国際単位系

国際的に定めた単位系

国際単位系(こくさいたんいけい、: Système International d'unités: International System of Units、略称:SI)は、メートル法の後継として国際的に定められ、世界中で広く使用されている単位系である。

国際単位系 (SI) は、メートル条約に基づきメートル法のなかで広く使用されていたMKS単位系(長さの単位にメートル m、質量の単位にキログラム kg、時間の単位に s を用い、この 3 つの単位の組み合わせでいろいろな量の単位を表現していたもの)を拡張したものである。1948年の第9回国際度量衡総会 (CGPM) で設立が決定され、1960年の第11回国際度量衡総会 (CGPM) でその包括的な規定が確立された[1][2]

国際単位系(SI)は、よく「一貫性のある単位系」と呼ばれることがあるが、その規定(SI併用単位を除く。)による単位の組み合わせが全て一貫性があるわけではない(後述)。

なお、国際単位系 (SI) はメートル法が発展したものであるが、メートル法系の単位系の亜流として「工学単位系(重力単位系)」「CGS単位系」などがあり、これらを区別する必要がある。

SI単位を表したロゴ。
上から時計回りに、キログラム (kg)、メートル (m)、 (s)、アンペア (A)、ケルビン (K)、モル (mol)、カンデラ (cd)

国際単位系の特徴編集

国際単位系の単位システムとしての特徴は次の通りである[3]

  • 1量1単位
  • 現示の一本化
  • 基本単位と組立単位の系統的分類
  • 名称を定義する組立単位の一貫性
  • 10進法と接頭語

これらは簡便性と合理性を保つ工夫である。例えば、1881年の第1回国際電気会議(en:International Electrical Congress[注 1]の時点で、少なくとも12の起電力の単位、10の電流の単位、15の抵抗の単位が存在していた。多様な単位が併存すると相互の換算に煩わされるが、「一貫性」のある単位だけなら換算係数の煩雑さは避けられる[4]

経緯編集

以下に、SIの構造上の重要な決定を列挙する[5]

  • 1948年 第9回CGPM:国際単位系の設立の決定。この時点では「国際実用計量単位系(practical system of units of measurement for international use)」と称していた。固有の名称を持つ一貫性のある組立単位の一覧。
  • 1954年 第10回CGPM:最初の6つの基本単位の決定。名称「'Système international d'unités」の決定。
  • 1960年 第11回CGPM:略称「SI」の決定。SI接頭辞組立単位補助単位などの包括的な規定が確立[6]
  • 1971年 第14回CGPM:基本単位モルの追加。
  • 1995年 第20回CGPM:補助単位(ラジアン、ステラジアン)の階級の廃止
  • 2018年 第26回CGPM:SI基本単位の基礎物理定数による定義が完成。これに伴いSIの定義の最も単純かつ根本的な改定[7]

名称、公式文書編集

略称の SI はフランス語の「Système International d'unités」に由来する。これはメートル法がフランスの発案であったという歴史的経緯があること、及びメートル条約国際度量衡委員会(CIPM)・国際度量衡局(BIPM)の公用語がフランス語であるという事情による[8]。SI は国際単位系の略称であるため「SI単位系」というのは誤った用語である。ただし「SI単位」(: unité(s) du SI: SI unit(s))は「国際単位系の単位」という意味で正しい用語である。

2019年5月20日以降の国際単位系についての公式文書は、BIPMによるフランス語と英語による第9版(2019年)[9]である。この文書の日本語訳は以下である。

この文書は、英語で記述されたものを日本語に翻訳したものであるが、国際単位系の公式文書はフランス語によるものであり、正式な本文の確認が必要な場合、あるいは、文章の解釈に疑義がある場合は、フランス語版を参照する必要がある[10]

公式文書の経緯編集

1970年の第1版以降の経緯は次の通りであり、BIPMのHPで閲覧できる[11]

  • 1970年(第1版)仏語版
  • 1973年(第2版)仏語版
  • 1977年(第3版)仏語版
  • 1981年(第4版)仏語版
  • 1985年(第5版)仏語版、英語版
  • 1991年(第6版)仏語版、英語版
  • 1998年(第7版)仏語版、英語版
  • 2006年(第8版)仏語版、英語版
  • 2019年(第9版)仏語版、英語版

国際単位系の定義編集

2018年に、国際単位系の定義は根本的に改められた。すなわち2006年公式文書までは、7つの基本単位をベースにして組立単位接頭辞からなる単位の組み合わせ(単位系)を国際単位系と定義していた。しかし2019年の第9版の公式文書は以下の定義のように、「7つの定義定数の数値を固定する」ことによって逆にSIを定義することとしたのである[12]

国際単位系(SI)は である単位系である[13]

ここで、ヘルツ(記号: Hz)、ジュール(記号: J)、クーロン(記号: C)、ルーメン(記号: lm)、ワット(記号: W)は、それぞれ(記号: s)、メートル(記号: m)、キログラム(記号: kg)、アンペア(記号: A)、ケルビン(記号: K)、モル(記号: mol)、カンデラ(記号: cd)と、 Hz = s−1、J = kg m2 s−2、C = A s、lm = cd m2 m−2 = cd sr、W = kg m2 s−3 で関係付けられている。 7つの定義定数の数値には不確かさはない。

この定義ではそれぞれの定数の値を対応するSI単位で表現したときの厳密な数値を定めている。 定数の値は数値と単位の積であるため、厳密な数値を固定することによって単位を定めることができる。 7つの定数はすべてのSI単位がこれらの積と比によって表すことができるように選ばれている。

表1 SIの七つの定義定数とそれらによって定義される七つの単位[13]
定義定数 記号 数値 単位
セシウムの超微細遷移周波数 ΔνCs 9192631770 Hz
真空中の光の速さ c 299792458 m s−1
プランク定数 h 6.62607015×10−34 J s
電気素量 e 1.602176634×10−19 C
ボルツマン定数 k 1.380649×10−23 J K−1
アボガドロ定数 NA 6.02214076×1023 mol−1
視感効果度 Kcd 683 lm W−1

SI単位編集

現行のSIでは、7つの定義定数の数値を固定することでSIを定義しており、すべてのSI単位が定義定数から直接に構成されるため、基本単位と組立単位の区別の必要性がない。しかし、基本単位と組立単位の考え方は便利であり、定着しているため現行のSIでも維持されている。

SI基本単位編集

7つの定義定数の数値の固定によるSIの定義では、SI基本単位の定義は定義定数を用いて導き出される。

SI基本単位 s、メートル m、キログラム kg、アンペア A、ケルビン K、モル mol、カンデラ cd であり[注 2]、対応する基本量はそれぞれ時間長さ質量電流熱力学温度物質量光度である。

この7つの基本単位のうち、キログラム kg、アンペア A、ケルビン K、モル mol の4つについては2018年11月16日の国際度量衡総会(CGPM)においてその定義が根本的に改定された。残りの s、メートル m、カンデラ cd については定義は本質的にはこれまでと同じであるが、表現が改められた[14]。基本単位の新しい定義は、2019年5月20日に発効された。

なお、基本単位の列挙順序は2019年に、以下の表のとおり、時間・長さ・質量・・・となった[15]。これは時間の基本単位であるの定義が他のどの基本単位にも依存しておらず、最初に掲げられるべき物理量であるからである。それ以前には、18世紀以来の伝統的な列挙順序である、長さ・質量・時間・・・の順序であった。

SI基本単位の量、名称、記号とその定義
基本単位 定義
名称 記号
時間 (second) s 秒(記号は s)は、時間のSI単位であり、セシウム周波数ΔνCs、すなわち、セシウム133原子の摂動を受けない基底状態の超微細構造遷移周波数を単位 Hz(s−1 に等しい)で表したときに、その数値を9192631770 と定めることによって定義される。
長さ メートル(metre) m メートル(記号は m)は長さの SI 単位であり、真空中の光の速さ c を単位 m s−1 で表したときに、その数値を 299792458 と定めることによって定義される。ここで、はセシウム周波数 ΔνCs によって定義される。
質量 キログラム(kilogram) kg キログラム(記号は kg)は質量の SI 単位であり、プランク定数 h を単位 J s (kg m2 s−1 に等しい)で表したときに、その数値を 6.62607015×10−34と定めることによって定義される。ここで、メートルおよび秒は c およびΔνCs に関連して定義される。
電流 アンペア(ampere) A アンペア(記号はA)は電流の SI 単位であり、電気素量 eを単位 C (A s に等しい)で表したときに、その数値を1.602176634×10−19と定めることによって定義される。ここで、秒は ΔνCs によって定義される。
熱力学温度 ケルビン(kelvin) K ケルビン(記号は K)は、熱力学温度の SI 単位であり、ボルツマン定数 k を単位 J K−1(kg m2 s−2 K−1 に等しい)で表したときに、その数値を1.380649×10−23と定めることによって定義される。ここで、キログラム、メートルおよび秒は hc および ΔνCs に関連して定義される。
物質量 モル(mole) mol モル(記号は mol)は、物質量のSI単位であり、1モルには、厳密に6.02214076×1023 の要素粒子が含まれる。この数は、アボガドロ定数 NA を単位 mol−1で表したときの数値であり、アボガドロ数と呼ばれる。

系の物質量(記号は n)は、特定された要素粒子の数の尺度である。要素粒子は、原子、分子、イオン、電子、その他の粒子、あるいは、粒子の集合体のいずれであってもよい。

光度 カンデラ(Candela) cd カンデラ(記号は cd)は、所定の方向における光度の SI 単位であり、周波数 540×1012 Hz の単色放射の視感効果度 Kcd を単位 lm W−1(cd sr W−1 あるいは cd sr kg−1 m−2 s3 に等しい)で表したときに、その数値を 683 と定めることによって定義される。ここで、キログラム、メートルおよび秒は hc およびΔνCs に関連して定義される。

上の表の中には、単位の定義の中に別の単位を用いているものがある。例えば、メートルの定義には秒の定義が前提とされている。単位の定義に求められるのは何より実用性、すなわち現在の社会生活に必要かつ十分な精度を持ち、定義値が容易に実現できることである。このため、定義の独立性は意味を持たない。

なお、基本量の次元の記号には、サンセリフ立体を用いる[16]

次元と記号
次元 長さ 質量 時間 温度 物質量 電流 光度
記号 L M T Θ N I J

SI組立単位編集

組立単位は基本単位のべき乗の積と定義される。このうち特に、積の係数が1である組立単位を「一貫性のある組立単位」と言う[17]

SIにおいて、一貫性のある組立単位の一部(全部で22個)には、固有の名称とその記号が与えられている。例えば、ラジアン(rad)、ニュートン(N)、パスカル(Pa)、ジュール(J)、ワット(W)、ウェーバ(Wb)、ルーメン(lm)、ベクレル(Bq)などである。

SI接頭辞編集

SI接頭辞は、SI単位10進の倍量単位・分量単位を作るための接頭辞(国際文書の日本語版では、「接頭」の用語を用いてる。)である。前項までの基本単位や組立単位と組み合わせて用いることができる。しかし、接頭辞が SI単位と共に使われる場合、接頭辞によって、1 以外の係数が導入されるため、結果として生ずる単位は一貫性を持たないものとなる(次項を参照)。

SI接頭辞
接頭辞 記号 1000m 10n 十進数表記 漢数字表記 short scale 制定年
ヨタ (yotta) Y 10008 1024 1 000 000 000 000 000 000 000 000 𥝱 septillion 1991年
ゼタ (zetta) Z 10007 1021 1 000 000 000 000 000 000 000 sextillion 1991年
エクサ (exa) E 10006 1018 1 000 000 000 000 000 000 quintillion 1975年
ペタ (peta) P 10005 1015 1 000 000 000 000 000 quadrillion 1975年
テラ (tera) T 10004 1012 1 000 000 000 000 trillion 1960年
ギガ (giga) G 10003 109 1 000 000 000 billion 1960年
メガ (mega) M 10002 106 1 000 000 million 1960年
キロ (kilo) k 10001 103 1 000 thousand 1960年
ヘクト (hecto) h   102 100 hundred 1960年
デカ (deca) da   101 10 ten 1960年
    10000 100 1 one  
デシ (deci) d   10−1 0.1 tenth 1960年
センチ (centi) c   10−2 0.01 hundredth 1960年
ミリ (milli) m 1000−1 10−3 0.001 thousandth 1960年
マイクロ (micro) µ 1000−2 10−6 0.000 001 millionth 1960年
ナノ (nano) n 1000−3 10−9 0.000 000 001 billionth 1960年
ピコ (pico) p 1000−4 10−12 0.000 000 000 001 trillionth 1960年
フェムト (femto) f 1000−5 10−15 0.000 000 000 000 001 須臾 quadrillionth 1964年
アト (atto) a 1000−6 10−18 0.000 000 000 000 000 001 刹那 quintillionth 1964年
ゼプト (zepto) z 1000−7 10−21 0.000 000 000 000 000 000 001 清浄 sextillionth 1991年
ヨクト (yocto) y 1000−8 10−24 0.000 000 000 000 000 000 000 001 涅槃寂静 septillionth 1991年

「SI単位」と「一貫性のあるSI単位」の違い編集

次項に述べるSI併用単位を除いた国際単位系(SI)全体が一貫性のある単位系というわけではない。このことを明確にするために、CIPM(2001年)は、「SI単位」の語と「一貫性のあるSI単位」の語とを区別して、次のように定義した[18]

  • 一貫性のあるSI単位(coherent SI units):基本単位と一貫性のある組立単位のみに制限される単位の名称。つまりSI接頭辞を付加しない単位の集合である[注 5][19]

つまり、「基本単位+一貫性のある組立単位」の範疇の単位であれば、一貫性のある単位系であるが、これにSI接頭辞を付加すると、もはや一貫性は失われるのである[20][21]

SI単位と併用される非SI単位編集

日々の生活で広く SI とともに用いられているため、CIPM により国際単位系と併用することが認められている非SI単位である。これらの使用は今後ずっと続くものと考えられ、SI単位によって正確な定義が与えられている[22]

以下に、SI国際文書SI第9版(2019年)第4章「SIとの併用が認められる非SI単位(Non-SI units that are accepted for use with the SI )」の表8[23]で挙げられている非SI単位の全てを列挙する。この表中の単位は、SI単位との併用が認められる。ただし、これらのSI併用単位を一貫性のあるSI単位と組み合わせると、もはや一貫性は失われることに注意すべきである。

なお、計量法では の各単位は、SI接頭辞とは併用されない(1 kh などとはしない)(SI接頭辞#計量法による使用制限)。また、は計量法上は計量単位ではなく、暦の単位とされている[24]

単位の名称 単位の記号 SI単位による値
時間 min 1 min = 60 s
h 1 h = 60 min = 3600 s
d 1 d = 24 h = 86 400 s
長さ 天文単位(a) au 1 au = 149 597 870 700 m
平面角および位相角 ° 1° = (π/180) rad
1′ = (1/60)° = (π/10 800) rad
(b) 1″ = (1/60)′ = (π/648 000) rad
面積 ヘクタール(c) ha 1 ha = 1 hm2 = 104 m2
体積 リットル(d) L, l 1 L = 1 l = 1 dm3 = 103 cm3 = 10−3 m3
質量 トン(e) t 1 t = 103 kg
ダルトン(f) Da 1 Da = 1.660 539 066 60(50)× 10-27 kg[注 6][25]
エネルギー 電子ボルト(g) eV 1 eV = 1.602 176 634 × 10-19 J
比の対数 ネーパ(h) Np
ベル(h) B
デシベル(h) dB
(欄外注)ガル(記号Gal)は、加速度の非SI単位である。重力加速度を表す単位として測地学と地球物理学で用いられる。1 Gal = 1 cm s-2 = 10-2 m s-2

(a)~(h)の注については、SI併用単位を参照のこと。

その他の非SI単位の削除編集

SI国際文書第8版(2006年)(廃版)の第4章には、SI併用単位とは別に様々な非SI単位が列挙されていた。しかし、2019年に改訂された国際単位系(SI)(第9版)では、SI併用単位以外の非SI単位は全て削除された。削除された非SI単位の詳細は、非SI単位#2006年第8版に掲げられていた単位を参照のこと。

単位と数値の記法編集

国際単位系(SI)は、数値単位を記述するときの記法について詳細な規定を定めている[26][27]

量記号と単位記号編集

  • 物理量)の記号は斜体イタリック体)で表記し、通常は、ラテン語またはギリシャ語のアルファベット1文字である。大文字と小文字のいずれも使ってよい。量に関する追加情報は、下付き文字で、または、括弧の中に入れて、加えることができる。
    • 例: g = 9.80665 m/s2  : g斜体であり、重力加速度を表す量記号である。 
  • 単位記号は、その前後の文章で使われている書体にかかわらず、立体ローマン体)で表記する。
    • 例:m = 239.6 g  : g は立体であり、グラム(質量の単位)を表す単位記号である。
  • 単位記号は小文字で表記する。ただし、単位記号が固有名詞に由来する場合は最初の文字を大文字にする。
  • 量の性質についての付随情報は量記号に与えるものとし,単位記号に与えてはならない。
    • 例:最大電位差の表現  Umax = 1000 V とする。 U = 1000 Vmax は不可。

単位の英語名称編集

単位の名称を英語で書く場合は、立体で表記し、普通名詞として扱う。文頭の場合もしくは表題のように大文字で書き始めるものを除き、単位の名称は(単位記号が大文字で始まる場合でも)小文字で書き始める。

  • 例:newton、pascal、weber、sievert

注意しなければならないのは、記号 ℃(セルシウス度)の単位名称の正しいつづり方である。「degree Celsius」であって、「degree celsius」ではない。なぜなら名称は小文字で書き始めるとの規定だからである。

量の値の書式編集

数値と単位を分割するために空白(space)を用いる。量の値は数字と単位の積として表され,空白は乗算記号 を表す(二つの単位の間に挿入される空白がそれらの積を表すのと同じである)。この原則は,セルシウス度(degree Celsius)についても適用され,セルシウス温度 t の値を表現するときには,その単位記号である ℃ の前に空白を挿入する[28]

  • 例: 123.4 kg   30.2 ℃   
  • 不適例: 30.2℃(数値と単位記号の間に空白がない)  
  • 不適例: 30.2 °C(単位記号が『°』と『C』の2文字で表記されている)

この原則における唯一の例外は,平面角を表す単位である角度(degree),(minute),及び(second)であり,それぞれの単位記号である°,′,及び″に対しては,数値と単位記号との間に空白を挿入しない(度 (角度)#記法)。

  • 例: 30゚28'8"   

数字の書式及び小数点編集

  • 小数点(decimal marker)は、「.」(ピリオド)でも「,」(コンマ)でもよい。どちらを選ぶかは関連する文章やその言語の習慣によるものとする(小数点#二つの方式)。現在の日本では、「.」(ピリオド)を用いることがほとんどである。
  • 数字の値が+1 と–1 との間にある場合、小数点の前には常に 0(ゼロ)を置くものとする。
  例: 0.234、-0.879        .234、-.879 とはしない。
  • 桁の多い数を表す場合には、読みやすくするために,空白(space)を用いて3桁毎のグループに分けてもよい。ただし、グループの間に点「.」やカンマ「,」を挿入してはならない。(以下は小数点として「.」を用いる場合の例)
  例:43 279.2    0.168 29                  不適例:43,279.2     0.168,29
  • 小数点の前後にある4桁の数字を表す場合には,1桁だけ分けるための空白を挿入しないのが普通である。
   例:3279.3   0.1683 又は 3 279.3    0.168 3

このようなかたちで桁数をグループ分けするか否かは、それぞれの選択に委ねられる。設計図、財務諸表、コンピュータが読み取るスクリプト(scripts)などの特定の専門的分野では、このやりかたは必ずしも使われていない[29]。  表中の数字の場合、同じ欄の中で使用する形式は統一する。

各国における国際単位系編集

現在では、世界のほとんどの国で合法的に使用でき、多くの国で使用することが義務づけられている。しかしアメリカなど一部の国では、それまで使用していた単位系の単位を使用することも認められている。

アメリカ合衆国編集

イギリス編集

カナダ編集

日本編集

日本は、1885年(明治18年)にメートル条約に加入、1891年(明治24年)施行の度量衡法尺貫法と併用することになり、1951年(昭和26年)施行の計量法で一部の例外を除きメートル法の使用が義務付けられた。1974年には国際単位系が導入され[30]1991年(平成3年)にはJIS規格が完全に国際単位系準拠となり、JIS Z 8203「国際単位系 (SI) 及びその使い方」が規定された[注 7]。この国際単位系への移行に伴い、1992年気象庁気圧の単位をミリバールからヘクトパスカルに変更するなど、いくつかの単位が変更された[31]

参考文献編集

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ 国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission、IEC)の前身である。
  2. ^ 基本単位の列挙順序は、秒、メートル、キログラム、アンペア、……の順である。SI文書第8版(2006)までは、メートル、キログラム、秒、アンペア、……の順であった。
  3. ^ units of the SIとも。
  4. ^ 倍量および分量接頭語
  5. ^ ただし例外としてキログラムは、一貫性のある SI単位の中で唯一つ、歴史的経緯により、その名称と記号に接頭語が含まれている。
  6. ^ BIPMによる原表では当初はCODATA2014の数値が掲げられていたが、その後、CODATA2018の数値に差し替えられた。
  7. ^ 国際標準化機構(ISO)による ISO 1000 を翻訳した物。ISO 1000 は2009年に ISO 80000-1 に置き換えられ、JIS Z 8203 も2014年に ISO 80000-1 を翻訳した JIS Z 8000-1 に置き換えられた。

出典編集

  1. ^ #国際単位系(SI)第9版(2019)p.122, pp.129-134
  2. ^ 「図解入門 よくわかる最新単位の基本と仕組み」p67 伊藤幸夫・寒川陽美著 秀和システム 2004年8月10日第1版第1刷
  3. ^ 佐藤文隆・北野正雄、「新SI単位と電磁気学」、p.148、岩波書店、2018-06-19、ISBN 978-4-00-061261-6
  4. ^ 佐藤文隆・北野正雄、「新SI単位と電磁気学」、p.148、岩波書店、2018-06-19、ISBN 978-4-00-061261-6
  5. ^ #国際単位系(SI)第9版(2019)p.122
  6. ^ #国際単位系(SI)第9版(2019)p.173
  7. ^ p.175
  8. ^ 「図解入門 よくわかる最新単位の基本と仕組み」p23 伊藤幸夫・寒川陽美著 秀和システム 2004年8月10日第1版第1刷
  9. ^ SI Brochure: The International System of Units (SI)
  10. ^ 国際単位系(SI)第9版 (2019)日本語版、訳・監修 (独)産業技術総合研究所 計量標準総合センター p.93 本文に関する注釈
  11. ^ Previous editions of the SI Brochure SI Brochure: The International System of Units (SI), BIPM
  12. ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版 p.98、「2018年に七つの定義定数の数値を定めることによって SIを定義することになり、この基本単位と組立単位の区別の必要が原則として不要となった。あらゆる単位、すなわち基本単位と組立単位は定義定数から直接構築できるようになったためである。とは言え、基本単位と組立単位という概念は保持されている。これは、この概念が有用かつ歴史的に定着したものであるためのみならず、ISO/IEC80000規格シリーズが、ここで定義されるSIの基本単位と組立単位に必然的に対応する基本量と組立量を規定しているからである。」産業技術総合研究所、計量標準総合センター、2020年4月
  13. ^ a b The InternationalSystem of Units (SI) 9th ed. Text in English 2.2 Definition of the SI, p.127
  14. ^ #国際単位系(SI)第9版(2019)pp.99-103
  15. ^ 表1 SIの七つの基本単位 国際単位系(SI)第9版(2019)要約 日本語版、計量標準総合センター、産総研、経済産業省
  16. ^ #国際単位系(SI)第9版(2019) p.104,表3
  17. ^ #国際単位系(SI)第9版(2019)p.105
  18. ^ #国際単位系(SI)第9版(2019)p.148
  19. ^ #国際単位系(SI)第9版(2019)p.105
  20. ^ #国際単位系(SI)第9版(2019)p.106、しかし、接頭語が SI単位と共に使われる場合、接頭語によって、1 以外の係数が導入されるため、結果として生ずる単位は一貫性を持たないものとなる。
  21. ^ 国際単位系(SI)国際文書第8版(2006) p.16下欄訳注、* 訳注:第2章で述べる SI基本単位(表1),そのべき乗の積からなる SI組立単位(表2),固有の名称と記号を与えられた SI組立単位(表3),及び SI基本単位とSI組立単位のべき乗の積からなる SI組立単位(表4)のことを本文書では「一貫性のあるSI単位」と呼ぶ.第3章で述べる SI接頭語(表5)を付した単位は,SI単位ではあるが一貫性のある単位ではない.
  22. ^ #国際単位系(SI)第9版(2019)p.114
  23. ^ The International System of Units(SI) 9th edition 2019 Bureau International des Poids et Mesures, 2019-05-20, pp.145-146
  24. ^ [1]知的基盤・計量行政、経済産業省   単位に関するよくあるご質問と答え(2)計量単位に関する質問/取引又は証明に使用する際の質問 Q5・A5 「時間の計量単位としてd(日)を取引又は証明に使用できるか。」「A:計量法が規定している物象の状態の量のうち、「時間」に対する物象の状態の量の概念は、秒、分、時で表すことができる物理的な量であり、計量法が規定している時間の計量であれば、取引又は証明に使用できる計量単位はs(秒)、min(分)、h(時)のみである。日、週、月、年は暦の単位であり、計量法における単位の使用規制の対象外である。したがって、暦の単位としてd(日)を用いることは可能である。 同様に、計量法における物象の状態の量としての流量も、暦の概念は含まれないので、暦としての1日当たりに流れる量を表すものとしてのm3/d(立方メートル/日)も計量法における単位の規制の対象外である。」  
  25. ^ unified atomic mass unit The NIST Reference on Constants, Units, and Uncertainty. US National Institute of Standards and Technology. 2019-05-20. 2018 CODATA recommended values
  26. ^ The International System of Units (SI) 9th ed. Text in English 5.4 Rules and style conventions for expressing values of quantities, pp.149-150
  27. ^ #国際単位系(SI)第9版(2019)pp.116-120
  28. ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版 p.118、産業技術総合研究所、計量標準総合センター、2020年4月>
  29. ^ #国際単位系(SI)第9版(2019)p.119
  30. ^ 「図解入門 よくわかる最新単位の基本と仕組み」p23 伊藤幸夫・寒川陽美著 秀和システム 2004年8月10日第1版第1刷
  31. ^ 「図解入門 よくわかる最新単位の基本と仕組み」p24 伊藤幸夫・寒川陽美著 秀和システム 2004年8月10日第1版第1刷

関連項目編集

外部リンク編集