サイゼリヤのまちがいさがし
サイゼリヤのまちがいさがしは、サイゼリヤが2005年からメニュー表に掲載している間違い探し、及び歴代のそれを一冊にまとめて2018年7月13日に発売した書籍である。
概要
サイゼリヤは創業以来、イタリアの「子どもも大人と同じものを食べ、味を覚える」という習慣に倣い、キッズメニューを用意していなかったが、2000年代以降に多店舗展開が始まり、サイゼリヤはロードサイドへの出店も拡大するようになる。その中心となる客はファミリー層だったことからファミリーレストランとしてのニーズが高まり、キッズメニューが誕生した。しかし、当時のキッズメニューは「子どもにも本物の味を食べてほしい」という願いから、当時は珍しかったモッツァレラチーズやペコリーノチーズ、モルタデッラが使われるなどかなり異色なものだった。このキッズメニューは案の定、手間とコストがかかる割には売り上げが伸びなかったため、しばらくしてハンバーグを中心としたメニューに変更することとなった。その際に新たなメニュー表が必要となった[1]。
新たなメニュー表では、食材への思いや食育につながる知識などを表紙に込めて伝えることに加え、楽しめる要素も盛り込むこととなり、当時商品企画部長だった堀埜一成を中心に企画した。こうして2005年に、間違い探しを採用したキッズメニュー表が誕生した[1]。
間違い探しの題材は「サイゼリヤのイタリア食材」「おいしいごはんができるまで」「おいしいやさいが届くまで」など、食育を強く意識したものとなっている。
誕生以降人気を集め、「毎回楽しみにしている」という声が寄せられるようになったが、「料理を食べ終わっても間違いが見つからない!」というクレームが寄せられたことで、2007年12月版で一時休止した。その後、発案者である堀埜一成が社長に就任したことを機に、2012年12月版から再開した[1]。
2023年、キッズメニューがグランドメニューと統合したことによって間違い探しは一時的に休止となった[2]。その後、「サイゼリヤの『おいしさ』のハナシ」というタイトルの冊子の裏に掲載される形で復活した[3]。
反響
この間違い探しは非常に難易度が高く、「レベル高すぎて40分くらい格闘しましたが、残り1個がどうしても見つけられません」「子供向けだとなめてました」「最後の1個がどうしても見つからない」「大人二人がかりでも全問分からない」などと、インターネット上で話題になった[1][4]。一方で、間違い探しを制作しているサイゼリヤによれば、見つけやすいネタを7、8個、残りは少し難しいネタを入れており、設問が決まった後に社内検証し、大人が15分で解けるレベルを想定しているという[1]。
また、サイゼリヤではより難易度の高い間違い探しを求める客に向けて、「超難解!大人の間違い探し」を店舗レジ前に用意している[5]。
音楽家の平沢進はサイゼリヤの間違い探しを愛好しており、自身のTwitter上の投稿で「私がサイゼに行く3つの条件。」の一つとして「新作の間違い探し絵」を挙げた他、「サイゼの間違い探しは難易度が高い。それは信頼のタグを首から下げた権威や、博識と書かれたTシャツを着た著名人が貴方にどんな嘘をつき、どのように侮蔑しているかを見つけるより難しい。」としている[6]。
書籍化
2018年7月9日、サイゼリヤは過去にキッズ用メニューに掲載した間違い探しをまとめた書籍「サイゼリヤのまちがいさがし」を同年7月13日に発売すると発表した[7]。
- サイゼリヤ『サイゼリヤのまちがいさがし』(2018年7月13日、新星出版社、ISBN 978-4-405-07272-5)
関連項目
- THE ROCKET GOLD STAR(山崎秀昭) - イラスト担当者[8]
脚注
出典
- ^ a b c d e “『サイゼリヤ』の間違い探しは、なぜ難解? 大人もモヤるレベルの高さのワケを担当者に直撃”. ORICON NEWS (2018年6月28日). 2023年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月26日閲覧。
- ^ “サイゼの「間違い探し」廃止……? SNSでうわさ広まる サイゼリヤに聞いてみた”. ねとらぼ (2023年7月14日). 2023年9月26日閲覧。
- ^ “【朗報】消えたと思われた「サイゼの間違い探し」がしれっと復活! より純粋な悪夢として各テーブルに再臨なさる”. ロケットニュース24 (2023年8月4日). 2023年9月26日閲覧。
- ^ “超難問はネットで物議も サイゼリヤ「間違い探し」10個の“間違い”は誰がどう決めているのか?”. LASISA (2023年9月20日). 2023年9月26日閲覧。
- ^ “サイゼリヤの最新「間違い探し」が難解すぎて「マジで禁じ手」! 担当者「お子様は真っ先に見つけていますが…」”. まいどなニュース (2020年8月12日). 2023年9月26日閲覧。
- ^ “平沢進の『サイゼリヤに行く3つの条件』に共感の嵐 「めっちゃ分かる」「オチで吹いた」”. grape (2023年2月25日). 2023年9月26日閲覧。
- ^ “ネットで話題の間違い探しメニューが本に”. 毎日新聞 (2018年7月9日). 2023年9月26日閲覧。
- ^ THE ROCKET GOLD STAR(山崎秀昭)(インタビュアー:斎藤充博)「「サイゼリヤ」間違い探しの画風はどのようにして生まれたか。イラストレーターTHE ROCKET GOLD STARに聞く」『GENSEKIマガジン』、viviON、2022年8月23日 。2023年9月27日閲覧。
外部リンク
- エンターテイメント - サイゼリヤ
- サイゼリヤのまちがいさがし - 新星出版社