ガクウツギ

アジサイ科の植物の一種

ガクウツギ(額空木[3]学名: Hydrangea scandens)は、関東地方以南に見られる日本原産のアジサイ科[注 1]アジサイ属落葉低木。名前にウツギ(空木)の名前が入っているがアジサイのなかまの一種[4]で、アジサイのように萼片が大きくなるが3つの萼片の大きさが異なるのが特徴[5]

ガクウツギ
Hydrangea_scandens
Hydrangea_scandens
分類APG植物分類体系
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Magnoliophyta
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし : キク類 Asterids
: ミズキ目 Cornales
: アジサイ科 Hydrangeaceae
: アジサイ属 Hydrangea
: ガクウツギ H. scandens
学名
Hydrangea scandens (L.f.) Ser. (1830)[1]
シノニム
和名
ガクウツギ、コンテリギ

特徴 編集

和名「ガクウツギ」の由来は、樹形がウツギに似ており、花序に装飾花をつけることから名づけられている[3]。日当たりのよいところでは、ときに紺色をおびて金属的な光沢を生じることから「コンテリギ(紺照木)」の別名もある[6]

日本の本州関東地方以南から九州にかけて分布する[3]。山地の沢沿いなどに生える[3]

高さは1.5メートル (m) ほどで、分枝して叢生することが多い[3]樹皮は淡褐色で、浅く縦にはがれる[3]は4 - 7センチメートル (cm) の長さで、縁は浅い鋸歯があり、先端はとがっている。

花期は5月から6月。散房花序は直径7 - 10 ㎝。装飾花は直径2.5 - 3 ㎝、萼片は3個、大きさが違い、白色、ときに淡黄色を帯びる[7]

冬芽は、毛が生えている膜質で薄い芽鱗に包まれているが、枝先につく頂芽の外側の芽鱗は落ちやすい[3]側芽は枝に対生する[3]。葉痕は心形や三角形で、維管束痕が3個つく[3]

Hydrangea petiolarisのシノニムで、Hydrangea anomalaの亜種と見なされることもある[8]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 最新の植物分類体系であるAPG体系や、それ以前のクロンキスト体系ではアジサイ科(Hydrangeaceae)であるが、古い新エングラー体系ではユキノシタ科(Saxifragaceae)に分類されている[1]

出典 編集

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Hydrangea scandens (L.f.) Ser. ガクウツギ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年3月23日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Hortensia scandens (L.f.) H.Ohba et S.Akiyama ガクウツギ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年3月23日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 88
  4. ^ Ohwi, Jisaburo (1965). Flora of Japan. Smithsonian Institution. p. 512 
  5. ^ Hydrangea scandens ,Flower and Garden in Japan and more…
  6. ^ ガクウツギ , 高尾山の宝物たち _ TAKAO 599 MUSEUM
  7. ^ ガクウツギ _ , Flora of Mikawa
  8. ^ Tropicos.org”. 2014年4月4日閲覧。

参考文献 編集

  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、88頁。ISBN 978-4-416-61438-9 

関連項目 編集