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アンドンクラゲ(行灯水母、行灯海月、学名 Carybdea brevipedalia )は、箱虫綱に属するクラゲの一種。本種の学名はCarybdea rastoni とされていたが、2010年の分子系統解析によって日本近海に分布する個体は別種であることが分かり、シノニムとされていた Carybdea brevipedalia に復帰された[3]

アンドンクラゲ
新江ノ島水族館にて(現在は終了している)
分類
: 動物界 Animalia
: 刺胞動物門 Cnidaria
: 箱虫綱 Cubozoa
: アンドンクラゲ目 Carybdeida
: アンドンクラゲ科 Carybdeidae
: アンドンクラゲ属 Carybdea
: アンドンクラゲ C. brevipedalia
学名
Carybdea brevipedalia Kishinouye1891[1][2]

特徴編集

名前の通り行灯を思わせるような体長3-3.5cmほどの立方型の傘を持ち、その下に長さ20cm程の鞭状をした触手を4本伸ばしている暖海性の立方クラゲである。

クラゲの中では強い遊泳力を持っており、黒潮に乗って日本近海に北上し、北海道付近にまで達する。日本近海での発生期は6-8月となり、その時期であるお盆の頃と、行燈に因んで名前が付いたとも言われる。

その遊泳力と強烈な刺胞毒で、小魚を捕食する。

人への害編集

本種はカツオノエボシと共に電気クラゲと呼ばれて嫌われている種である。人が刺されると激痛を感じ、患部はミミズ腫れのようになる。殆どの場合において大事には至らないが、その痛みの強さから、一度でも刺されると印象に残りやすい。体が透明で海水に透けて非常に見えにくいため、気づいた時には刺されているというケースも多く、海水浴やダイビングでの要注意動物とされている。本種が群れを成して押し寄せた場合、海水浴場が閉鎖される事もある。

お盆以降の海水浴を避けた方が良いと言われる理由の一つとして、本種の存在が挙げられる。

九州地方では本種を「イラ」と呼ぶことがある。これは人を刺して痛い思いをさせる本種を植物になぞらえた呼び名である。

また、神奈川県の地域では「イセラ」と呼ばれることもある。

近縁種編集

沖縄に生息するハブクラゲや、オーストラリア北部に生息し「殺人クラゲ」として恐れられているオーストラリアウンバチクラゲなどが知られる。

対処法編集

もし刺されてしまった場合は、速やかに陸へ上がり、海水をかけるもしくは近くにあるボードやタオルを用いて触手を取り除く。その後、患部を冷やす。刺されたのがカツオノエボシではないことを確認できた場合は、刺傷箇所に食用をかけて洗う[4]。酢には本種の刺胞の発射を抑制する効果がある。ただし、酢は全ての刺胞動物に対して有効という訳ではなく、カツオノエボシウンバチイソギンチャクなどの場合、刺胞の発射が促され、刺傷被害を悪化させてしまうため注意が必要である。

脚注編集

  1. ^ "Carybdea brevipedalia". World Register of Marine Species英語版. Retrieved 2014-11-29.
  2. ^ 三宅裕志ドゥーグル・J.リンズィー 『最新クラゲ図鑑: 110種のクラゲの不思議な生態』 誠文堂新光社、2013年、60頁。ISBN-13: 978-4416613542
  3. ^ Bentlage, Bastian, et al. (2010). “Evolution of box jellyfish (Cnidaria: Cubozoa), a group of highly toxic invertebrates”. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences. doi:10.1098/rspb.2009.1707. 
  4. ^ クラゲに刺されたら...応急処置、治療法は?ハブクラゲ、アンドンクラゲ、カツオノエボシなど種類で違う - MEDLEY(メドレー)