アンドロメダ座ガンマ星

アンドロメダ座γ星は、アンドロメダ座恒星で2等星。

アンドロメダ座γ星[1]
Gamma Andromedae
星座 アンドロメダ座
見かけの等級 (mv) 2.10[1]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  02h 03m 53.95229s[1]
赤緯 (Dec, δ) +42° 19′ 47.0223″[1]
赤方偏移 -0.000038[1]
視線速度 (Rv) -11.50 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: 42.32 ミリ秒/年[1]
赤緯: -49.30 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 8.30 ± 1.04ミリ秒[1]
(誤差12.5%)
距離 約 390 光年[注 1]
(約 120 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) -3.3[注 2]
物理的性質
スペクトル分類 K3II+B9.5V+A0V[1]
他のカタログでの名称
BD +41 395[1]
HIP 9640[1]
Template (ノート 解説) ■Project
アンドロメダ座γ1[2]
仮符号・別名 アンドロメダ座γ星A[2]
アルマク[3], Almach[4][5]
見かけの等級 (mv) 2.10[2]
位置
元期:J2000.0[2]
赤経 (RA, α)  02h 03m 53.9531s[2]
赤緯 (Dec, δ) +42° 19′ 47.009″[2]
赤方偏移 -0.000039[2]
視線速度 (Rv) -11.7km/s[2]
固有運動 (μ) 赤経: 43.08 ミリ秒/年[2]
赤緯: -50.85 ミリ秒/年[2]
年周視差 (π) 9.19 ± 0.73ミリ秒[2]
(誤差7.9%)
距離 350 ± 30 光年[注 1]
(109 ± 9 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) -3.1[注 2]
物理的性質
半径 80太陽半径
質量 23.7太陽質量
スペクトル分類 K3IIb [2]
色指数 (B-V) +1.37[6]
色指数 (U-B) +1.58[6]
他のカタログでの名称
アルマク
アンドロメダ座57番星A[2]
FK5 73[2], HD 12533[2]
HR 603[2], SAO 37734[2]
Template (ノート 解説) ■Project
アンドロメダ座γ2[7]
仮符号・別名 アンドロメダ座γ星B[7]
見かけの等級 (mv) 5.82[7]
位置
元期:J2000.0[7]
赤経 (RA, α)  02h 03m 54.720s[7]
赤緯 (Dec, δ) +42° 19′ 51.41″[7]
赤方偏移 -0.000047[7]
視線速度 (Rv) -14km/s[7]
固有運動 (μ) 赤経: 43.1 ミリ秒/年[7]
赤緯: -50.8 ミリ秒/年[7]
物理的性質
スペクトル分類 B8V+A0V [7]
色指数 (B-V) +0.03[6]
色指数 (U-B) -0.12[6]
他のカタログでの名称
HD 12534[7]
HR 604[7]
SAO 37735[7]
Template (ノート 解説) ■Project

概要

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地球からはα星β星とほぼ同じ明るさに見える。肉眼では分離することができないが、天体望遠鏡を使えば、美しい二重星として見ることができる。2等星の主星γ1星から10.0秒離れたところに5等星のγ2星が輝いている。ウィリアム・ヘンリー・スミスはこの二重星を「オレンジとエメラルドグリーン」と評している[8]。γ2星は5等星と6等星の連星で、平均距離33au、近点距離13au、遠点距離52auの長楕円軌道を63.7年の周期で公転しているとされる[8]。さらにこの5等星も2.7日周期で周回する分光連星で、γ2星全体として三重連星となっている[8]

名称

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学名はγ Andromedae(略称はγ And)。固有名アルマク(Almach)の語源は、本来、アラビア語でヤマネコの一種である「カラカル」を意味する「アナーク・アル=アルド」( عَناق الأرض ‘Anāq al-Arḍ)と呼ばれていたものが縮んだ、「アル=アナーク」( العناق al-‘Anāq)に由来するものと考えられている[4][9]ルネサンス時代にラテン語へ翻訳された際に、alamac と転写された[4]。アラビア語で「靴、編み上げブーツ」を意味する「アル=マーク」(al-māq:意味として厳密にはal-mūqが正しい)から転写されたものだが、これはラテン語に翻訳された際に、恒星をアンドロメダに見立てて、誤って「アル=アナーク」よりも位置的に(アンドロメダ座の左足に当たるため)「靴」を意味する「アル=マーク」のほうが適切だろうと解釈された結果と考えられる[4]。このため、ラテン語文献以降、Almaak や Alamak から後には Almach へ変化したと思われる[4]

2016年7月20日に国際天文学連合の恒星の命名に関するワーキンググループ (Working Group on Star Names, WGSN) は、Almach をアンドロメダ座γ1星の固有名として正式に承認した[5]

10世紀の天文学者アブドゥッラフマーン・アッ=スーフィーの『星座の書』によると、一部のアラブの言い伝えでは上記の「カラカル」(アナーク・アル=アルド)以外に、「グールの頭」(Ra's al-ghūl)とも呼ばれていたと述べている。

脚注

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注釈

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  1. ^ a b c d パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ a b 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m SIMBAD Astronomical Database”. Results for gam And. 2016年11月5日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q SIMBAD Astronomical Database”. Results for gam01 And. 2016年11月5日閲覧。
  3. ^ 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、199頁。ISBN 978-4-7699-0825-8 
  4. ^ a b c d e Paul Kunitzsch; Tim Smart (2006). A Dictionary of Modern star Names: A Short Guide to 254 Star Names and Their Derivations. Sky Pub. Corp.. pp. 15-16. ISBN 978-1-931559-44-7 
  5. ^ a b IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2016年11月5日閲覧。
  6. ^ a b c d 輝星星表第5版
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n SIMBAD Astronomical Database”. Results for gam02 And. 2016年11月5日閲覧。
  8. ^ a b c Jim Kaler. “Almach”. STARS. 2016年11月5日閲覧。
  9. ^ 近藤二郎 (2012). 星の名前のはじまり. 誠文堂新光社. p. 140. ISBN 978-4-416-21283-7 


関連項目

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