ボーデン (Borden) は、乳製品を中心とする食品ブランドおよび、ブランドをかつて所有していたアメリカ合衆国の企業 (Borden Inc.) 。かつての本社はオハイオ州コロンバスにあった。

現在はモメンティブ・スペシャルティー・ケミカルズ (Momentive Specialty Chemicals) が「ボーデン」ブランドを所有する。

アメリカではボーデン・デイリー・カンパニー (Borden Daily Company) が「ボーデン」ブランドでの生産を行う。日本では、派生ブランドのアイスクリームレディーボーデン」のライセンス生産をかつては明治乳業(現:株式会社明治)が行っていたが、明治乳業との提携解消を経て、現在はロッテとのライセンス提携により製造販売されている。

ボーデン社編集

1857年ゲイル・ボーデン・ジュニア英語版 (Gail Borden, Jr.) がゲール・ボーデン・ジュニア社 (Gail Borden, Jr., and Company) を設立し、コンデンスミルクの製造を始めたのがルーツである。1858年にニューヨーク・コンデンスミルク社 (New York Condensed Milk Company)、1899年にボーデン・コンデンスミルク社 (Borden Condensed Milk Company)、1919年にボーデン社 (Borden Company) と社名変更した。

1929年持株会社となる。1950年代から事業の多角化を始め、ポリ塩化ビニルの生産など化成品事業に進出した。また食品事業では、1964年クラッカー・ジャックを買収した。

1991年から業績が悪化し、1995年コールバーグ・クラビス・ロバーツに買収された。ボーデングループは解体され、主要事業は2005年にヘキシオン (Hexion Inc.) に吸収された。

2010年、ヘキシオンはモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社 (Momentive Performance Materials Inc.) と持株親会社を統合した。「ボーデン」の名はブランドといくつかの子会社に残っている。

ボーデン・デイリー・カンパニー編集

現在アメリカで「ボーデン」ブランドの乳製品や飲料を製造するボーデン・デイリー・カンパニーは、旧ボーデン社とは直接の関係はない。

ボーデン・グループ崩壊後の2001年に設立されたナショナル・デイリー社が、ヘキシオン社からライセンスを得て生産していたが、2013年にナショナル・デイリー社から分離独立したのがボーデン・デイリー・カンパニーである。

ボーデン・デイリー・カンパニーは2020年1月6日、事業継続が困難となる債務超過に陥ったことを理由に、連邦倒産法第11章の適用を申請した(事実上の経営破綻[1]

日本での展開編集

食品事業編集

レディーボーデン編集

ボーデン社はかつて、明治乳業(現:株式会社明治)と提携し、アイスクリームマーガリンチーズなどを販売していた。

1971年にボーデン社と明治乳業は、アイスクリームの新ブランドとして「レディーボーデン」を共同で発売した。これは日本におけるプレミアムアイスクリームの先駆けであった。しかしその後、明治乳業が独自ブランド「彩 Aya」を立ち上げたことにより関係が悪化し提携は解消された。ボーデン社は日本法人ボーデンジャパンを設立したが、その後、ボーデンは日本市場から撤退した。

1994年ロッテとのライセンス生産契約により「レディーボーデン」の販売が再開された。日本国内ではロッテ子会社のロッテアイスが製造する。

なお、日本法人ボーデンジャパンは、ボーデン・グループ崩壊後も現在まで存続している。[要出典]

化成品事業編集

ボーデン社は、化成品事業においても日本での商品展開があった。

ラストロウェア編集

1968年岩崎工業がボーデン社と提携し、食品保存用プラスチック容器を「ラストロウェア」のブランドで発売した[2]1960年代当時の家庭用品業界においては、海外企業のライセンス使用による商品ブランド化はまだ珍しかった[2]。ブランド名の "Lustro" は、ラテン語で「光り輝く、つやつやと光沢のある」を意味する "lustrum" に由来し、ロゴマークには "Lustro" と"ware" の間にを描いて「星のごとく光り輝く製品」を表している[2]。「ラストロウェア」ブランドで、キッチン用品をはじめ、風呂用品や清掃用品など水回り関連商品をラインナップし、ボーデン社が化成品事業から撤退した後は、アメリカのラバーメイド社と技術提携した[2]

岩崎工業では、現在も「ラストロウェア」ブランドの商品を製造・販売している[2]

ボーデンラップ編集

また、日立化成工業(現:昭和電工マテリアルズ)が、ボーデン社と合弁で「日立ボーデン株式会社」を1973年に設立し、家庭用食品ラップフィルム「ボーデンラップ」を販売したが、合弁解消後社名を「日立化成フィルテック」と改め、2016年に日立化成へ吸収合併された。「ボーデンラップ」は2004年に「家庭用ヒタチラップ」、日立グループ再編により会社ごと昭和電工に売却後、全品が「キッチニスタラップ」と変更されている。

脚注編集

  1. ^ 瀕死状態の米国「牛乳」業界、老舗のボーデンも破産宣告”. Forbes JAPAN (2020年1月7日). 2020年1月8日閲覧。
  2. ^ a b c d e Lustrowareブランド | Lustroware”. 岩崎工業株式会社. 2020年9月15日閲覧。

関連項目編集