アルブミン
アルブミン (Albumin)は一群のタンパク質に名づけられた総称で、卵白(albumen)を語源とし、卵白の構成タンパク質のうちの約65%を占める主成分タンパク質に対して命名され、さらにこれとよく似た生化学的性質を有するタンパク質の総称として採用されている。代表的なものに卵白を構成する卵アルブミン、脊椎動物の血液の血漿に含まれる血清アルブミン、乳汁に含まれる乳アルブミンがある
血清アルブミン
編集血清中に多く存在するタンパク質の一つ。分子量約66,000。血清中には多くのタンパク質が存在するが、血清アルブミンはその約50~65%を占める
機能
編集臨床検査
編集肝臓で生合成される。このため、臨床検査では肝機能の指標とされ、Albという略号で表されることが多い。健常人の基準値は約3.8~5.3g/dL。アルブミン濃度が低下している場合は、肝疾患や栄養失調が疑われる。また、血清中の別の主要なタンパク質群であるグロブリン濃度との比、アルブミン/グロブリン比(A/G比)も重要な肝機能の臨床検査項目である。A/G比の基準範囲は1.2~2.0。(いずれも基準値は測定方法、施設により異なる。)
ヒトアルブミン1分子中のアミノ酸組成
編集アラニン62 アルギニン24 アスパラギン17 アスパラギン酸36 システイン35 グルタミン20 グルタミン酸62 グリシン12 ヒスチジン16 イソロイシン8 ロイシン61 リジン59 メチオニン6 フェニルアラニン31 プロリン24 セリン24 トレオニン28 トリプトファン1 チロシン18 バリン41 計585
臨床応用
編集アルブミンは必須アミノ酸であるトリプトファン、メチオニン、イソロイシンに乏しく、アミノ酸補充にはアミノ酸製剤を用いるべきである。
脚注
編集- ^ Buxton, Iain L. O. (2006). “Pharmacokinetics and pharmacodynamics: the dynamics of drug absorption, distribution, and elimination”. In Laurence L. Brunton;associate editors, John S. Lazo, Keith L. Parker. Goodman and Gilman's the pharmacological basis of therapeutics, 11th ed.. McGraw-Hill Companies. pp. p7. ISBN 0-07-142280-3
- ^ https://www.mt-pharma.co.jp/news/2022/MTPC220721.html
関連項目
編集外部リンク
編集- アルブミン - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)
- 肝機能検査 (肝炎情報センター 内の項目)