タンドスピロン (tandospirone) はアザピロン系抗不安薬の一種。セロトニン5-HT1A受容体作動薬。クエン酸塩が商品名セディール (Sediel) として、日本中国で発売されている。

タンドスピロン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
法的規制
  • Uncontrolled
投与経路 経口
薬物動態データ
半減期1.4 hours
識別
CAS番号
112457-95-1
ATCコード none
PubChem CID: 91273
化学的データ
化学式C21H29N5O2
分子量383.487 g/mol
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適応 編集

心身症からくる不安緊張抑うつ睡眠障害および、自律神経失調症神経症などに適応がある。しかしながら、効果の発現には時間がかかり、2~4週間程度が必要とされる。代表的な抗不安薬であるベンゾジアゼピン系薬剤と比較して筋弛緩作用や依存性などの有害事象が少なく、高齢者に使いやすい。

薬理 編集

タンドスピロンの抗不安作用及び抗うつ作用の機序はセロトニンを介した以下のように考えられている。タンドスピロンはセロトニン5-HT1A自己受容体に部分アゴニストとして作用し、一時的にセロトニンの合成及び放出を抑制する。タンドスピロンの反復投与により自己受容体が脱感作(感受性の低下)する、この脱感作が続くと自己受容体がダウンレギュレーションを起こし、自己受容体数が正常な数まで減少する。一度ダウンレギュレーションを起こした受容体は起こす前の状態に戻るまでに時間を要する。

これらの結果、セロトニンの抑制が解除され、一連の作用を発揮する。

副作用 編集

他の5-HT1A部分アゴニストと同様、副作用は軽度であり、吐き気下痢頭痛めまい・落ち着きのなさがある。[1]

倦怠感、眠気、食欲不振、吐き気、脱力感など。

種類 編集

  • 錠剤:5mg、10mg、20mg

参考文献 編集

  • 山本眞路「抗不安薬 クエン酸タンドスピロン(一般名)/セディール(商品名)」『ファインケミカル』690号 47-53頁2003年
  1. ^ Feighner JP, Boyer WF (1989). “Serotonin-1A anxiolytics: an overview”. Psychopathology 22 Suppl 1: 21–6. PMID 2567039.