アルミード』(仏語:Armide、あるいはAria : Enfin il est en ma puissance)は、1987年(昭和62年)製作・公開のイギリスオムニバス映画アリア』の一篇として、ジャン=リュック・ゴダールが監督した短篇映画である。

アルミード
Armide
監督 ジャン=リュック・ゴダール
脚本 ジャン=リュック・ゴダール
製作 ア・ドン・ボイド・プロダクション
製作総指揮 ドン・ボイド
出演者 マリオン・ピーターソン
ヴァレリー・アラン
音楽 ジャン=バティスト・リュリ
撮影 カロリーヌ・シャンプティエ
編集 ジャン=リュック・ゴダール
配給 日本の旗 松竹富士
公開 西ドイツの旗 1987年9月3日
日本の旗 1987年12月19日
オーストラリアの旗 1988年2月18日
アメリカ合衆国の旗 1988年7月
トルコの旗 1989年9月
上映時間 96分
製作国 イギリスの旗 イギリス
言語 フランス語
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概要

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オムニバス全体についてはアリア (1987年の映画)を参照。
 
アルミードのモデル・キルケー、1891年
 
アンナ・パヴロワのアルミード、1909年

作曲家ジャン=バティスト・リュリが、詩人・俳優のフィリップ・キノーとともにつくった叙情悲劇アルミード』(1686年)をもとに、ゴダールは、ちょうど300年後の1987年当時の現代、この物語をスポーツ・センターを舞台に描いた[1]

リュリの『アルミード』は、もともとイタリアの詩人トルクァート・タッソが1575年に書いた叙事詩『解放されたエルサレム』を下敷きにしている。タッソにおけるアルミーダは魔女で、ムスリムと闘うキリスト教徒の十字軍の騎士たちを誘惑する。タッソは、アルミーダのモデルを、古代ギリシアの詩人ホメーロス紀元前8世紀、叙事詩『オデュッセイア』に描いた魔女キルケーに求めたとされる。

18世紀の舞踏家ジャン=ジョルジュ・ノヴェールにも、『ルノーとアルミード』(ミラノ 1775年 - ロンドン 1782年)という著作があり、作曲家クリストフ・ヴィリバルト・グルックにも『アルミード』(1777年)というオペラ作品がある。ロシアの作曲家ニコライ・チェレプニンはバレエ『アルミードの館』(1908年)を書いており、初演はアンナ・パブロワヴァーツラフ・ニジンスキーである。ジャン・コクトーにも戯曲『ルノーとアルミード』(1943年)がある。

ゴダールによる本作は、2,800年前の魔女キルケーに始まる「アルミード」の歴史を変奏するものである。それと同時に、ジガ・ヴェルトフ集団時代の『勝利まで』(1970年)、アンヌ=マリー・ミエヴィルとの『ヒア & ゼア こことよそ』(1974年 - 1976年)、『レフューズニクたちへの祈り』(2006年)、『ゴダール・ソシアリスム』(2010年)と延々かかわりつづけるパレスチナの問題への1980年代的展開でもある。

スタッフ

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キャスト

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以下ボディビルダー

ストーリー

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1987年、ジャン=バティスト・リュリが叙情悲劇『アルミード』を発表した時代から、ちょうど300年が経過した現代。多くの若者たちが、スポーツ・センターで身体を鍛えている。そこに清掃作業に現れた若い女は、ボディビルダーの一群のなか、筋骨隆々、上腕にタトゥーをした1人の若者に惹かれる。若者は、女がその肉体に触れても、作業着一枚を脱いで全裸になっても、若い女に気づかないのだ。やがて女の心に怒りが沸き起こり、若者の背中にナイフをふりかざす。

関連事項

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  1. ^ キネマ旬報DBサイト内の「アリア」の項の記述を参照。

外部リンク

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