ジョヴァンニ・ガステル

ジョヴァンニ・ガステル (Giovanni Gastel, 1955年12月27日 - 2021年3月13日[1])はイタリアの写真家 [2] [3] [4]。映画監督ルキノ・ヴィスコンティである。 ミラノ出身。

Giovanni Gastel
誕生日 (1955-12-27) 1955年12月27日
出生地 イタリアの旗 イタリアミラノ
死没年 2021年3月13日(2021-03-13)(65歳)
死没地 イタリアの旗 イタリアミラノ
国籍 イタリアの旗 イタリア
芸術分野 写真家
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経歴 編集

1955年12月27日生まれ。父はジュゼッペ・ガスペル(Giuseppe Gastel)。母はイダ・ヴィスコンティ・ディ・モドローネ(Ida Visconti di Modrone)である。母イダは映画監督ルキノ・ヴィスコンティ兄弟姉妹関係である(どちらが年長かは不明)。幼い時から演劇をしたり、詩集を出版したりしてたが、やがて写真術に専心し始め、自宅の地下室にて独学で技術を習得した。

1975年から76年にかけて、ロンドンのオークションハウス・クリスティーズのために初めて仕事をした。1981年にカーラ・グリエリと出会い、彼女は彼のエージェントとなり、彼をファッションの世界に導いた。最初にファッション雑誌「アナベライタリア語版」とコラボレーションし、1982年には「ヴォーグ・イタリア」の写真を撮り始めた。その後、エディモーダ社のディレクターであるフラビオ・ルッキーニやジゼラ・ボリオリとの出会いにより、「モンド・ウオモ」、「ドンナ」といったファッション誌の写真を撮るようになった[5][6]

80年代から90年代にかけて、ガステルのファッション業界でのキャリアは、"メイド・イン・イタリー "の急激な成長に伴って拡大していった。ガステルは、ヴェルサーチミッソーニトッズトラサルディクリツィアフェラガモなどの広告キャンペーンの撮影を担当した。また、フランスではディオールニナ・リッチ英語版ゲランなどのブランドを担当し、イギリス、スペインでも活動していた。

これらの長年にわたる熱心なプロのコミットメントの間、詩的な皮肉を特徴とする個人的なスタイルを開発し始めた。 美術史に対する情熱は、写真にバランスのとれた構図の趣味を導入することにつながった。 彼の言及は、 ポップアートアーヴィング・ペンの写真作品である。

ガステルは、ファッションの仕事と並行して、個人的な研究にも力を入れており、1997年には美術評論家ゲルマノ・チェラント英語版のキュレーションにより、ミラノ・トリエンナーレで個展を開催した。それ以来、ガステルの写真は、オリヴィエロ・トスカーニジャンパオロ・バルビエーリ英語版フェルディナンド・シナナ英語版ヘルムート・ニュートンリチャード・アヴェドンアニー・リーボヴィッツマリオ・テスティーノユルゲン・テラー英語版などのスター写真家の写真とともに、主要な国際的雑誌に掲載されるようになった[7]

1990年よりイタリア写真家協会イタリア語版に所属し、1996年5月に初代会長に就任[8]。2012年には再選されたが、会長復帰と同時に協会の役割が大きく変わり、旧組織を解消して2013年10月16日にAFIPインターナショナル(Associazione Fotografi Professionisti)を設立した[9]。2017年にはミラノ・トリエンナーレの機関パートナーである現代写真美術館イタリア語版の理事に就任した[10]

 
2017年にパルマで開催された「イタリア音楽の100の顔」展のジョヴァンニ・ガステル

一方で、ヨーロッパ腫瘍学研究財団英語版の支援活動にも参加しており、理事会にも加わっている。

ガステルの芸術的活動は写真にとどまらず、小説や詩集も発表、出版している。

近年、ガステルはポートレイトに専念しており、2020年にローマのイタリア国立21世紀美術館イタリア語版で開催された展覧会では、ガステル自身が40年のキャリアの中で出会った、文化、デザイン、アート、ファッション、音楽、エンターテイメント、政治などの世界の人々のポートレート200点が展示され、キャリアは最高潮に達した。著名なポートレートには、バラク・オバマエットレ・ソットサスロベルト・ボッレイタリア急進党英語版党首・マルコ・パンネッラ英語版などがあった[11]

だが、イタリアで感染が収まらない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、2021年3月13日、ミラノにて死去した。65歳没[12]

脚注 編集

  1. ^ “Morto il fotografo Giovanni Gastel: era ricoverato per Covid in condizioni gravissime” (イタリア語). ilmessaggero.it. (2021年3月13日). https://www.ilmessaggero.it/persone/morto_giovanni_gastel_fotografo_moda_maxxi_chi_era-5828892.html 2021年3月15日閲覧。 
  2. ^ https://www.iodonna.it/attualita/eventi-e-mostre/2019/05/23/treviso-il-fotografo-giovanni-gastel-al-festival-dellinvenzione/
  3. ^ https://milano.repubblica.it/cronaca/2018/05/18/foto/como_mostra_giovanni_gastel_l_eterno_istante-196659107/1/?refresh_ce
  4. ^ https://www.artslife.com/2016/11/14/intervista-a-giovanni-gastel-leleganza-e-un-valore-morale/
  5. ^ “Biografia” (イタリア語). giovannigastel.it. https://www.giovannigastel.it/bio-2/ 2021年3月16日閲覧。 
  6. ^ “Intervista a Giovanni Gastel” (イタリア語). socialup.it. https://www.socialup.it/intervista-a-giovanni-gastel-fotografo-quello-che-vedo-non-cio-che-appare/ 2021年3月16日閲覧。 
  7. ^ “Intervista a Giovanni Gastel: L'eleganza? È un valore morale” (イタリア語). artslife.com. https://artslife.com/2016/11/14/intervista-a-giovanni-gastel-leleganza-e-un-valore-morale/ 2021年3月16日閲覧。 
  8. ^ Annali Afip 2012, Alfredo Pratelli
  9. ^ “Statuto – AFIP International” (イタリア語). afipinternational.com. (2021年3月16日). http://www.afipinternational.com/news/statuto/ 
  10. ^ “Giovanni Gastel nuovo membro del cda del Mufoco il museo di fotografia contemporanea” (イタリア語). artemagazine.it. http://www.artemagazine.it/flash-news/item/3359-giovanni-gastel-nuovo-membro-del-cda-del-mufoco-il-museo-di-fotografia-contemporanea 2021年3月16日閲覧。 
  11. ^ “Giovanni Gastel, The people I like” (イタリア語). maxxi.art. https://www.maxxi.art/en/events/giovanni-gastel-the-people-i-like/ 2021年3月16日閲覧。 
  12. ^ “Morto il fotografo Giovanni Gastel: era ricoverato per Covid in condizioni gravissime” (イタリア語). ilmessaggero.it. (2021年3月13日). https://www.ilmessaggero.it/persone/morto_giovanni_gastel_fotografo_moda_maxxi_chi_era-5828892.html 2021年3月15日閲覧。 

外部リンク 編集

公式サイト(イタリア語)