンジン(M54)の流用、V型8気筒はバルブトロニックを装備した新型のものであり、4気筒2,000ccエンジンや、ディーゼルエンジンもあった。変速機はMTのほか、全てのエンジンに新しい6速ATが組み合わされた。
技術面では「アクティブステアリング」と呼ばれる、ステアリングギア比を走行速度によって変化させる可変ギアレシオ・パワーステアリングが搭載され、これには横滑り防止機構と連動して自動的にカウンターステアを当てる機能も備わっていた。また、「ダイナミックドライブ」と呼ばれる、モーターとスタビライザーを組み合わせによってコーナリング中に左右のロールを抑え、乗り心地と操縦性を確保する機能も設定された。E6X・7シリーズに先行装備された、iドライブ(アイドライブ)と呼ばれる車内快適装備の操作のためのコンピュータシステムも搭載された。
外観デザインはエッジを多用するなどして、従来のBMWとは大きく異なったイメージのものであった[5]。これには賛否が分かれたものの、デザインを革新的なものにすることはBMW社内上層部による決定事項であり、オーナーであるクヴァント家もこの新しいデザインを強く支持していたという[5]。このデザインはクリス・バングルが率いるBMW社内のデザインチームによるもので、実際に採用された作品は、イタリア人デザイナーのダヴィデ・アルカンジェリ(Davide Arcandeli)によるものだった[5]。ただしダヴィデは、急性白血病によりこのモデルの発売前に死去している。
歴史 編集
2005年にはエンジンを一新、直列6気筒にはバルブトロニックが採用され、マグネシウム合金を用いての軽量化や低燃費が試みられた。V型8気筒エンジンは従来の4.4リッターを拡大した4.8リッターと4.0リッターが追加された。同時期にヘッドアップディスプレーをオプション設定され、特別に用意されたボディカラーやインテリア素材でオーダーメイド可能なプログラム、BMWインディビデュアルも開始された。
2007年にマイナーチェンジが行われ、フロントグリル、バンパー、ライト類の意匠変更のほか、トランスミッションも改良され、シフト時のタイムラグが従来の半分となった。530iはエンジンが変更されて出力が向上した。
日本での販売 編集
2003年(平成15年)に販売が開始され、翌年にはワゴンの「ツーリング」と、パッケージオプションとして『Mスポーツ』仕様が追加された。販売された全てのモデルにおいて変速機はATのみの設定であり、アクティブステアリングも標準装備として販売された。
E60/E61(2003年 - 2007年) / E60LCI/E61LCI (2007年 - 2010年) | |||||||
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グレード | 型式 | 排気量(cc) | エンジン | 最高出力(ps/rpm) | 最大トルク(kgm/rpm) | 変速機 | 駆動方式 |
525i(2003年 - 2005年) / 525iツーリング(2004年 - 2005年) | M54B25 | 2,493 | 直列6気筒DOHC | 192/6,000 | 25.0/3,500 | 6速AT | 後輪駆動 |
525i/525iツーリング(2005年 - 2010年) | N52B25A | 2,496 | 218/6,500 | 25.5/2,750-4,250 | |||
530i(2004年 - 2005年) | M54B30 | 2,979 | 231/5,900 | 30.6/3,500 | |||
530i/530iツーリング(2005年 - 2007年) | N52B30A | 2,996 | 258/6,600 | 30.6/2,500-4,000 | |||
530i/530iツーリング(2007年 - 2010年) | 272/6,650 | 30.6/2,750 | |||||
530xiツーリング(2007年 - 2010年) | 四輪駆動 | ||||||
540i(2005年 - 2010年) | N62B40A | 3,999 | V型8気筒DOHC | 306/6,300 | 39.8/3,500 | 後輪駆動 | |
545i(2003年 - 2005年) | N62B44A | 4,398 | 333/6,100 | 45.9/3,600 | |||
550i(2005年 - 2010年) / 550iツーリング(2006年 - 2010年) | N62B48B | 4,798 | 367/6,300 | 50.0/3,400 |
M5 編集
M5として第4世代に相当するE60型M5は、F1技術のフィードバックによる新開発のV型10気筒DOHCエンジンを搭載する。馬力は先代の400馬力からさらに107馬力アップし507馬力である。この507という数字は幻のロードスター「BMW 507」をリスペクトした結果とも言われている。ただし常時507馬力モードではなく、始動時はエンジン保護の理由から400馬力モードであるが「P500」と「P500S」モードを選択することにより507馬力を発生する。
ハンドルに備わるMボタンでは「シフトスピード」、「エンジンマネージメント」、「EDC」などのセッティング内容を割り当てることができ、Mボタンを押すことで瞬時にそのセットアップを呼び出すことができる。またいわゆる隠しモードも存在し、DSCオフ状態でエンジンマネージメントを「P500Sモード」とすることにより、最高シフトスピードが元来の「5」から「6」に変更可能となる。運転席側フロントガラスにエンジン回転数、速度、ナビメッセージなどを映し出すヘッドアップディスプレイも備え、さながらF1パイロットのような気分も味わえる。
変速機は油圧によりクラッチを作動させる、2ペダルMTのセミオートマチックトランスミッションとなる7速SMGを搭載する。米国仕様では7速SMGと6速MTが選択できるが日本仕様はSMGのみ。さらにスタートアシスト機能も加わる。0-100km加速は4.7秒。
外装は専用エアロパーツで、フロントフェンダーにはエア・アウトレットが空いているが機能上の放熱効果はない。リヤのMスポイラーは日本では標準装備だが、海外では選択制。足周りには専用19inアルミホイールが装備されるが、オプションでM6用ホイールも選択でき、リヤのオフセットが張り出していることもありマニア間ではM6ホイールも人気である。M5、M6ホイールどちらともBBS製。
速度リミッターはメーター読み270km/hで作動する。欧州にはワゴン仕様であるM5ツーリングも存在するが、日本国内には正規輸入されておらず製造台数もまたセダンが1万5000台以上製造されたのに対してツーリングは1028台のみの製造と稀少である。
E60(2004年 - 2007年) / E60LCI(2007年 - 2010年) | |||||||
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グレード | 型式 | 排気量(cc) | エンジン | 最高出力(ps/rpm) | 最大トルク(kgm/rpm) | 変速機 | 駆動方式 |
M5 | S85B50A | 4,999 | V型10気筒DOHC | 507/7,750 | 53.0/6,100 | 7速SMG | 後輪駆動 |
6代目(2009年 - 2016年)F07/F10/F11 編集
BMW・5シリーズ F07/F10/F11型 | |
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セダン(F10)前期型 | |
セダン(F10)後期型 | |
インテリア | |
概要 | |
販売期間 | 2011年 - 2017年 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ |
4ドアセダン 5ドアワゴン 5ドアハッチバック |
駆動方式 | FR / 4WD |
パワートレイン | |
変速機 |
6速MT 8速AT |
サスペンション | |
サスペンション |
前:ダブル・ウィッシュボーン式 後:インテグラル・アーム式 |
車両寸法 | |
ホイールベース |
2,970mm(F10/F11) 3,070mm(F07) 3,110mm(F18) |
全長 |
4,910mm(F10) 4,915mm(F10LCI/F11) 5,005mm(F07LCI) 5,040mm(F18) |
全幅 |
1,860mm(F10/F11/F18) 1,900mm(F07) |
全高 |
1,475mm(F10/F18) 1,490(F11) 1,565mm(F07) |
車両重量 | 1,625kg–1905kg |
系譜 | |
先代 | BMW・E60/E61 |
後継 |
BMW・G30/G31/G38 (F10/F11/F18の後継) 6シリーズ(G32) (F07の後継) |
- 2009年2月に「Concept 5 Series Gran Turismo」が発表され、2009年3月に開催されたジュネーブモーターショーで初披露された。同社製セダンのスポーティーなルックスやグランドツーリングカーとしての性能と、SUVの使い勝手を融合させたもの としている。2段階に開くリアハッチが特徴で、5ドアハッチバックのようにリアウインドウごと開けたり、バンパー上端からリアウインドウ下端までだけを開いて、4ドアセダンのトランクルームのように使ったりできるとしている[6]。
- 2009年5月22日、「Concept 5 Series Gran Truismo」の市販モデルとなる「5シリーズグランツーリスモ(=GT、F07)が発表された。コンセプトモデルと同様、2段階に開くテールゲートを採用し、エンジンはガソリンが2機種、ディーゼルが1機種用意されるとアナウンスされた。サッシュレスドアを採用している。
- 2009年11月26日、日本市場向けにGTが発表された[7]。発売当初は「535i」「550i」の2つのモデルが用意された。
- 2010年3月の開催されたジュネーブモーターショーにおいて、新型「5シリーズ(F10)」が初披露されるとともに、同車のハイブリッドモデル「コンセプト5シリーズ アクティブハイブリッド」が展示された[8]。コンポーネントをF01型7シリーズと共用しており、車体は先代よりさらに拡大された。また7シリーズと同様にエネルギー回生システムを取り入れており、減速時に発電機を回してバッテリーへの充電を行い、燃費の改善に役立てている。足回りは四輪操舵システムであるインテグレイテッド・アクティブ・ステアリングを装備するほか、エンジンの出力特性や変速パターンを変更する「ダイナミック・ドライビング・コントロール」を標準装備。下位グレードではオプションとなるが、伸び・縮み両方のダンピングレートを可変する「ダイナミック・ダンピング・コントロール」、ダイナミック・ドライブとダイナミック・タンピングを統合制御しアクティブ・スタビライザーを備える「アダプティブ・ドライブ」なども用意されている。
- 2010年3月13日、ツーリング(F11)が発表された[9]。Bピラーまではセダンと共通、Bピラーから後方はツーリング専用設計としている。
- 2010年3月25日、セダン(F10)が国内発表された[10]。当初は3.0直列6気筒エンジン搭載の「528i」と「535i」、4.4L V型8気筒エンジン搭載の「550i」の計3モデルが用意され、7月には2.5L直列6気筒エンジンを搭載する「523i」が追加された[11]。
- 2010年4月、北京モーターショーにおいて中国向けに5シリーズのロングホイールベースモデル(F18)を発表[12]。ホイールベースが140mm延長されている。
- 2010年8月4日、GTに4WDモデルである「550i GT xDrive」が追加された。
- 2010年9月、ツーリング(F11)が日本で発売された[13]。直列6気筒エンジン搭載の「523i」「528i」「535i」がラインナップされた。
- 2011年10月17日、523iのエンジンを従来の2.5L直列6気筒から新開発の2.0L直列4気筒ターボに切り替えることが発表された[14]。
- 2011年10月26日、「535i xDrive ツーリング」「550i ツーリング」を追加[15]。
- 2011年11月28日、528iのエンジンを従来の3.0L直列6気筒から新開発の2.0L直列4気筒ターボに切り替えることが発表された[16]。
- 2012年3月22日、ハイブリッドモデルである「ActiveHybrid 5」を国内投入[17]。
- 2012年8月29日、ディーゼルエンジンを搭載した「523d BluePerformance」を追加[18]。ポスト新長期規制に対応している。
- 2012年9月12日、550i GTのエンジンを改良。最高出力及び最大トルクを約10%向上させた[19]。「550i GT xDrive」は廃止された。
- 2013年5月、本国においてフェイスリフトモデル(F07LCI/F10LCI/F11LCI)の概要が発表された。グリルやライト周りが変更されたほか、サイドターンインジケータがサイドミラーに移設された。また、550iはエンジンの出力が向上した。
- 2013年9月12日、日本向けにフェイスリフトモデルが発表された[20]。
日本での販売 編集
F07(2009年 - 2013年) / F07LCI(2013年 - 2017年) | |||||||
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グレード | 型式 | 排気量(cc) | エンジン | 最高出力(ps/rpm) | 最大トルク(kgm/rpm) | 変速機 | 駆動方式 |
528i(2013年 - ) | N20B20A | 1,997 | 直列4気筒DOHCターボ | 245/5,000 | 35.7/1,250–4,800 | 8速AT | 後輪駆動 |
535i(2009年 - 2013年) | N55B30A | 2,979 | 直列6気筒DOHCターボ | 306/5,800 | 40.8/1,200–5,000 | ||
550i(2009年 - 2012年) | N63B44A | 4,394 | V型8気筒DOHCツインターボ | 407/5,500–6,400 | 61.2/1,750–4,500 | ||
550i(2012年 - ) | N63B44B | 450/5,500 | 66.3/2,000–4,500 | ||||
550i xDrive(2010年 - 2012年) | N63B44A | 407/5,500–6,400 | 61.2/1,750–4,500 | 四輪駆動 |
F10/F11(2010年 - 2013年) / F10LCI/F11LCI(2013年 - 2017年) | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
グレード | 型式 | 排気量(cc) | エンジン | 最高出力(ps/rpm) | 最大トルク(kgm/rpm) | 変速機 | 駆動方式 |
523i/523iツーリング(2010年 - 2011年) | N52B25A | 2,496 | 直列6気筒DOHC | 204/6,300 | 27.6/2,750–3,000 | 8速AT | 後輪駆動 |
523i/523iツーリング(2011年 - ) | N20B20B | 1,997 | 直列4気筒DOHCターボ | 184/5,000 | 27.5/1,250–4,500 | ||
523d/523dツーリング(2012年 - ) | N47D20C | 1,995 | 直列4気筒DOHCディーゼルターボ | 184/4,000 | 38.7/1,750–2,700 | ||
528i/528iツーリング(2010年 - 2011年) | N52B30A | 2,996 | 直列6気筒DOHC | 258/6,600 | 31.6/2,600–3,000 | ||
528i/528iツーリング(2011年 - ) | N20B20A | 1,997 | 直列4気筒DOHCターボ | 245/5,000 | 35.7/1,250–4,800 | ||
535i/535iツーリング(2010年 - ) | N55B30A | 2,979 | 直列6気筒DOHCターボ | 306/5,800 | 40.8/1,200-5,000 | ||
535i xDriveツーリング(2011年 - ) | 四輪駆動 | ||||||
550i(2010年 - 2013年) / 550iツーリング(2011年 - 2013年) | N63B44A | 4,394 | V型8気筒DOHCツインターボ | 407/5,500–6,400 | 61.2/1,750–4,500 | 後輪駆動 | |
550i(2013年 -) / 550iツーリング(2013年 - 2014年) | N63B44B | 450/5,500 | 66.3/2,000–4,500 | ||||
ActiveHybrid 5(2012年 - ) | N55B30A-M230 | 2,979 | 直列6気筒DOHCターボ | 306/5,800 (システムトータル:340) |
40.8/1,200–5,000 (システムトータル:45.9) |
M5 編集
2011年、F10型のM5を発表した[21]。4.4LのV8気筒にツインターボを搭載。M5専用のフロントエアインテーク、ディフューザー、4本出しマフラーを装備し、変速機はDCTとなる。最高出力は560PSを発揮しパワーウエイトレシオは3.3kg/PS。0-100km/h加速は4.3秒。
F10(2011年 - 2013年) / F10LCI(2013年 - 2017年) | |||||||
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グレード | 型式 | 排気量(cc) | エンジン | 最高出力(ps/rpm) | 最大トルク(kgm/rpm) | 変速機 | 駆動方式 |
M5 | S63B44B | 4,394 | V型8気筒DOHCツインターボ | 560/6,000 | 69.3/1,500-5,750 | 7速DCT | 後輪駆動 |
7代目(2017年 - )G30/G31/F90 編集
BMW・5シリーズ G30/G31/F90型 | |
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セダン(G30)2017年登場型 | |
セダン(G30)2020年改良型 | |
インテリア | |
概要 | |
製造国 |
ドイツ ディンゴルフィング オーストリア グラーツ 中国 瀋陽 タイ ラヨーン インド チェンナイ |
販売期間 | 2017年 - |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 4ドアセダン/5ドアワゴン |
駆動方式 | FR / 4WD |
プラットフォーム | OKL |
パワートレイン | |
エンジン |
2.0L直列4気筒 2.0L直列4気筒ディーゼル 3.0L直列6気筒 3.0L直列6気筒ディーゼル 4.4LV型8気筒 |
変速機 | 6速MT/8速AT |
サスペンション | |
車両寸法 | |
ホイールベース |
2,975mm(G30/G31) 2,980mm(F90) |
全長 |
4,945mm(G30) 4,950mm(G31) 4,965mm(F90) |
全幅 |
1,870mm(G30/G31) 1,905mm(F90) |
全高 |
1,480mm(G30/F90) 1,500mm(G31) |
系譜 | |
先代 | BMW・F10/F11/F18 |
2016年10月13日、本国においてセダン(G30)が発表された。新型5シリーズの特徴のひとつは、大幅な軽量化を達成したこと。アルミニウムや超高張力鋼板の使用範囲を増やすことで、先代モデルに比べて約100kg軽く仕上げられているという。
また軽量化に加え、車体の低重心化、前後50:50の重量配分により、優れたダイナミクス性能と長距離移動もラクにこなせる快適性の両立が追求されている。技術面では、数々の運転支援装置が採用された。新型5シリーズでは、アクセル、ブレーキに加え、ステアリングの運転支援を行う機能が採用された。
2017年2月、ツーリングモデル(G31)が発表され、同3月のジュネーブショーで初公開された[22]。
2017年4月、中国市場向けにホイールベースを133mm延長したロングモデル(G38)が発表された[23]。瀋陽にある華晨汽車との合弁工場にて生産される。
2017年6月、本国において5シリーズグランツーリスモ(F07)の後継モデル、6シリーズグランツーリスモ(G32)が発表された。
2020年5月、本国において改良新型が発表された。エクステリアデザインの刷新だけでなく、運転支援システムやコネクテッド機能に関する装備が拡充。フルモデルチェンジ並みの進化を遂げている。
日本での販売 編集
2017年1月12日、セダン(G30)が日本市場向けに発表された[24]。日本市場へは「523d」「530i」「540i」「530e」及び「523i」の5モデルの導入が案内された。
2017年6月22日、ツーリング(G31)の日本向けモデルが発表された[25]。
2019年7月26日、クリーンディーゼルエンジンを搭載した「523d xDrive M Spirit」「523d xDrive ツーリング M Spirit」が追加された[26]。エンジンはB47D20A型直列4気筒2.0リッター ディーゼルターボエンジンで、最高出力190PS。価格は750万円〜782万円。
2020年9月28日、日本向けに改良新型が発表され、同日、販売が開始された。
グレード | 型式 | 排気量(cc) | エンジン | 最高出力(ps/rpm) | 最大トルク(kgm/rpm) | 変速機 | 駆動方式 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
523i セダン/ツーリング | B48B20A | 1,998 | 直列4気筒DOHCターボ | 184/5,000 | 29.6/1,250-4,500 | 8速AT | 後輪駆動 |
523d セダン/ツーリング | B47D20A | 1,995 | 直列4気筒DOHCディーゼルターボ | 190/4,000 | 40.8/1,750-2,500 | ||
530i セダン/ツーリング | B48B20B | 1,998 | 直列4気筒DOHCターボ | 252/5,200 | 35.7/1,450-4,800 | ||
530e セダン | B48B20A | 184/5,000 (システムトータル:252) |
29.6/1,350–4,250 (システムトータル:42.8) | ||||
540i セダン | B58B30A | 2,997 | 直列6気筒DOHCターボ | 340/5,500 | 45.9/1,380-5,200 | ||
540i xDrive セダン/ツーリング | 四輪駆動 |
グレード | 型式 | 排気量(cc) | エンジン | 最高出力(ps/rpm) | 最大トルク(kgm/rpm) | 変速機 | 駆動方式 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
523i セダン | B48B20A | 1,998 | 直列4気筒DOHCターボ | 184/5,000 | 29.6/1,350-4,250 | 8速AT | 後輪駆動 |
523d xDrive セダン/ツーリング | B47D20B | 1,995 | 直列4気筒DOHCディーゼルターボ | 190/4,000 | 40.8/1,750-2,500 | 四輪駆動 | |
530i セダン/ツーリング | B48B20B | 1,998 | 直列4気筒DOHCターボ | 252/5,200 | 35.7/1,450-4,800 | 後輪駆動 | |
530e セダン | B48B20A | 184/5,000 (システムトータル:294) |
30.6/1,350-4,000 (システムトータル:42.8) | ||||
540i xDrive セダン/ツーリング | B58B30C | 2,997 | 直列6気筒DOHCターボ | 340/5,500 | 45.9/1,500-5,200 | 四輪駆動 | |
M550i xDrive セダン | N63B44D | 4,394 | V型8気筒DOHCツインターボ | 530/5,500 | 76.5/1,800-4,600 |
M5 編集
2017年8月、高性能モデルとなるM5が発表された[27]。このモデルは別のコードネームF90が与えられる。Mモデルのセダンとしては初めて四輪駆動が採用されている。
2019年の5シリーズ価格改定に伴い、「M5 Competition」が追加された。エンジン出力はM5よりも上げられ、車高がM5と比べ7mm下げられており、ドライブモード選択に「TRACK」が追加された。
F90(2017年 - ) | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
グレード | 型式 | 排気量(cc) | エンジン | 最高出力(ps/rpm) | 最大トルク(kgm/rpm) | 変速機 | 駆動方式 |
M5 | S63B44B | 4,394 | V型8気筒DOHCツインターボ | 600/6,000 | 76.5/1,800-5,600 | 8速AT | 四輪駆動 |
M5 Competition(2019年 - ) | 625/6,000 | 76.5/1,800-5,860 |
出典 編集
- ^ BMW Japan (2009年4月16日). “BMW 5 シリーズ500万台記念キャンペーン開始。”. 2009年6月5日閲覧。
- ^ 80年代輸入車のすべて- 魅惑の先鋭 輸入車の大攻勢時代. 三栄書房. (2013). pp. 44. ISBN 9784779617232
- ^ 80年代輸入車のすべて- 魅惑の先鋭 輸入車の大攻勢時代. 三栄書房. (2013). pp. 44. ISBN 9784779617232
- ^ 前期型525iは先代525i(E34)と比べて出力が192馬力→170馬力とダウンしていたため、欧州では523iとして販売されていたが、日本では525iを名乗っていた。
- ^ a b c Design -The new BMW 5 Series Michael Frank, Forbes.com, 2003-6-2 平成23年10月16日閲覧
- ^ “Car Watch BMW、SUVの使い勝手を備えたセダン「Concept 5 Series Gran Turismo」”. 2016年3月19日閲覧。
- ^ “BMW JAPAN : ニューBMW グランツーリスモ誕生”. 2016年3月19日閲覧。
- ^ “Car Watch BMW、新型「5シリーズ」とそのハイブリッド・コンセプト”. 2016年3月19日閲覧。
- ^ “BMW 5シリーズ 新型にツーリング発表…スポーツワゴンの新基準”. 2016年3月19日閲覧。
- ^ “BMW JAPAN : ニューBMW 5 シリーズ セダンを発表”. 2016年3月19日閲覧。
- ^ “BMW JAPAN : 75%エコカー減税対象モデル、ニューBMW 523iセダンを発表”. 2016年3月19日閲覧。
- ^ “Car Watch 【2010北京ショー】BMW、新型5シリーズ ロングをワールドプレミア”. 2016年3月19日閲覧。
- ^ “BMW JAPAN : ニュー BMW 5 シリーズ ツーリングを発表”. 2016年3月19日閲覧。
- ^ “BMW JAPAN : BMW 5 シリーズに圧倒的な環境性能を誇る新世代エンジンを採用”. 2016年3月19日閲覧。
- ^ “BMW JAPAN : BMW JAPAN : BMW 5 シリーズ ツーリングのモデル・ラインナップがさらに拡充”. 2016年3月19日閲覧。
- ^ “BMW JAPAN : BMW 5 シリーズ528i セダンおよびツーリングに新世代BMW ツインパワー・ターボ・エンジンを搭載”. 2016年3月19日閲覧。
- ^ “BMW JAPAN : ハイブリッド・システムを搭載したBMW ActiveHybrid 5 を導入”. 2016年3月19日閲覧。
- ^ “BMW JAPAN : ニューBMW 523d BluePerformance登場”. 2016年3月19日閲覧。
- ^ “BMW JAPAN : BMW グランツーリスモに優れた環境性能と動力性能を実現する最新テクノロジーを搭載”. 2016年3月19日閲覧。
- ^ “BMW JAPAN : ニューBMW 5 シリーズを発表”. 2016年3月19日閲覧。
- ^ “BMW、5代目「M5」を発表”. webCG. (2011年6月21日) 2021年12月13日閲覧。
- ^ “新型5シリーズ・ツーリング発表&3月のジュネーブショーで初公開へ(carview!) - スクープ - carview! - 自動車”. 2017年8月28日閲覧。
- ^ “New BMW 5 Series Long Wheelbase premieres in Shanghai”. 2017年8月28日閲覧。
- ^ “新型BMW 5シリーズを発表”. 2017年8月28日閲覧。
- ^ “新型 BMW 5 シリーズ ツーリングを発表”. 2017年8月28日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2019年7月26日). “BMW、「5シリーズ」にクリーンディーゼル+4WDの「523d xDrive M Spirit」”. Car Watch. 2019年7月26日閲覧。
- ^ “独BMW、4WDシステム搭載の新型「M5」を9月発売。11万7900ユーロから - Car Watch”. 2017年8月28日閲覧。
関連項目 編集
- BMW
- X5
- 6シリーズ
- BMW M
- 530MLE(BMW南アフリカ)(en: BMW 530 MLE (E12)、es: BMW 530 MLE)[1]