クラッカー・ジャック (Cracker Jack) は、アメリカ合衆国スナック菓子キャラメルコーンの一種)のブランド。糖蜜でコーティングしたマッシュルーム型ポップコーンに少量のピーナッツが混ぜてある。

ロゴ
クラッカー・ジャック
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概要 編集

おまけ玩具 ("Toy Surprise Inside") が付属することでもよく知られており、ポップカルチャーでは限られた価値しかないものを指して"came in a Cracker Jack box"(クラッカー・ジャックの箱の中に入ってる)と表現する。映画ティファニーで朝食を』には、クラッカー・ジャックのおまけの指輪に、ティファニーで名前を彫らせるシーンがある。このおまけは1912年から封入されるようになった。

クラッカー・ジャックの原型は F. W. ルエックハイム Rueckheim によって1893年シカゴ万国博覧会に出品された、ポップコーン・ピーナッツ・糖蜜を混ぜたもので、この時は "Candied Popcorn and Peanuts" (砂糖漬けのポップコーンとピーナッツ)と呼ばれた。1896年には、コンクリートミキサーに似た機械を用い、少量の油でポップコーンが互いにくっつかないようにする技術を発明。これを振る舞われたセールスマンが思わず "That's crackerjack!"crackerjack: 優秀な、一流の人または物。“素晴らしい”位の意味)と声を上げ、これが商標に採用されたという[1]

1918年にマスコットとして発表され、犬の Bingo とともに箱に描かれるようになったセーラー服の少年 Sailor Jack は、8歳で世を去ったルエックハイムの孫のロバート少年の姿をルエックハイムが図案化させたものである。商標登録は1919年までされなかった[2]アメリカ海軍ではかつて採用されていたセーラー服の制服を指して "Cracker Jack" uniform と呼ぶ。

1964年、クラッカー・ジャック社はボーデンに買収される。そのボーデンもグループ解体に伴い1997年フリトレーにクラッカー・ジャックのブランドを売却した[3]

その他 編集

日本国内では1969年頃から、アメリカのリーフ社と合弁のカバヤリーフ社(現・カバヤ食品)より販売された。

1971年東ハトからキャラメルコーン[4]が発売されているが、これはポップコーンではなくコーングリッツ生地を揚げた類似のスナックである。クラッカー・ジャック同様の甘いフレーバーで味付けされており、アクセントをつけるため少量の塩辛いピーナッツが混ぜられているのも同じである。

脚注 編集

  1. ^ CrackerJack.com - Brief history
  2. ^ Cracker Jack Collectors Association
  3. ^ Cracker Jack
  4. ^ 日本で「キャラメルコーン」といえばこの商品のこと指すことが多いが、米国で"Caramel corn"はクラッカー・ジャックや類似商品の一般名称である。

関連項目 編集

  • 私を野球に連れてって - アメリカ合衆国の野球ファンの愛唱歌。この中の一節に "Buy me some peanuts and Cracker Jack" とあるように、球場で売られる代表的なスナック菓子である。
  • チャンピオン・スタジアム - 1997年の設立時、フリトレーが命名権を取得し「クラッカー・ジャック・スタジアム」と名付け、2006年までそう呼ばれた。

外部リンク 編集