クレーター (ギリシア神話)

クレーター古希: Κλήτα, Klētā)は、ギリシア神話に登場すると優雅を司る女神カリスたち(カリテス)の1柱である。その名は「呼ばれる女」の意[1]長母音を省略してクレタとも表記される[1]

ラコーニア地方で信仰されていたカリスはクレーターとパエンナーの2柱の女神であった[2]ヘーシオドスの挙げるアグライアーエウプロシュネータレイアの「三美神」には含まれないが[3]、後にカリスたちを3柱とするのが一般的になると、ラコーニア地方のスパルタではアグライアー、エウプロシュネー、クレーターの3柱を指すようになった。

脚注 編集

  1. ^ a b 『世界女神大事典』298頁。
  2. ^ パウサニアス、9巻35・1。
  3. ^ ヘーシオドス神統記』909。

参考文献 編集

  • パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年)
  • 松村, 一男森, 雅子沖田, 瑞穂 ほか 編『世界女神大事典』原書房、2015年。ISBN 4562051957