スパニッシュフライ学名:Lytta vesicatoria)は、コウチュウ目(鞘翅目)・ツチハンミョウ科に分類される甲虫の一種。転じて、それを成分とした催淫剤の呼称にも用いられる。

スパニッシュフライ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目(鞘翅目) Coleoptera
亜目 : カブトムシ亜目(多食亜目) Polyphaga
下目 : Cucujiformia
上科 : ゴミムシダマシ上科 Tenebrionoidea
: ツチハンミョウ科 Meloidae
亜科 : ツチハンミョウ亜科 Meloinae
: Lyttini
: ミドリゲンセイ属 Lytta
: スパニッシュフライ L. vesicatoria
学名
Lytta vesicatoria
Linnaeus, 1758
和名
スパニッシュフライ
スペインゲンセイ
ヨーロッパミドリゲンセイ
英名
Spanish fly

英名の和訳によりスペインバエ(西班牙蠅)の別名もあるが、ハエではない(英語の fly はハエだけでなく飛翔する昆虫一般に使われる)。和名としてスペインゲンセイ(西班牙芫青)、ヨーロッパミドリゲンセイ(欧羅巴緑芫青)などもある。

カンタリジン

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この虫はツチハンミョウ科に共通する成分カンタリジン (cantharidin) を体内に蓄える。この昆虫を人間が摂取するとカンタリジンが尿中に排泄される過程で尿道血管を拡張させて充血を起こす。この症状が性的興奮に似るため、西洋では催淫剤として用いられてきた。歴史は深く、ヒポクラテスまで遡ることができる。「サド侯爵」マルキ・ド・サドは売春婦たちにこのスパニッシュフライを摂取させたとして毒殺の疑いで法廷に立ったことがある。

漢方医学でも伝統的に、ツチハンミョウ科の甲虫を同様にカンタリジンを有効成分として含む薬用生物として利用しており、今日でもヨコジマゲンセイキオビゲンセイがこの目的で大量に取引されている。

関連項目

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