ジル (自動車)

ロシアの旧自動車メーカー

ジルZILまたはZiL, ロシア語: Завод имени Лихачёва (ЗиЛ), ラテン文字転写:Zavod imeni Likhacheva, リハチョフ記念工場の意)は、高級乗用車・トラック・重機を製造していたロシアの大手メーカー。2012年を最後にすべての車両生産が終了した。

GIL
ZIL
種類 不動産会社
本社所在地 ロシアの旗 ロシア
モスクワ
業種 自動車会社(旧)
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一時期はバス装甲戦闘車両アエロサン、そしてソビエト連邦の指導者向けの装甲車も製造していた。また、主にロシア政府向けのリムジン高級車も手作業で製造していた。ジルの乗用車はマイバッハロールス・ロイスの自動車と同等の価格であるが、CIS外での知名度は低く、年に十数台しか製造されなかった。

歴史

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リハチョフ記念工場

1916年モスクワ自動車 (Автомобильное Московское Общество, АМО) として設立され、フィアット F-15 1.5トントラックをライセンス生産する計画であった。しかし、十月革命ロシア内戦のため、1号車であるAMO-F-151924年11月になって生産された。

1931年にはU.S. A.J. Brandt Co.社の助けで規模を拡大して再設立し、当時の指導者ヨシフ・スターリンの名を取った「スターリン記念工場」(Zavod Imeni Stalina, ZISあるいはZiS, ジス)となった。

第二次世界大戦中の1940年代にはアメリカの高級車でスターリンも好んでいたパッカードの旧型ボディプレスが、スターリンへの懐柔策としてアメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトの仲介で譲渡され、しばらく旧型パッカード同型ボディを持つ高級車を生産した。以後も1960年代まで、乗用車デザイン・設計についてはパッカードを始めとするアメリカ製大型車を多くの面で模倣、1960年代後期以降はやはり同時期のアメリカ製高級車に類似した巨大な直線基調デザインのリムジンを生産してきた。

この「スターリン記念工場」は、1956年ニキータ・フルシチョフによるスターリン批判の後、先代の工場長イワン・リハチョフにちなんで「リハチョフ記念工場」となり、略称も「ZIL」(ジル)となった。

2012年を最後に車両生産はすべて終了したが、会社自体は存続しており、会社の土地を他の目的に使う不動産事業は続いている[1]

車種

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リムジン

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トラック

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バス

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スポーツカー・レーシングカー

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  • ZIS-101 スポーツ(1939年)
  • ZIS-112/4(1958年)
  • ZIL-112 スポーツ(1960-62年)
  • ZIL-412 S(1962年)

その他

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参考文献

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  • Zaloga, Steven J., James Grandsen (1984). Soviet Tanks and Combat Vehicles of World War Two, p. 44. London: Arms and Armour Press. ISBN 0-85368-606-8.

脚注

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関連項目

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外部リンク

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