キンタルキンタール(quintal)は、かつて使われていた質量単位である。国によって定義が異なるが、ほとんどの場合、基本となる単位(ポンドキログラム 等)の100倍として定義されているが、いくつかの国では100倍から変化している。

キンタル
quintal
質量
SI 45.36 kg、50.84 kg、100 kg 等
由来 質量の基本単位の100倍
語源 ラテン語 centenarius (100)
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名称

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centner(:ツェントネル、:セントナー)とも言う。また一部の国地域ではキンタルの4分の1に値する単位をアローバとして用いられている。

どちらも、ラテン語で100を意味する centenarius を語源とする。centenarius が quintal になるまでには、複雑な経過を辿っている。

まず後期ラテン語で centenarium pondus、後期ギリシャ語で kentenarion、アラビア語で qintar、中世ラテン語で quintale と変化し、最後に古フランス語で quintal となった。centner は centenarius をそのままドイツ語化したものである。

アラブ社会では、現在でもキンタル(qintar)が使われている。キンタルという単位は、アラブの貿易商によってヨーロッパに再輸入されたものである。

ヨーロッパ諸国の多くでは、古代ローマの質量の単位リーブラ(ローマポンド)を受け継いでおり、質量の基本単位は 500 g 前後である(たとえばイギリスでは1ポンド ≒ 454 g)。そのため、1キンタルは 50 kg 前後である。

英語圏ではquintalもcentnerもハンドレッドウェイトの別名とされている。ハンドレッドウェイトは、当初は100ポンド ≒ 45.36 kg である。ただし、後にイギリスでは112ポンド ≒ 50.84 kg に変更された。

フランスでは、100リーブル(フランスポンド) ≒ 48.95 kg だった。ただし、メートル法施行後に 100 kgに改められた。

スペインでは 100リーブラ(スペインポンド) ≒ 46.10 kgである。ポルトガルでは128リーブラ(ポルトガルポンド) ≒ 58.75 kg だった。

メトリック・キンタル

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メトリック・キンタル (英語 metric quintal) またはキンタル・メトリコ (スペイン語 quintal metrico) は、100キログラムと定義されている。すなわち10分の1トンである。ただしこの単位はSI単位ではない。

フランスでメートル法の導入に伴い制定された。アメリカ合衆国では1866年に公式に採用され、穀物の計量など一部で使われるものの、一般には100ポンドのキンタルが使われる。

ドイツ、アラブ諸国などは、伝統的なキンタルに近い50キログラムをメトリック・キンタルとしている。

各国のキンタル

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kg[1] 定義
045.36 100ポンド   アメリカ合衆国
045.94 100リーブラ   アルゼンチン   ウルグアイ   パラグアイ
046.00 100リーブラ   ボリビア
046.025 100リーブラ   メキシコ
046.10 100リーブラ   スペイン   チリ   ペルー
048.95 100リーヴル   フランス(革命前)
050   コロンビア
050.75   モロッコ
050.84 112ポンド   イギリス
058.75 128リーブラ   ポルトガル
058.76 128リーブラ   ブラジル
100   フランス

出典

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  1. ^ イベリアと中南米は 二村隆夫監修『単位の辞典』丸善