アンティグア・グアテマラ
アンティグア・グアテマラ(Antigua Guatemala)は、グアテマラ・サカテペケス県にある都市。市名は単にアンティグア(Antigua)またはラ・アンティグアとも呼ばれることが多い。同名の基礎自治体の中心地であるとともに、サカテペケス県の県都になっている。
アンティグア・グアテマラ Antigua Guatemala | |
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愛称: Antigua or La Antigua | |
北緯14度34分0秒 西経90度44分0秒 / 北緯14.56667度 西経90.73333度 | |
国 |
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県 | サカテペケス県 |
人口 (2007年) | |
• 合計 | 34,685人 |
等時帯 | UTC-6 (UTC-6) |
ウェブサイト | [1] |
グアテマラ高地に位置し、スペインのムデハル様式の影響を受けたバロック建築と、植民地時代に建てられた多数の教会の遺構で知られている。ユネスコの世界遺産に登録されている。
歴史編集
ラ・アンティグア・グアテマラ(La Antigua Guatemala)とは「古いグアテマラ」を意味し、グアテマラで3番目の首都であった。最初の首都は、1524年7月25日にカクチケルの都の跡地(現在のイシムチェ)に建設された。7月25日が聖ヤコブの記念日であったことから、この都市はシウダ・デ・サンティアーゴ・デ・ロス・カバジェーロス・デ・グアテマラ(グアテマラの騎士たちの聖ヤコブの都市)と名づけられ、聖ヤコブは都市の守護聖人となった。
カクチケルの反乱が数回起きた後、1527年11月22日により適したアロテナンゴ谷 (Alotenango) に首都が移された。現在のサン・ミゲル・エスコバルの場所にあったこの町は、1541年9月11日にアグア火山から噴出した火山泥流により破壊され、植民地政府はパンチョイ谷 (Panchoy) に首都を移した。1543年3月10日、スペイン人コンキスタドールは、現在のアンティグアを建設し、再びサンティアーゴ・デ・ロス・カバジェーロスと名づけた。200年以上の間、スペイン植民地グアテマラ総督府(現在の中央アメリカのほとんどとメキシコ南部のチアパス州を治める)がアンティグアに置かれていた。
1717年9月29日、推定マグニチュード7.4の地震がアンティグアを襲い、3,000以上の建物が崩壊し、町のほとんどの建造物は廃墟となった。この地震被害により政府は首都の移転を考慮するようになった。
さらに1773年のサンタ・マルタ地震によって町の大部分が破壊されたことで、3度目の遷都へと至る。1776年スペイン王は首都を安全な場所に移す命令を下し、現在のシウダ・デ・グアテマラのある場所に首都が移された。新しい首都には古称は用いられず、ヌエバ・グアテマラ・デ・ラ・アスンション(被昇天の新しいグアテマラ)と名づけられ、守護聖人は聖母マリア被昇天とされた。壊滅的な被害を受けた旧首都サンティーアゴ・デ・ロス・カバジェーロスは放棄されたが、すべての市民が転居したわけではなかったので、それ以後町はアンティグア・グアテマラ(古いグアテマラ)と呼ばれるようになった。
世界遺産編集
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ラ・メルセー教会 | |||
英名 | Antigua Guatemala | ||
仏名 | Antigua Guatemala | ||
登録区分 | 文化遺産 | ||
登録基準 | (2),(3),(4) | ||
登録年 | 1979年 | ||
公式サイト | 世界遺産センター(英語) | ||
使用方法・表示 |
1979年、ユネスコは、アンティグア・グアテマラを世界遺産に登録した。現在、アンティグア・グアテマラには、以下のような物件が文化遺産として残る。
- カプチナス教会・修道院(es) - 1736年に建設された教会、修道院
- アンティグア・グアテマラ大聖堂(en) - 正式名称サンホセ大聖堂。1541年に建設され、1773年の大地震のあとに再建された。
- ラ・メルセー教会(en) - 1751年建設。1855年に再建された。
- サン・フランシンコ教会(en)- 1541年に建設された教会。
- サント・ドミンゴ修道院跡(en) - 1773年の地震の後には、廃墟として放置されている。現在は、一部がホテルとなっている。
- エルマーノ・ペドロ病院(en) - 1663年、ドミニコ会修道院の手によって建設された病院。
世界遺産登録基準編集
この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。
- (2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
- (3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
- (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
復活祭編集
復活祭の一週間前に行われるセマナサンタ(聖週間)の中でも、とりわけアンティグアのセマナサンタは、キリストが通った絨毯を街中でありふれた材料で再現して飾り付けることから多くの観光客を集め、世界一美しい祭りとも呼ばれている[1]。
姉妹都市編集
脚注編集
- ^ ““世界一美しい祭り”グアテマラのセマナサンタ(聖週間)”. GetNavi (2019年10月31日). 2019年11月19日閲覧。
- ^ List of sister cities in Guatemala from Sister Cities International