VBZ Be 5/6
VBZ Be 5/6 は VBZ(チューリッヒ市交通局)が導入した低床路面電車で、ボンバルディア・トランスポーテーションとアルストムによって製造されている。VBZの既存インフラに適合する低床車が無かったため、独自の低床路面電車を開発・導入することになった。「コブラ (COBRA) 」の愛称がある。
VBZ Be 5/6 "コブラ" | |
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9系統で運用中のBe 5/6(2005年8月10日撮影) | |
基本情報 | |
製造所 |
ボンバルディア (製造・運転室デザイン) アルストム (製造) ピニンファリーナ (外装デザイン) Scala Design (外装デザイン) e-team design (内装デザイン) VBZ (運転室デザイン) |
主要諸元 | |
最高速度 | 70km/h |
編成定員 | 238人 (座席96人) |
自重 | 39.2 t |
編成長 | 36 m |
全幅 | 2400 mm |
車体高 | 3600 mm |
備考 |
車番 : 3001 - 3006 製造初年:2001年 駆動軸 : 6軸(左) / 4軸(右) |
導入の経緯
編集VBZでは1990年代始めより登場した100%低床の路面電車に関心を寄せていたが、メーターゲージ用の100%低床車は選択肢が狭く、コンビーノなどのレディメイド車両ではVBZの求める条件に合う車両は無かった。このため独自規格の低床路面電車を設計・導入することを1996年に決定し、2000年より製造を開始、翌年より営業運転を開始するに至った。既存のプラットホーム長(37m)を最大限に生かす設計の結果、5車体連接のコンビーノより15%輸送力が高いとしている。製造はボンバルディアのプラッテルン(Pratteln)工場で行われ、チューリッヒまではトレーラーで陸送された。
概要
編集コンビーノやシティランナーなどと同様、フローティング車体をはさんだ5車体連接車で、左右独立車輪を使用している。最大の特徴は軸距を大きくとり、台車間にボックスシート2区画が入る設計としたことである。これにより車軸間に位置するシート下に主電動機を収めることが可能になり、車内には不自然な突起が全く無い。3車体目は右側軸間にドアが位置するため、モーターは左側のみに装備し、左側の車輪を駆動している。シートは全てクロスシートで、台車上はボックスシート、他は全て進行方向に固定されている。2車体目には車椅子・ベビーカー用のスペースがある。従来からの同路線に在籍する車輌の慣例に習い、運転席は進行方向のみ、乗降用ドアも進行方向右側だけとなっている。
営業
編集2001年10月より6編成が営業運転に入り、1年間営業運転を行いながら問題点の同定・解決を行った。2002年4月にはギアボックスに亀裂が発見され、一端は全車が定期運用から外れたが、メーカーで改良を行い2002年8月より運用に復帰している。量産可能な信頼性が得られたとして、2003年9月には本格投入が決定され、2005年半ばより2010年にかけて68編成の投入が予定されている。なお当初の予定では1次車として2005年夏までに11編成、2次車として2010年までに58編成が導入される予定であったが、1編成減らされている。
外部リンク
編集- VBZ公式サイト
- VBZ公式サイト内のコブラに関するページ
- BAV(スイス交通省)内のバリアフリーに関するページ(PDF 9ページにコブラの図面あり)