シンガポールの夜は更けて
『シンガポールの夜は更けて』は、1966年12月10日にビクターより発売された橋幸夫の85枚目のシングル (SV-496)[1]。橋が主演する同名の映画の主題歌となっている(後述)。
「シンガポールの夜は更けて」 | ||||
---|---|---|---|---|
橋幸夫 の シングル | ||||
初出アルバム『恋のメキシカン・ロック/橋幸夫ベストヒット14 (LP・SJV-290)』 | ||||
B面 | 南十字に涙して | |||
リリース | ||||
ジャンル | 歌謡曲 | |||
時間 | ||||
レーベル | ビクター (SV-496) | |||
作詞・作曲 |
佐伯孝夫(作詞) 吉田正(作曲) | |||
チャート最高順位 | ||||
| ||||
橋幸夫 シングル 年表 | ||||
| ||||
概要
編集- 作詞は佐伯孝夫、作・編曲は吉田正で、橋の両恩師による楽曲である。12月5日に「霧氷」で2度目のレコード大賞を受賞した橋が、受賞直後にリリースした楽曲となる。当時はレコード大賞の発表は12月の上旬が通例であった。
- 海外を対象とした橋の楽曲は、「恋のメキシカン・ロック」「夢見るジェーン」「東京-パリ」などいくつかあるが、本楽曲が海外をテーマとした最初の楽曲となる。
- 佐伯の歌詞は「シンガポール」を6回使用し、その他に「ナイトクラブ」「シーサイド」「エトランセ」などカタカナを使用して「ロマンチックな旅情」[2]を演出している。また楽曲制作と並行して、同名での映画作成も制作された。
- 海外(シンガポール)を対象にしたため、曲づくりのため、橋と吉田は10月初旬、現地を旅行し、吉田はそこで楽曲を練った[2]。印象的なイントロはこの時生まれた。また楽曲制作と並行して、同名での映画作成も制作された。
- ジャケットは二つ折りで、見開き頁に歌詞が掲載されているが、「シンガポールの夜は更けて」については楽譜も記載されている。4頁(裏面)には、橋が吉田とシンガポールを旅行した際のスナップ写真が3枚掲載されている。
- ランキングは『明星』第42回で「霧氷」を押さえて月間1位(「霧氷」は9位)、同月の『平凡』では「霧氷」が1位で、本楽曲はまだベスト10に顔を出していない。
- c/wは「南十字に涙して」。この曲も同じく佐伯孝夫作詞、吉田正作曲で、映画『シンガポールの夜は更けて』の主題歌となっている。
収録曲
編集収録アルバム
編集この曲は、初期のLP盤アルバムには収録されているが、CDでリリースされたベストアルバムへの収録はない。記念アルバムやCD-BOXには収録されている。
- 記念アルバムでの収録は以下のとおり
- 芸能生活45周年記念盤『歌の架け橋』2005/12(VICL-61843〜5)DISC-2
- 芸能生活50周年記念盤『道程(みちのり)』2010/6(VIZL-584)DISC-1(ニューボーカル)
- CD-BOXでの収録は以下のとおり
- 『橋幸夫大全集』(CD-BOX 6枚組) [1993年9月20日発売] DISC-5
- 『橋幸夫のすべて』(CD-BOX 5枚組) [2011年2月8日発売] DISC-4
- 『橋幸夫ベスト100+カラオケ15』(CD-BOX 5+1枚組) [2015年10月28日発売] DISC-5
映画
編集シンガポールの夜は更けて | |
---|---|
Under the Stars of Singapore | |
監督 | 市村泰一 |
脚本 |
成澤昌茂 桜井義久 |
原作 | 成澤昌茂 |
製作 | 沢村国男 |
出演者 |
橋幸夫 由美かおる |
音楽 | 小川寛興 |
撮影 | 小杉正雄 |
編集 | 杉原よ志 |
製作会社 | 松竹 |
公開 | 1967年1月2日 |
上映時間 | 93分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
1967年1月2日に松竹系で公開された。1時間33分[3]。カラー。
橋と由美かおるの初共演作であり、彼らはこの後も『バラ色の二人』(1967年4月15日公開)、『恋のメキシカンロック 恋と夢と冒険』(1967年8月19日公開)と、同じ年に公開された松竹映画で連続共演している。監督は、橋の主演映画を何作も担当してきた市村泰一。
橋は百発百中の腕を持つというクレー射撃場の指導員・三崎敦役で、由美はマレー踊りの臨時教師としてシンガポールから来日した東華飯店の娘・王明芳役で出演。敦は明芳から自分の異母妹・白蘭がシンガポールの彼女の店で踊り子をやっていたことを聞いて驚き、現地に向かう。しかし妹は非業の死を遂げており、ここから彼女の死の真相に迫っていくストーリー。
スタッフ
編集出演者
編集- 三崎敦:橋幸夫
- 石橋幹夫:菅原謙二
- 石橋美恵子:園江梨子
- 石橋洋子:有川由紀
- 浅井ヨシオ:市川好郎
- 王明芳:由美かおる
- 王定慶:北村英三
- 王雲麗:露原千草
- 丸尾:金子信雄
- 大沼:諸角啓二郎
- 村山研次:待田京介
- サブ:小田草之助
- まゆみ:ロミ・山田
- 本間:園井啓介
- 陳:藤岡弘
- 山田節子:宗方奈美
- バーテン丁:菅原文太
- さゆり:荒井千津子
- 金文秀:藤村有弘
同時上映
編集映像ソフト
編集1997年9月20日に一度本作を収録したVHSビデオソフトが松竹ホームビデオから発売されたが、その後はビデオソフト化されていない。
出典
編集- ^ 「シングルレコード・ディスコグラフィティ」橋幸夫・小野善太郎共著『橋幸夫歌謡魂』ISBN 4-948735-16-7 ワイズ出版(東京)1993/6 168-209頁参照
- ^ a b 月刊『明星』第2付録(歌本) 集英社(東京)1967/2 90頁参照
- ^ 橋幸夫、小野善太郎『橋幸夫歌謡魂』1993年、292頁。