シャクガ上科 (Geometroidea) は、鱗翅目(チョウ目)に属する上科の一つ。鱗翅目の中ではヤガ上科に次ぐ二番目に大きい上科であり、世界から2万3000種以上が知られている[1][2]。日本からは約900種が知られる[3][4]

シャクガ上科
Geometra papilionaria
オオシロオビアオシャク
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: 鱗翅目(チョウ目) Lepidoptera
階級なし : 有吻類 Glossata
階級なし : 異脈類 Heteroneura
階級なし : 二門類 Ditrysia
上科 : シャクガ上科 Geometroidea
学名
Geometroidea Leach, 1815[1]
和名
シャクガ上科

本文参照

など

分類

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かつて本上科は腹部に鼓膜器官が存在することを分類形質とし[5]カギバガ科をはじめとする多くの科を含んでいたが[6]、後に解体された[3][7]。したがって、本上科の分類には歴史的な変遷があり、特にアゲハモドキガ科の位置は流動的である。ここではみっつの分類体系を紹介する。和名は特記のない限り、駒井 et al. (2011)に拠る。

Fletcher (1979) Minet (1998),
Minet & Scoble (1998)
van Nieukerken et al. (2011),
Goldstein (2017)

(亜科省略)
上科 イカリモンガ上科 Calliduloidea イカリモンガ上科 Calliduloidea
  • イカリモンガ科 Callidulidae
上科 キンイロガ上科 Axioidea
上科 カギバガ上科 Drepanoidea カギバガ上科 Drepanoidea
  • キンイロガ科 Cimeliidae
  • ニセシャチホコガ科 Doidae
  • カギバガ科 Drepanidae
上科 シャクガ上科 Geometroidea シャクガ上科 Geometroidea シャクガ上科 Geometroidea
  • イカリモンガ科 Callidulidae
  • Pterothysanidae
  • キンイロガ科 Axiidae
  • トガリバガ科[8] Thyatiridae
  • カギバガ科 Drepanidae
  • オオカギバガ科[8] Cyclidiidae
  • ツバメガ科 Uraniidae
  • フタオガ科[8] Epiplemidae
  • アゲハモドキガ科 Epicopeiidae
  • ニセツバメガ科 Sematuridae
  • Apoprogonidae
  • シャクガ科 Geometridae
  • ニセツバメガ科 Sematuridae
  • Pseudobistonidae[2][9]
  • アゲハモドキガ科 Epicopeiidae
  • ツバメガ科 Uraniidae
  • シャクガ科 Geometridae

カギバガ上科は本上科から分離されたものの形態的には近縁であることが示唆され、姉妹群として扱うことが多い[3][7][5]。アゲハモドキガ科をカギバガ上科に含める分類体系も存在するが、近年の分子系統分析の結果を反映した分類ではシャクガ上科に含めることが多い[1][2][9][10][11]

ニセツバメガ科は主に新熱帯区に分布し[11]、日本には分布しない[3][4]

Pseudobistonidae 科は2015年に記載された新しい科であり、1994年に井上寛によって新種記載された[12] Pseudobiston pinratanaiタイプ属とする。アゲハモドキガ科と姉妹群を形成するとされる[9][13][11]。2019年には、ヤガ上科のドクガ科に分類されていた Heracula discivitta が本科に再分類された[11]

ギャラリー

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外部リンク

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出典

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参考文献

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和文

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  • 駒井古実; 吉安裕; 那須義次; 斉藤寿久(編)『日本の鱗翅類 : 系統と多様性』東海大学出版会、2011年。ISBN 978-4-486-01856-8https://rnavi.ndl.go.jp/mokuji_html/000011131937.html 

英文

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