エリアフ・インバル

イスラエルの指揮者

エリアフ・インバルEliahu Inbal, 1936年2月16日 - )は、イスラエル指揮者。インバルという姓は芸名であり、本名はエリアフ・ヨーゼフという。

エリアフ・インバル
Eliahu Inbal
エリアフ・インバル(2009年)
基本情報
出生名 エリアフ・ヨーゼフ
生誕 (1936-02-16) 1936年2月16日(88歳)
イギリス委任統治領パレスチナの旗 イギリス委任統治領パレスチナ エルサレム
出身地 イスラエルの旗 イスラエル エルサレム
学歴 パリ音楽院
ジャンル クラシック音楽
職業 指揮者
音楽監督

人物・来歴 編集

エルサレム音楽院でヴァイオリンと作曲を学んだ後、レナード・バーンスタインの推薦によりパリ音楽院で学んだ。[1] 1963年カンテルリ指揮者コンクールで優勝し、本格的な指揮活動を始めた。イギリスの市民権を取得している。

1974年から1990年までフランクフルト放送交響楽団の音楽監督を務め、黄金時代を築いた。その後、ベルリン交響楽団(現ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団)の音楽監督(2001年2006年)、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者(2009年2012年)を歴任した。

日本では、1970年代以降、読売日本交響楽団日本フィルハーモニー交響楽団NHK交響楽団に客演した。特に東京都交響楽団とは強い結びつきを保ち、1991年の初登壇後、特別客演指揮者(1995年2000年)、プリンシパル・コンダクター(2008年2014年)を務め、2014年4月に桂冠指揮者に就任した。

2019年8月に台北市立交響楽団の首席指揮者に就任した[2][3]

レパートリー 編集

古典から近現代に至るまで膨大なレパートリーを持つが、特にマーラーブルックナーショスタコーヴィチ交響曲を得意としている。

マーラーでは、フランクフルト放送交響楽団を指揮した交響曲全集が特に有名である。東京都交響楽団とは、特別客演指揮者時代、プリンシパル・コンダクター時代のそれぞれで一度ずつマーラーの全交響曲演奏を達成している[4]

ブルックナーでは、フランクフルト放送交響楽団を指揮して交響曲全集を完成させた。同全集は交響曲ヘ短調第0番第9番の復元終楽章、序曲ト短調を含み、さらに、第3番第4番第8番では、第1稿による世界初録音を行った。

ショスタコーヴィチでは、ウィーン交響楽団を指揮して交響曲全集を完成させた。また、東京都交響楽団を指揮した交響曲第4番の録音は第50回レコード・アカデミー大賞[5]および第25回ミュージック・ペンクラブ音楽賞[6]を受賞した。

その他、ベルリオーズの一連の管弦楽作品なども録音している。

脚注 編集

注釈・出典 編集

  1. ^ エリアフ・インバル”. ジャパン・アーツ. 2020年11月12日閲覧。
  2. ^ 殷巴爾接北市交指揮 新樂季演出馬勒全集”. 中央通訊社. 2020年11月12日閲覧。
  3. ^ 我らがマエストロ、エリアフ・インバルが2019年8月に、台北市立交響楽団の首席指揮者に就任”. 東京都交響楽団Twitter. 2020年11月12日閲覧。
  4. ^ 後者の演奏はオクタヴィア・レコードよりライヴCDとして発売されている。
  5. ^ 音楽之友社 レコード・アカデミー賞歴代受賞盤③”. 音楽之友社. 2024年2月12日閲覧。
  6. ^ ミュージック・ペンクラブ音楽賞受賞作”. www.musicpenclub.com. 2024年2月12日閲覧。

外部リンク 編集

先代
ディーン・ディクソン
フランクフルト放送交響楽団
音楽監督
1974 - 1990
次代
ドミトリー・キタエンコ
先代
ペーター・マーク
フェニーチェ劇場
首席指揮者
1985 - 1988
次代
マルチェッロ・ヴィオッティ
先代
ミヒャエル・シェーンバント
ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団
首席指揮者
2001 - 2006
次代
ローター・ツァグロセク
先代
マルチェッロ・ヴィオッティ
フェニーチェ劇場
音楽監督
2007 - 2011
次代
ディエゴ・マテウス
先代
ジェームズ・デプリースト
(常任指揮者)
東京都交響楽団
プリンシパル・コンダクター
2008 - 2014
次代
大野和士
(音楽監督)