カール=ヴィルヘルム・フォン・シュリーベン

カール=ヴィルヘルム・フォン・シュリーベン(Karl-Wilhelm von Schlieben, 1894年10月30日 - 1964年6月18日)は、ドイツの軍人。騎士鉄十字章受章者。最終階級は中将。

シェルブール解放を伝える連合国軍の伝単。右の写真がフォン・シュリーベン将軍である。
ヘネッケ英語版提督(左)と共に連合国軍に投降したフォン・シュリーベン将軍(中央)。背を向けている人物は米陸軍のコリンズ将軍。(1945年、シェルブール

経歴 編集

ドイツ帝国 編集

1894年、アイゼナハにて生を受ける。父ヴィルヘルム・フォン・シュリーベン少佐はプロイセン陸軍第83予備歩兵連隊の連隊長だったが、第一次世界大戦勃発直後に戦死している。カール=ヴィルヘルム・フォン・シュリーベンは父の死を受けて陸軍に志願入隊した。1914年8月11日、候補生(Fahnenjunker)として第3近衛歩兵連隊ドイツ語版に配属される。1915年1月9日に士官候補生(Fähnrich)、同年3月3日に少尉へと昇進し、秋頃から中隊長として勤務する。その後は隊付副官(Adjutant)や将官付副官(Ordonnanzoffizier)などの役職を務める。1914年と1916年には前線で負傷している。1917年1月27日、第3近衛歩兵連隊にて大隊付副官に任命される。1918年春、第60軍団(Generalkommando 60)の司令官付副官に任命される。

ヴァイマル共和国 編集

敗戦後の1919年1月1日、予備大隊(Reservebataillon)に所属を移す。同年10月1日、ヴァイマル共和国軍の第29連隊(Reichswehrregiment 29)に配属される。1921年10月1日、第9(プロイセン)歩兵連隊ドイツ語版第2大隊付副官に任命される。1924年、ブレスラウに駐屯していた第7(プロイセン)軽歩兵連隊(7. (Preußisches) Reiter-Regiment)に配属される[1]。1925年4月1日、中尉に昇進。1929年4月1日、グリンマドイツ語版に駐屯していた第12(ザクセン)軽歩兵連隊(12. (Sächsisches) Reiter-Regiments)の第3騎兵中隊(3. Eskadron)の指揮官となる。同年10月1日、騎兵大尉(Rittmeister)に昇進。

ナチス・ドイツ 編集

第二次世界大戦勃発まで、シュリーベンはいくつかの連隊で参謀付副官などの役職を務めた。1938年までに中佐に昇進している。

開戦時、シュリーベンは第13軍団(XIII Armeekorps)の副司令官付副官を務めていた。1940年8月15日、第108防護連隊(Schützenregiments 108)の連隊長に就任し、1941年8月1日には大佐に昇進している。1942年7月20日、第4防護旅団(4. Schützen-Brigade)の旅団長となり、1943年2月1日から第208歩兵師団ドイツ語版の師団長となる。同年3月17日、東部戦線における戦功から騎士鉄十字章を受章。同年4月1日、第18装甲師団ドイツ語版の師団長に就任。同年5月1日、少将に昇進。同年12月12日、第709歩兵師団の師団長に就任。1944年5月1日、中将に昇進。同年6月23日、シェルブール要塞の司令官に就任。それから3日後の6月26日夜、シュリーベンは司令部での協議を経て要塞の降伏を決断した。シュリーベンは海軍側のノルマンディー防衛司令官ヴァルター・ヘネッケ英語版海軍少将と共に、マントン・エディ少将指揮下の米第9歩兵師団に対して投降した。また、シュリーベンらと共にサン・ソヴェー(St. Sauveur)の地下壕に残っていた800名以上の将兵も投降している。その後、セルヴィニー(Servigny)の古城に設置されていたジョーゼフ・ロートン・コリンズ米陸軍少将の司令部において公的な降伏式典が行われた。

 
トレントパーク収容所で撮影されたドイツの将軍たち。前列中央がシュリーベン。(1944年11月)

その後 編集

当初、シュリーベンはアメリカ軍管理下の捕虜収容所に収容されていたが、1944年7月1日にイギリスの将官収容所であったトレントパークドイツ語版収容所に移された。1945年8月9日、アイランド・ファームドイツ語版収容所に移される。1947年10月7日、釈放の後にドイツへと送還された。1964年6月18日、西ドイツギーセンにて死去。

受章 編集

脚注 編集

  1. ^ vgl. die Episode bei Rudolph-Christoph Freiherr von Gersdorff, Soldat im Untergang, Frankfurt/M. u.a.: Ullstein 1979, S. 39.
  2. ^ a b c Rangliste des Deutschen Reichsheeres, Hrsg.: Reichswehrministerium, Mittler & Sohn Verlag, Berlin 1930, S. 152
  3. ^ a b Veit Scherzer: Die Ritterkreuzträger 1939–1945, Scherzers Militaer-Verlag, Ranis/Jena 2007, ISBN 978-3-938845-17-2, S. 665

参考文献 編集

  • Sönke Neitzel: Abgehört - Deutsche Generäle in britischer Kriegsgefangenschaft 1942–1945, Propyläen 2005, ISBN 3-549-07261-9

外部リンク 編集