エイブ・ア・ゴーゴー』とは1997年12月11日にゲームバンク(現ソフトバンク)から発売されたプレイステーション専用ソフト。Oddworldシリーズの1作目。 1999年に続編としてエイブ'99が発売されており、PS5で続編の発売が予定されている。

エイブ・ア・ゴーゴー
ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション[PS]
ゲームアーカイブス[GA]
開発元 Oddworld Inhabitants
発売元 ゲームバンク(日本)、GT Interactive(北米)
人数 1人
メディア CD-ROM
発売日 [PS]日本の旗1997年12月11日
[GA]日本の旗2013年11月13日
対象年齢 CEROC(15才以上対象)
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概要 編集

マドカン族の主人公エイブが「チャント」という魔法を使いながら悪の組織と戦い、奴隷にされている仲間を助けだす横スクロールアドベンチャー。

海外では1997年9月19日に先行発売されている。

当時としては高水準のグラフィックと大迫力のサウンド、緊張感のある自然音響でコアなユーザーからは絶大な人気を呼んだが、売上はあまり良くなかった。後述の通り秋元康指揮のもと大々的な宣伝活動を展開したが、ことごとく空回りに終わっている。当時ソフトバンクは本作に4億円といわれるほどの破格の宣伝費を費やしていた。

日本版ではいくつかの表現規制が行われている。日本におけるゲームアーカイブスでの配信は絶望的だと思われていたが、2013年11月13日に配信された。

2014年、リメイクされることが明らかになった。

登場人物 編集

エイブ
声 - 山寺宏一堀内賢雄(エイブ'99)※ただし加工されているため、判別できない
本作品の主人公、爬虫類と人間が混じったような姿をしている。衣服は短パンのみ。
ラプチャーファームで働いているマドカン族の中で唯一、「チャント」という超能力を使える。
プリンスオブペルシャの主人公の如く、オッドワールドを上り下りしながら駆け回る。
スリッグ
声 - 不明→斎藤志郎(エイブ'99)※無印版は加工ボイス
下半身が機械化されたラプチャーファームの警備員。荒くれ者で怠け者でサディストと三拍子揃った最悪な兵隊。
持っている機関銃で動くものを見境無く撃ってしまう。エイブを見つけると「止まれ!」と言いながら即射殺しようとする。
エイブの「チャント」で操る事が出来る。視力を補うバイザーの赤い光がよく目立つ。
スロッグ
ラプチャーファームの番犬。スリッグにいつもいじめられているため絶えずイライラしている。
しかし、スリッグと同じ怠け者で寝ている事が多い。エイブを見つけるとすばやく襲い掛かってくる。
工場内にある小屋には何十匹とスリッグが潜んでおり、何かの拍子で一斉に飛び出してくることも。
パラマイト
古代マドカン族の間では、神獣として神聖視されている原生動物。
頭部に獲物を捕らえるための6本の関節触手を持ち、前足が後ろ足より発達してるのが特徴。
単体で行動している分には問題ないが、追い詰めたり、二匹になると本来の凶暴性が現れ、エイブに襲い掛かってくる。
フルーツに目が無く、投げると凶暴な状態でも一目散に喰らいつく。
現在はラプチャーファームのパイの原料として乱獲され、その数は少なくなっている。
スクラブ
パラマイト同様、古代マドカン族から神獣として神聖視されている原生動物。
人間のような胴体に四本の足、鎌のような巨大な下顎が特徴。
非常に縄張り意識が強く、好戦的で常に単体で行動し、同じ場所に二匹以上居るとどちらかが死ぬまで殺しあう。それは他の動物も同様で、エイブが近寄ると襲い掛かってくる。
パラマイト同様ケーキの材料として乱獲され、数は激減している。
エラム
マドカン族の足、ペット兼家畜として利用されている比較的おとなしい動物。
外見を形容するならば横に平べったくなった頭部に前足が小さく二足歩行となったヒトコブラクダ。走り方やジャンプはダチョウを髣髴とさせる。
背中に乗ることにより、発達した後足でエイブより遠くまで跳ぶことが出来る。
基本的に言う事は聞くが、ハチミツが大好物のため、見つけると無我夢中で食べ出して動かなくなる。しかし、蜂の巣の周りに居るハチは嫌い。
モラック
声 - 宝亀克寿
惑星オッドワールドを侵略したグラッコン族の親玉。
ラプチャーファームで栄養食品を作り、販売している。マントのようなスーツで身を包んでいるが、その中は貧相な足だけしかない。
自社製品の売上の低下が著しいため、新商品にマドカン族の頭で作られたアイスを開発しようと企む。
マドカン族長老
声 - 松尾銀三秋元羊介(エイブ'99)※無印版は一部加工ボイス
ネイティブマドカンから崇められているマドカン族の長老。大きな仮面を付けている。古代マドカン族に伝わる救世主がエイブだと直感し、様々な助言、試練と超能力を与える。
ネイティブマドカン
工場で働いているマドカンとは違い、古代からの生活を守り、チャントの力を持つ者はモンサイクで瞑想修行を続けている。エイブに力を貸してくれたり助言をしてくれる者も多数居る。
彼らの信頼を得るためには工場のマドカン族を一人でも多く助けなければならない。

ステージ 編集

ラプチャーファーム
エイブが最初に進むステージ。世界的に有名な栄養食品工場であり、多くのマドカン族の住民が働いている。
クラッシュマシーン、爆弾といった機械類が多く登場している。スリッグという怪物が初登場。
ストックヤード
ラプチャーファームを脱出すると次に進むステージ。真っ暗で視覚が悪く、知らぬ間に殺されることが多い。隠し通路がある。
モンサイク
マドカン族が多く住みつく場所。
渦のような丸い巨石が幾つも点在し、蔦のような巨木が生い茂っているのが特徴。自然に出来たのか人の手によるものなのか、パラマイトとスクラブの巨大な石像もある。
パラモニアとスクラバニアへ行く前にここでエイブは新たなアクションを修得する。
行く手を遮るマドカンが吹く口笛を正確に真似ると通る事が出来る、口笛パスワード。(無理矢理通ろうとすると持っているパチンコで容赦なく殺される)
飛び込む事で新たな場所へ吹っ飛ばしてくれるビックリ穴。
石版に手をかざしメロディを覚える。覚えたメロディをチャイムで鳴らす事により扉が開く。(口笛パスワードを教えてくれる石版も幾つか存在する)
これらのアクションは両方の試練で必ず使うことになる。
パラモニア
オッドワールド豊穣の地。ヨセミテ国立公園を一層ひっそりとさせたような場所。
マドカン族の仲間も居るが、パラマイト捕獲のためかスリッグもうろついている。エラムに乗りつつ、パラモニア神殿を目指す。
パラモニアへ入るとエイブはパラマイトがまだ数多く生息していた頃の幻を見る。パラマイトもモラックによって運命を変えられたかわいそうな生き物だった事を知る。
パラモニアの寺
パラモニアにあるマドカン族の神殿。木を幾つも寄せ集めて作った巨大な建造物。
グラッコン族に支配されてからはシンボルの火も消え、中は荒れ放題。パラマイトがうようよ生息している危険な場所になってしまった。
エイブに課せられた試練は、6つある部屋全てに入り、シンボルの火を再びともす事。
途中、マドカンの口笛パスワードに答えるとスピリットリングの力を与えてもらえる。これは、チャントの要領で使うと赤いリング状の波動が広がり、画面内に設置された邪魔な爆弾を全て爆破出来る。
ただし一回の使いきりなので使ったらまたパスワードに答えて再び力を与えてもらう必要がある。
6つ全ての火をともすと、中央の大扉が開いて最後の試練に向かう。
パラモニアの神域
パラモニア神殿最後のステージ。ほぼ全てのステージにパラマイトが沸いており、ここからノンストップで出口まで走らなければならない。スタート地点の隣に大穴が存在しており、そこからステージの全景を見渡すことが出来る。
スクラバニア
オッドワールド最大の砂漠地帯。年中灼熱の地域だが、エラムやコウモリ、ミツバチ等、僅かながら生物も存在している。
スクラブ捕獲のためにスリッグがあちこちに出没しており、さらに凶暴なスロッグも終盤にうろついている。エラムに乗りつつ、スクラバニア神殿を目指す。
パラモニアと同様、エイブはスクラブがまだ数多く生息していた頃の幻を見る。スクラブもまたモラックによって運命を変えられたかわいそうな生き物だった事を知る。
スクラバニアの寺
スクラバニアにあるマドカン族の神殿。石材で作り上げた古代遺跡のような建造物。神殿の外側にはスクラブを催した石造が並んでいる。
パラモニア神殿と同様、グラッコン族によって支配され、スクラブがうようよ生息している。
8つある部屋に入り、全てのシンボルの火を再びともすと、中央の大扉が開いて最後の試練に向かう。
スクラバニアの神域
スクラバニア神殿最後のステージ。やはり殆どのステージでスクラブがうろついている。この神域をクリアすることで長老からスクラバニアの紋章を付けてもらい、シュリクールの魔力を手に入れる事が出来る。
ストックヤード帰還
ステージの構造はストックヤードと同じだが、トラップや敵の配置が異なっている。一度出てしまうとモンサイクに戻ることは出来ない。
ここから仲間を助けるためにエイブは再びラプチャーファームに戻る。
ラプチャーファーム2・1 ~ 2・4
ステージはラプチャーファームと同様だが、トラップや敵の配置が異なっている。スロッグが大量に出てくるエリアや上から突然現れるスリッグ等、凶悪なトラップが多数存在し、難易度は最高レベル。シュリクールの魔力や爆弾などを駆使して重役会議室へ向かう。
重役会議室
最後のステージ。グラッコン族の役員やモラックが集まり、ここで商品やマドカン族の社員について会議を行う。エイブはこの会議室でマドカン族を利用した新商品を知ってしまい、それがきっかけで仲間たちを全員脱出させるために奮闘するのであった。
2分の制限時間が付けられており、これを過ぎると毒ガスが噴出され、エイブは死亡してしまう。毒ガスが噴出する前に最後の仲間を救助してシュリクールの魔力を入手し、会議室で役員やスリッグ達を倒して解除スイッチを押さなければならない。

テーマソング 編集

日本語版では秋元康が総合プロデューサーとして起用されており、秋元プロデュースのユニット「B/V」によるテーマソング「Hello Hello 〜ABEのテーマ〜」とテレビCMが制作された。日本語版ゲームではエンディングクレジット曲にインストゥルメンタル版が使用されている。

ソフトバンクは秋元康を招聘し、総額4億円を費やしたといわれている大々的な宣伝を行ったが、日本では余りにも癖が強く好き嫌いの分かれるゲーム内容を公開しない宣伝戦略により失敗に終わった。

CD『Hello Hello』B/V〔bi:bui〕
ソニーレコーズ/SRDL-4463/1997年12月発売
  1. Hello Hello 〜ABEのテーマ〜(作詞:秋元康 作曲・編曲:後藤次利
  2. タンポポのシーズン(作詞:秋元康 作曲・編曲:後藤次利)
  3. Hello Hello 〜ABEのテーマ〜 TV Mix(作詞:秋元康 作曲・編曲:後藤次利)
  4. Hello Hello 〜ABEのテーマ〜 CLUB Mix(作詞:秋元康 作曲・編曲:後藤次利)

外部リンク 編集