シュピーカー点

幾何学において, シュピーカー点（シュピーカーてん、Spieker center）またはシュピーカー中心、シュピーカー心は、三角形の中心の一つである。三角形の周長の重心として定義される^[1]^[2]。 19世紀のドイツの数学者テオドール・シュピーカー（ドイツ語版、英語版）にちなんで名づけられた^[3]。クラーク・キンバリング（英語版）の「Encyclopedia of Triangle Centers」ではX(10)として登録されている。

位置編集

シュピーカー点の作図,三角形DEFは三角形ABCの中点三角形,Sは三角形DEFの内心

シュピーカー点は中点三角形の内心である。

つまりシュピーカー点は $△ ABC$ の中点三角形の内接円の中心である。この円はシュピーカー円と呼ばれている。

またシュピーカー点は、中分線（英語版）（中点を通り周長を二等分する直線)の交点である。

黒い破線は三角形ABCの角の二等分線,青い線は中分線,赤い線はシュピーカー円

$△ ABC$ のシュピーカー点を $S$ とする。

bc(b+c):ca(c+a):ab(a+b).

^[4]

b+c:c+a:a+b.

$S$ は3つの傍心円の根心である^[5]。
$S$ は $△ ABC$ の中分線の交点である。
$S$ は $△ ABC$ のナーゲル線上にある。また、内心I,重心 $G$ ,ナーゲル点Nについて $3{\overrightarrow {\mathrm {IG} }}=2{\overrightarrow {\mathrm {IS} }}={\overrightarrow {\mathrm {IN} }}$ が成り立つ^[6]。

$S$ はキーペルト双曲線上にある^[7]。つまり角XBC,XCB,YCA,YAC,ZAB,ZBAが以下の式で表される $△ XBC, △ YCA, △ ZAB$ を内側に描いたとき、 $AX, BY, CZ$ の交点である。

\theta =\tan ^{-1}\left[\tan \left({\frac {A}{2}}\right)\tan \left({\frac {B}{2}}\right)\tan \left({\frac {C}{2}}\right)\right].

^ Honsberger, Ross (1995). Episodes in Nineteenth and Twentieth Century Euclidean Geometry. Mathematical Association of America. pp. 3–4
^ Kimberling. “Spieker center”. 2012年5月5日閲覧。
^ Spieker, Theodor (1888). Lehrbuch der ebenen Geometrie. Potsdam, Germany
^ Kimberling. “Encyclopedia of Triangle Centers”. 2012年5月5日閲覧。
^ Odenhal, Boris (2010), “Some triangle centers associated with the circles tangent to the excircles”, Forum Geometricorum 10: 35–40
^ Bogomolny. “Nagel Line from Interactive Mathematics Miscellany and Puzzles”. 2012年5月5日閲覧。
^ “キーペルト双曲線”. Weisstein, Eric W. 2024年3月9日閲覧。