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国立健康・栄養研究所

国立健康・栄養研究所(2007年3月)
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国立健康・栄養研究所(こくりつけんこうえいようけんきゅうじょ、National Institute of Health and Nutrition)は、栄養健康に関する調査研究を行っている日本の研究機関である。前身は1914年に佐伯矩によって設立された、世界初の栄養学研究機関である営養研究所である(当時は栄養を「営養」と表記することが多かった)。1919年に内務省栄養研究所として設置され、変遷を経て2001年より独立行政法人となったが、2015年に医薬基盤研究所と統合し、医薬基盤・健康・栄養研究所の傘下機関となった。

健康食品のデータベースを公開している。ここで認可されていない成分等は「信頼できる十分なデータが見当たらない」が最もよい評価だが[1]、日本医科大学の太田成男によって、データがないかのような誤解が誘導されるような表現であると指摘されている[2]

目次

概要編集

沿革編集

 
陸軍軍医学校標本館(1929年)。戦後国立栄養研究所の管理棟となった。
 
陸軍軍医学校衛生学教室(1929年)。戦後国立栄養研究所の研究棟となった。
  • 1914年(大正3年) 佐伯矩が東京芝区白金三光町に私立の栄養研究所を設立する。世界初の栄養学研究機関であった。
  • 1916年(大正5年) 東京芝金杉川口町に移転する。
  • 1919年(大正8年) 佐伯が国立栄養研究所の設立を強調し衆議院に参考資料を提出する。
  • 1920年(大正9年)9月17日 - 内務省栄養研究所が開設され(勅令第407号)。
  • 1921年(大正10年)12月17日 - 小石川駕籠町に新築された新庁舎に移転する。
  • 1938年(昭和13年)1月11日 - 厚生省が新設されその管轄下に移る。
  • 1940年(昭和15年)12月4日 - 公衆衛生院と合併し、厚生科学研究所国民栄養部となる(勅令第840号)。
  • 1942年(昭和17年)11月1日 - 厚生科学研究所、人口問題研究所産業安全研究所が合併して設置された厚生省研究所の管轄下に移る(勅令第762号)。
  • 1946年(昭和21年)5月1日 - 厚生省研究所が解散し、再置された公衆衛生院の管轄下に移る(勅令第249号)。
  • 1947年(昭和22年)5月1日 - 公衆衛生院から独立再置され国立栄養研究所となる(勅令第175号)。
  • 1948年(昭和23年)3月31日 - 庁舎を新宿区戸山町に移転。かつて陸軍軍医学校の衛生学教室と呼ばれた建物である。[3]
  • 1989年(平成元年) - 国立健康・栄養研究所に改称。
  • 1992年(平成4年) - 厚生省戸山研究庁舎(現在地)へ移転。
  • 2001年(平成13年)4月 - 厚生労働省管轄の独立行政法人となる。
  • 2015年(平成27年)4月1日 - 医薬基盤研究所と合併し、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所国立健康・栄養研究所となる。
  • 2017年(平成29年)3月31日 - 大阪府摂津市に位置する北大阪健康医療都市(愛称:健都)の健都イノベーションパーク内への全面移転方針を発表。

歴代所長編集

  • 佐伯矩 (1920.9〜1940.12)栄養研究所・所長
  • 杉本 好一(1940.12〜1947.4)厚生省研究所国民栄養部・部長
  • 柳 金太郎(1948.1〜1950.12)国立栄養研究所・所長
  • 有本邦太郎(1951.1〜1965.12)
  • 大礒 敏雄(1965.12〜1974.3)
  • 福井 忠孝(1974.4〜1981.3)
  • 鈴江緑衣郎(1981.4〜1990.3)
  • 小林 修平(1990.4〜1999.7)
  • 澤  宏紀(1999.7〜2001.3)
  • 田中 平三(2001.4〜2005.3)国立健康・栄養研究所・理事長
  • 渡邊 昌 (2005.4〜2009.3)
  • 徳留 信寛(2009.4〜2013.3)
  • 古野 純典(2013.4〜2017.3)
  • 阿部 圭一(2017.4〜)

健康食品のデータベース編集

2004年の「健康食品に係る制度のあり方に関する検討会」で、食品の機能について信頼できる正しい情報を提供し、また食品の機能の表示の信頼性が高まることによって、国民の健康づくりに役立つことを期待するという方向性が示された[4]

国立健康・栄養研究所では、「健康食品」に係る制度のあり方に関する検討会における、健康食品に関するデータベースを作り国民に広く普及させるという意見に基づいて、消費者の立場に立って科学的な根拠のある情報の公開がなされている[5]

厚生労働科学研究費補助金で食品安全確保研究事業として、食品や食品成分や健康食品の安全性・有効性などに関するデータベースウェブサイトで公開している[6]。2006年、市場開放問題苦情処理体制 (OTO) で、「消費者にとってより判り易いサプリメントに係る情報提供の推進」として国立健康・栄養研究所のデータベースの紙媒体等への情報提供手段を整備することが決定された[7]

医薬品については「有効性が示唆されている」、特定保健用食品「関与成分とした特定保健用食品が許可されている」と記載され、その他の場合には「信頼できる十分なデータが見当たらない」が最もよい評価で、「情報は見当たらない」が最も悪い評価である[1]。日本医科大学(当時、後に定年退職)の太田成男は、データがある場合にも、データがないかのような誤解が誘導されるような表現であると指摘しており、「信頼できる」「十分な」の基準が明確でなく、研究が行われて統計解析されて有意だとされた研究に対して「信頼できない」とか「十分でない」とする場合には、公的機関として配慮した説明をすべきだとしている[2]

太田成男の調査では、下へ行くほど評価がよくない[2]

  • ヒトでの有効性については、信頼できる十分なデータが見当たらない。
  • ヒトでの有効性については、信頼できるデータが十分で(は)ない。または、十分にはない。
  • ヒトでの有効性については、信頼できるデータが(は)見当たらない。
  • ヒトでの有効性については、十分な情報が見当たらない。
  • ヒトでの有効性については、情報は見当たらない。

国立健康・栄養研究所出身の人物編集

参考図書編集

脚注編集

関連項目編集

外部リンク編集