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アルストムフランス語: Alstom [alstɔm])は、フランスに本拠地を置く多国籍企業で、鉄道車両の製造をはじめとして、通信・信号・メンテナンスなど、鉄道に関連する総合的技術およびソリューションを提供する重電メーカー。ボンバルディア・トランスポーテーションシーメンスと並ぶ、鉄道車両ビッグスリーの一社で、世界の2割強のシェアを有している。本社はパリ近郊のサン=トゥアンユーロネクスト・パリ上場企業(EuronextALO )。

アルストム
Alstom S.A
Alstom.svg
種類 S.A (株式会社)
市場情報 EuronextALO
本社所在地 フランスの旗 フランス
サン=トゥアン
設立 1928年
業種 製造業(輸送機器)
事業内容 鉄道車両および信号設備の製造、販売
代表者 Henri Poupart-Lafarge (CEO)
売上高 210億ユーロ(2010/2011)[1]
営業利益 7億64百万ユーロ(2010/2011)[1]
純利益 4億62百万ユーロ(2010/2011)[1]
総資産 300億ユーロ(March 2011)[1]
従業員数 85,225人 (March 2011)[1]
主要株主 ブイグ 30.0%
フィデリティ・インベストメンツ 6.85%
モルガン・スタンレー3.29%
ナティクシス 1.99%
外部リンク https://www.alstom.com
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概要編集

かつては電力インフラおよび送電事業を行う子会社を有していたが、子会社を売却した2015年以降は、鉄道関連に焦点を絞った専業メーカーとなっている。

2015年以前は以下の3部門を擁していたが、アルストム・パワーおよびアルストム・グリッドを2015年にゼネラル・エレクトリックに売却している。

  • アルストム・パワー (Alstom Power)- 発電機、ボイラーなどの電力インフラを担当。本社はスイスバーデンにあった。
  • アルストム・グリッド (Alstom Grid) - 2010年6月国営電力会社アレヴァより送電・配電部門を買収して子会社化した。この買収はアルストムだけでなく、シュナイダーエレクトリックも関わっており、送電事業をアルストムが、配電事業をシュナイダーエレクトリックが引き継ぐものであった。アルストムは2004年にアレヴァに送電部門を売却しており、事実上の買い戻しであった。本社はフランス・パリ近郊のラ・デファンスにあった。
  • アルストム・トランスポール (Alstom Transport) - 鉄道車両、トロリーバスなどの交通インフラを担当。現在のアルストムの事業の前身。

シーメンスとの統合構想編集

2017年にアルストムはシーメンスの輸送部門(シーメンス・モビリティ)と統合し新会社の株式を折半することで両社間の覚書が交わされた。社名は『シーメンス・アルストム』、本社はパリ、上場はフランス(ユーロネクスト・パリ)とされ、CEOはアルストム側から、11人の取締役中6人をシーメンス側から派遣する予定とされ、中国中車の台頭に対抗する狙いを持っていた[2]2018年3月、両社は合併契約を締結。各地域での独占禁止法審査を待って年末に完了する予定とされ[3]7月13日欧州委員会が独占禁止法抵触の可否について調査を開始[4]7月17日、アルストムの株主は統合を承認したものの[5]2019年2月6日欧州委員会は両者の経営統合は競争を阻害するとして、合併計画を却下した[6]

主な製品編集

フランス国内向け編集

  • フランス国鉄(SNCF) - TGVの全車両を含め各種機関車・客車・電車・気動車などを多数納入。
  • パリ交通公団(RATP) - 地下鉄(メトロ)、路面電車(トラム)、近郊電車(PER)の各車両。
  • リヨン交通局(TCL) - 地下鉄車両、路面電車、など。
  • 低床電車のブランド「Citadis」シリーズについてはシタディスを参照。

フランス国外向け編集

高速鉄道

TGVタイプの高速鉄道車両・システムを積極的に売り込んでいるほか、フィアットの鉄道部門から振り子式車両ペンドリーノの技術を引き継いでおり、250km/h程度までの路線にはこちらも売り込んでいる。

地下鉄
路面電車
機関車
電車・気動車
  • ドイツ鉄道 
汎用規格車両
  • Prima - セミ・オーダーメイドタイプの電気機関車、ディーゼル機関車ブランド。
  • コラディア - 電車・気動車。
  • メトロポリス - 地下鉄/メトロ用電車
客車
新交通システム

開発中編集

  • AGV - 次世代高速鉄道車両

アルストムリンク式台車編集

 
アルストムリンク
 
アルストムリンク式の台車の例

アルストムが開発した台車の軸箱支持方式は、アルストムリンク式として有名である。

この軸箱支持方式は、従来のペデスタル式(軸箱守式)台車の欠点である軸箱守と軸箱との摺動を防ぐため、軸箱を台車枠から2本のリンクによって支持するものである。同社の開発した方式では、軸距の変化を無くし、軸箱の動きを妨げないようにするため、各々のリンクを段違いに配置したワッツリンク英語版となっているのが特徴である。

日本では一部の大手私鉄小田急電鉄東武鉄道旧営団名古屋鉄道阪急電鉄京阪電気鉄道など)で1960年ごろの一時期採用されたことがあり、小田急電鉄の車両では近年(1000形車両20000形車両)まで継続的に採用されている。

なお、日本国内における製造ライセンシーだった住友金属では、アルストム(リンク)方式とは称さず、「住友リンク方式」と称していた。

沿革編集

  • 1928年 - トムソン・ヒューストン社とアルザス地方のソシエテ・アルザシエンヌ・コンストリュクシオン・メカニック社が合併してアルストム(Alsthom)設立。
  • 1932年 - 電気機関車を製造していたCEF社を買収。
  • 1937年 - トロリーバスを製造していたヴェトラ社を買収。
  • 1977年 - フランス北部Paluel原子力発電所に1300MWの発電機を納入。
  • 1978年 - フランスの高速鉄道TGVが開業。
  • 1986年 - フランス電力公社(EDF)より世界最大出力(当時)となる212MWのガスタービンを受注。
  • 1990年 - TGV試験車両が世界最速(当時)の515km/hを記録。
  • 1999年 - スイス・ABB社との共同出資でABB・アルストム・パワー社を設立。
  • 2000年 - ABB・アルストム・パワー社のABB出資分もアルストムが買い上げる。
    • イタリア・フィアットの鉄道部門を買収。
  • 2004年 - 経営危機により政府の支援を受ける。
    • 送電・配電部門(T&D)をアレヴァに売却。
    • 世界最大(当時)の客船クイーン・メリー2を納入。
  • 2006年 - アルストム・マリン社の大半の株式を韓国・STXへ譲渡。
  • 2007年 - TGV試験車両が鉄輪式鉄道としては世界最速の574.8km/hを記録。
    • スペインの風力発電製造会社エコテクニア(現:アルストム・エコテクニア)を買収。
  • 2010年 - アレヴァから送電事業を買い戻してアルストム・グリッド社を設立。
  • 2014年 - ゼネラル・エレクトリックから169億ドルでアルストム・パワー社とアルストム・グリッド社を買収する提案を受ける[9]
  • 2015年 - アルストム・パワー社とアルストム・グリッド社の買収手続きが完了し、両社はGEパワーに統合された。
  • 2018年 - 再生可能エネルギー・送電・原子力事業に関連した、ゼネラル・エレクトリックとの合弁事業のアルストム持ち分を、最終的にゼネラル・エレクトリックに売却[10]

日本法人編集

日本法人として、ABB・アルストム・パワー株式会社、アルストム株式会社がかつて存在した(2015年、GEパワーに統合された)。

関連項目編集

脚注編集

外部リンク編集